第2話『ご注文はアヘンですか』
「ふぅ。疲れたぜ」
悪魔の軍勢を一掃したKENTAは、ロケットランチャーを地面に置くと地面に座り込んだ。
「こんな時は歌でも歌いたい気分だな。なぁ?デッドマンズウォーキング?」
「あぁ……俺の故郷では、『それ行けカブ』という歌が流行っていたんだ。誰もが歌っていた、有名な曲だ」
「ジュースだって?なら俺はオレンジジュースが飲みたいな」
「そうか。俺はコーヒーが飲みたいな」
そんなことを喋っていると、荒れ果てた大地にポツンと喫茶店が建っているのが見えてくる。
「あれは……ピッグハウス?」
「ああ。豚小屋……何か臭うな」
俺達は歩き出し、その店のドアを開いた。
瞬間鼻をつく強烈な阿片の匂い。
「これは阿片!」
「へっへっへ!来たか!ここは俺達阿片ジャーズの隠れ家なんだよ!」
なんと、世界を守るヤク中ヒーロー阿片ジャーズの住処だったらしい。
デッドマンズウォーキングユウキの額を汗が伝う。
「これは……まずいな?」
「ああ。だがな!俺達は諦めない!」
「やめておけ!お前達はもう逃げられない!」
「いや!この伝説のアカバンランチャーなら!」
「何!?それがかの有名なアカバンランチャーか!?」
そう、KENTAが身につけているロケットランチャーの名前は『アカバン・ロマノフ・スターダスト=ランチャー』。
伝説の地でのみ手に入る伝説のロケットランチャーだ。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ロケットランチャーをぶっぱなすKENTA。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」
阿片ジャーズは死んだ。
「よし、次に行くぜ」
そう言って喫茶店を後にするKENTAの背中は、戦う男の背中だった。