38.魔王ビスマルク
次回のエピソードは最終話ですが、まだ、書き終えていません。すいません。島風は週末まとめて書いているので、今週末投下します。誰も読んでなかったりして。(笑)
私は一期一会を構えると、魔王に向い、真上から一文字に刀を薙いだ。ダニエルさんは魔法を唱え、炎の攻撃魔法を魔王に浴びせる、マスターは魔王のアイシクル・ランスを紙一重でかわす。
「何度もやっても無駄だ! 同じ手が通用すると思うな、アイシクル・ランス!」
魔王はいくつもの氷の槍を作り出し、私達に氷の槍を降り注ぐ。
「アリス!」
虫の知らせ? 何かが私に囁いた。魔王の右手の先から、光の砲弾が放たれる。
「駄目! みんな気をつけて! 何かとんでも無い技が来る!」
「そうだ! これならどうだ!」
光の砲弾はマスターの近くに飛んだ。明かにマスターを狙った一弾! マスターの頭上から、魔王の作り出した光の砲弾が降り注いだ。それは、明らかに魔王の特殊技。マスターが避けた砲弾はマスターの後ろに着弾して、そして.....
『ドカーン』
信じられない轟音が響いた。何だ? 何が起こった? 砲弾は爆発した。そして、破壊された柱や壁がずれ、支えを失った天井が皆の頭上より落下する。瓦礫が降り注ぐ中、私は魔王のアイシクル・ランスをやり過ごす。
「しまった!」
マスターの声がした瞬間、マスターの体が四散した。既に2発目を魔王は放っていたのだ。
「マスター!?」
マスターの体は血飛沫と細かい肉片に変わっていた。しかし!
『アリス、大丈夫だ。ほんの10分もあれば、再生する』
頭の中に直接マスターの声が響いた。
『わかりました』
「皆さん。マスター直ぐに再生します」
私はみんなに伝えた。戦意を挫かせない為に。
「そうはさせるか! 愚かな吸血鬼! くらえ、アイシクル・ランス!」
私は急いで、マスターと魔王の間に入った。再生中のマスターにアイシクル・ランスが着弾したら、果たしてマスターは再生できるのか? クリストフさんと同じ様に死んでしまうのでは無いか? そんな恐怖にかられた。
アイシクル・ランスのその速度は、いつもよりも早い。どうにか間に合って、円城流二の太刀で受ける。受けたつもりだった。が!
「そ、そんな!」
魔王の放ったそのアイシクル・ランスはそれまでより早く、そして、軌道を突然変えた。
「マスター!」
砲撃の威力で更に瓦礫と天井が崩れ、白煙が立ち込める。そこに再生中の赤いマスターの姿が徐々に現れる。その体は凍りついていた。再生中の体はまともな形にはなっていない、だが、ほんの数分待てば再生完了する筈だった。
再び、マスターの声が頭の中に直接聞こえる。
「アリス、良く聞け。私はこのままでは再生できない。心臓が凍結した。魔王を倒さなければ、再生できない。だから、クリストフと同様、真祖の力をアリス、お前に移譲する」
「そ、そんな! マスターはどうなるんですか?」
「クリストリフと同じだ。消え去るのみ」
「そんなの嫌です。私を置いて行かないで!」
「アリス! お前はまなみと約束したんだろう? 世界を救うと! ここで、退いたら、人類に勝機は無い! お前が私の力を引継ぎ、魔王を倒せ! お前に託す! それしか方法が無い」
「マ、マスター酷いですよ。勝手に花嫁にして、旦那さんらいし事何にもしてくれなくて、突然、私に託されて、酷いですよ」
「すまん。私は酷い男だ。許せ。だが、もう、あまり時間が無い」
しかし、私がマスターと話している間も魔王は攻撃を当然止めなかった
「その女の吸血鬼! お前も死ね! アイシクル・ランス!」
しまった。対応が遅れた!
「お姉様、任せてください! 円城流二の太刀!」
『ガキン』
カタリナが私に降り注いだ凍てつく氷の槍を防いでくれた。
「カタリナ!しばらく私を守って! マスターが私に力を渡す、貴方と貴方のクリストフさんの様に!」
「わかりましたは、お任せください」
「お願い!」
「アリス、では真祖の譲渡の魔法を唱える。必ず魔王と倒せ!」
「はい」
マスターの呪文を聴きながら、私の頬を涙が流れる。もう、二度と仲間を失わない! 何度誓っても、私はそれを守れ無い。今度こそ! 今度こそと誓っても、又、私は失ってしまう!
