32.花嫁の愚痴
黒猫を手に入れた私達は早馬車でニューベルンブルグへ急いだ
行きと違い、ずいぶんカタリナと話した
カタリナはすっかり、私をお姉様という謎のカテゴリーに認定し、崇めた
よくはわからないが、敬意を現している様だ
ドラゴンに食われた時、親切にしたのが、余程ありがたかったのだろう
私の時はまなみ、なんにもしてくれなかったもんな・・・・・・
ふっとカタリナに目を移すと、膝の上に黒猫を乗せて微笑んでいる
「黒ちゃん。いい子ね」
カタリナは黒猫に黒ちゃんという名前をつけていた
以前とずいぶん感じが変わった
前は感じの悪い貴族だったが、今はすっかり、優しい貴族のお嬢様な風だ
私達はお互いの事を話した。私はメランセル村で死にそうになっていた時、マスターに吸血鬼にされた事。殺されてしまった家族や村の復讐をしている事などだ
カタリナは、屋敷がウォーウルフに襲われていた処をギリシャ正教会のクリストフさん助けてもらったらしい。死にそうな処をウォーウルフにしてもらい、助けてもらったそうだ。驚いたのが、カタリナも真祖らしい。ウォーウルフは仲間を魔法で増やすそうだ。クリストフさんは瀕死のカタリナをウォーウルフにして、不死身のウォーウルフになったカタリナは傷が急速に癒えて助かったそうだ
「カタリナは何て呼ばれているの?」
「何と呼ばれているとはどういう事です事、お姉様?」
「私は吸血鬼の花嫁って呼ばれているの。もしかして、カタリナもそんな風に呼ばれているのかなって、思ったの」
「そうでしたか。実は私は銀狼の花嫁って、呼ばれてます」
「クリストフさん。優しい?」
「いえ、基本放ったらかしです」
「やっぱり! 私も放ったらかしにされてる」
「ふっ、ふっ
私達、同じ境遇ですのね」
「本当、急に花嫁にされて・・・・・・
女の子はそこに到るまでが重要なのに、
いきなり花嫁にされて、放ったらかしなんだからね」
「そうですわ。クリストフ様も、これからはお前は私の花嫁だ
何て言った後、放ったらかしで・・・・・・」
「花嫁ってなんだろう?」
「職業なんでは無いですか?」
「職業なの?」
「いえ、そう割り切るしか無い訳です」
そうかもしれない。あのマスターにロマンティクな事を期待しても無理な様な気がする
私達は二人で散々、互いの旦那の愚痴を言い合った
「ニューベルンブルグについたら、戦いになるね」
「わたくし、未だ、戦いは未経験で、今回も何もできず・・・・・・」
「大丈夫よ。仲間がいるから、助けてくれるわよ」
そう、仲間がいる筈だ。いなければ、私が仲間として守ってあげる
「そうでしょうか?
わたくし、レイピアのお習い事をしておりましたが、あの様な次第で・・・・・・」
「今度私が円城流剣刀術の手ほどきしてあげようか?」
「いいんですか?
お願いします。お姉様♡」
こうして私とカタリナは仲良くなった