私にマスターの力が流れてきた。そして、
「アリス、愛している......」
最後の言葉と共に、マスターの気は消えた。いつも、どんなに遠くにいても感じていた。あの力強く、それでいてどこか優しさが漂う気が消えた
「魔ぁぁぁぁああああああお、王ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!」
私は力任せに魔王に一期一会を振るった。刀に魔力を宿して、憎い魔王を全力でぶっ飛ばすために。渾身の一撃は、軽々と避けられる。
「お姉様落ち着いて!」
カタリナが私を説き伏せる。そうだ、カタリナの言う通りだ。力任せで勝てる相手では無い
「ふぅ……」
私は深く呼吸した。
私の目つきは変わったろう、怒りに満ちた顔から知恵を働かす人らしい顔に。手に握る一期一会神にまなみの心を感じる。
『ここで、負ける訳にはいかない。まなみとの約束、マスターの為に!』
刀と体に魔力を満たす。まなみに教わった円状流刀剣術、更に実戦の中で磨かれてきた私の剣技の集大成を今、見せる時!
「おぉぉおおおおおおおッ!」
魔王に斬りかかる
「どれだけ、力で劣っていようと! 人間は必ず勝つ!」
「根拠の無い子供の様な台詞だな?」
魔王はせせら笑う。
「どれだけっ、無茶な戦いだろうとも! 人間は必ず勝つ!」
魔王は不機嫌になる。
「いい加減、諦めろ! お前達ごときに勝てる相手と思うのか?」
「人間は決して諦めない! 何度でも、何度でも戦いを挑む! 何千年前からそうだ!」
「お姉様、そして、人間はみんなで戦うものでしてよ」
カタリナが入って来る
「そうね。カタリナの言う通りね。一緒に戦うんだからね」
「ええ、二人で、戦いましょう」
「私達を忘れないでくれますか? アリスさん」
「ごめんなさい、ダニエルさん。もちろん、私達みんなで戦いましょう」
私は改めて魔王を見据え、
「魔王! 私達の心が、折れると思うなあぁぁぁぁぁあ!」
そして、一斉に攻撃を再開した。ダニエルさんの断裂、カタリナの断裂、私の円城流刀剣術、しかし、決め手がなかった。しかし、私の心の片隅である事がわかったんだ。そう、それはマスターの技。私にはマスターの技が宿っている。
「カタリナ、私が妖糸で攻撃してみる。隙を見て、剣で一撃入れて! ダニエルさん達はカタリナを支援して!」
「はい、わかりましたお姉様!」
「わかりました。アリス殿」
妖糸を展開する。短いヤツの方だ、その数、数万!
「ほう、人間は面白い技を開発したのだな。興味深い。だが、果たして、それは私に傷を与える事ができるものかな?」
「黙れ、人間の技を見縊るな!
生きてきた事を後悔させてあげるんだからね!」
一斉に妖糸で魔王を集中攻撃する。
ザリザリザリザリザリザリザリザリ
妖糸が魔王の体を刻む、そして、
「今よ! カタリナ!」
「はい、お姉様!」
カタリナは人外の力で跳躍し、魔王に斬りかかる
「円状流刀剣術 飛燕斬!」
しかし、
「アイシクル・ランス!」
魔王は全くダメージを受けていなかった。そして、無防備のカタリナに向かって魔法を放った。でも、それは計算のうち。
『空間』
空間の技を使う、近距離の空間転移、瞬間移動の技、そして、魔法を放つ直前の魔王の前に出る。そして、
『反射』
「ぐぉぉおおおおおおッ――あぁぁぁあああああああああッ!」
魔王は叫び声をあげた。力が無ければ借りればいい、相手から、人は太古から知恵で戦い抜いた。それは現代も同じ、人が勝つには、知恵を使わず勝てようものか!
「今よ、カタリナ、今度こそ、ありったけの魔力で斬って!」
「はい、お姉様!
円状流刀剣術 飛燕斬!」
グシャァァァァ--------------
「な、ば……か、な、そ……に、人魔にっ!」
「だから、生まれてきた事を後悔させてあげるって言ったでしょ? 行って来い、大霊界!
円城流刀剣術 飛燕斬!!」
私の魔力に満ちた刀のひとなぎは容易く魔王の首を落とした。魔王の体は時が止まっていた。冷気の魔法アイシクル・ランス、その魔法を私は反射した。魔法は魔王に降りかかり、魔王の細胞のほとんどは停止していた。そして、魔法防御は全く機能していなかった。鉄の様に硬い筈のその皮膚は人と変わらないレベルになっていた。
「おかしい……こんなのは、おかしい……どうして……どうして……っ?」
「おかしくなんか無い! どれだけ、無茶な戦いだろうと! そんなの、いつだってそうだった! 人間はそうやって生きてきたのよ!」
魔王の体は消えて行った。そして、クリスタルの様にキラキラと光る粉々の何かになって四散した。
そして、それが降り立った
よろしければ評価・ブックマーク登録をお願いします。
次回のエピソードは最終話ですが、まだ、書き終えていません。すいません。島風は週末まとめて書いているので、今週末投下します。誰も読んでなかったりして。(笑)




