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30.黒猫

ニュルンベルクへ向かう途中、私とカタリナに特別な命令が下された


命令は不思議なものだった


「二人で、黒猫を捕まえて来るのじゃ!」


「「・・・・・・」」


正教会のアンダース使徒に言われて、私とカタリナは目が点になった


「あの、それ、誰でもできる仕事ではございません事?」


カタリナがかなり不快な様だ。そんな仕事、何故、貴族の私が?


という感じで、これはこれで、非常に感じが悪い


「私も同感です。でも、何か訳があるんですか?」


私は不思議に思ったが、何か理由があると思った


「ただの黒猫では無い、堕天使からの贈り物だ」


「堕天使からの贈り物?」


「そうだ、古より、時々堕天使が人類に贈る霊体の生き物


 それを使い魔とすればかなり役に立つのじゃ」


「どんな力があるんですか?」


私は聞いた。私には眷獣エンシャントドラゴンブルーアイズがいる


 黒猫の使い魔なんて役に立つのだろうか?


「黒猫に戦闘力は無いが、転移の魔法が使えるし、魔法通信もできる、


 伝言係や偵察、情報収集にはかなり有効だ。何しろ、喋る事ができるからのじゃからな」


「猫ちゃんが喋るのですか?」


私は目がキラキラしてきた。私は猫大好物なのだ。もちろん食べると言う意味では無い


「じゃあ、アリス一人に任せたらいいんじゃ無いですか?


 わたくしは嫌ですわ」


相変わらず、カタリナは感じ悪い


「いや、カタリナ、黒猫はお主の使い魔にするのだ」


「私じゃだめなんですか?」


私はガッカリして言った


「アリス殿は魔法通信も転移の魔法も使えるじゃろう。黒猫の使い魔は必要無いじゃろう」


「いえ、猫ちゃんを放っておける様な善人ではありません!」


「そうは言わず、カタリナに譲ってくれ


 それに、言いにくいが、黒猫がいる洞窟にはドラゴンが潜んでいる


 だから、ドラゴンの討伐もついでにしておいて欲しい


 今、魔法兵団も、我らも、一流処の冒険者が軒並み多忙じゃ


 それで、ニュルンベルクから奥の辺境の街が困っておるのじゃ」


「ド、ドラゴン!」


カタリナはドラゴンと言う言葉に怯えた様だ


「大丈夫じゃ。お前ら不死身だからな」


「・・・・・・」


私はちょっと、ひいた。確かに私らはドラゴンに負ける事は無い。不死身だから・・・・・・


 だけど、私の苦い経験から、ドラゴンに負ける事はンこになる事を意味する・・・・・・


 しかし、今の私なら、おそらくドラゴンを討伐できるだろう。問題無いか


「わかりました。私がドラゴンの討伐をします」


「ありがとう。それで、カタリナはどうするのじゃ?」


「や、やりますわ


 ドラゴン位、アリスが臆し無いなら、わたくしが臆する訳には行きませんわ」


こうして私とカタリナはニュルンベルクから早馬車で2日の旅に出た


 カタリナは散々毒づいた。貴族ってこんなものなんだろうか?


「本当に下品な胸ですね。殿方は喜ぶんでしょうけど。下品な殿方だけしょう事」


どうも私のFクラスの胸が馬鹿にされているらしい


 しかし、私もカタリナの毒舌に散々言われて、腹がたった


 いくら貴族様でも、酷すぎない?


 私はカタリナに宣戦布告する事にした


「カタリナ様、大変申し訳ございません


 私の胸がカタリナ様の推定Bクラスの胸より遥かに大きい、


 Fクラスなばかりにカタリナ様の御気分を台無しにしてしまい、


 大変申し訳なく思っております」


凄い、嫌味だ。誓って、こんな意地悪言った事は無い・・・・・・


 いや、まなみに言った事あったっけか・・・・・・


「な、何ですって!」


カタリナはワナワナと震えた。相当ダメージが入った様だ。私は元々腹黒なんだ


「ちょっと胸が大きい位で何よ。どうせ、馬鹿なんでしょう?


 胸に養分全部行ってるんでしょう?」


「ちゃんと、脳にも養分きてますので、ご安心ください。カタリナ様」


私は慇懃無礼に答えた。余計腹がたったらしく、カタリナは、


「ふん、しばらくあなたとはお話ししたくありませんわ!」


「カタリナ様、申し訳ございません。では、お話はお控えさせて頂きます


 もちろん、カタリナ様の御気分が変わりました。いつでもお申し付けください」


こうして、2日間、ほとんど喋らなかった。話しても私が一方的に疲れるので、助かった


 そして、ニュルンベルクの辺境の街、リューデスハイムについた


 私はまなみと違って、もちろん、ドラゴンの居場所の情報を調べておいた


 ドラゴンについても調べておいた。幸い、ドラゴンはただの火龍、レッドドラゴンだ


 ドラゴンの中では比較的弱い部類に入る。それにサイズも10m程度だ


 到着して早々、私はドラゴンの住む、巣穴に向かって進もうとしたが、カタリナが、


「午後の紅茶の時間ですわ」


そう言って、お茶をする事を余儀なくされた。この貴族め!


 面倒臭い!


 本当に庶民としては殴ってやりたい気分になる。優雅なものだ


「今一つ良い茶葉がございませんねー」


はいはい、どうせ私には違いなんてわかりませんよ!


 紅茶なんてメランセル村で飲んだ事無いですから、貧乏だったんだからね!


「お、美味しい!」


違いは良くわから無いけど、紅茶は美味しかった


 ミルクを入れて、蜂蜜をいれると確かに美味しかった


 良く、こんな美味しい飲み物に文句言えるな。本当、貴族って嫌!


 お茶をした後、ようやくドラゴン退治に向かう


 帰りは夜になるが、問題無い


 何故なら、夜は吸血鬼やウォーウルフにとって、最も力が増すからだ


 夜は魔物の力も強くなり、活発になるがそれは私達も同じなのだ


 予め調達しておいた地図でドラゴンの巣食う巣穴、小さなダンジョンについた


 途中、弱い魔物が出たが、全部私が倒す羽目になった


 カタリナ曰く、服が汚れるそうだ・・・・・・


 そう言えば、私は冒険者の革鎧と言う出立だけど、カタリナは普通の洋服だ


 途中、服が破れたりして、激怒していた


 この子、冒険者じゃ無いから当然、こういう事、わかんないだろうな


 何より、不死身の私達が戦うと、服破れまくりで、普通の服なんか着てると、


 半裸か全裸で帰る羽目になる。だから、頑丈な革鎧は着ておいた方がいい


 私はそれに加え、いつも予備の軽装の服を持ち歩いていた


 でも、カタリナの事は放っておこう


 一度、半裸か全裸で帰って貰えばすぐに学習するだろう


 予め教えてあげる程の仲である筈が無い


 ダンジョンに入り、大きな洞窟を進む


 体長10mのドラゴンが出入りするんだから相当な大きさのダンジョンだ


 もちろん、奥行きは短いし、ドラゴンは直ぐに出てくるだろう


 そらきた!


ギャャャァオオオオーン


ドラゴンの咆哮が聞こえて、目の前にドラゴンが現れる


 真っ暗な中でもはっきり見える。暗闇は吸血鬼の世界だ


「アリスさん、お下がり。わたくしが華麗に倒して差し上げますわ!」


カタリナは猛々しく剣をとり、宣言した


「宜しくお願いします」


私はあっさり、承諾した。もちろん、彼女がやられると思っていた


 一度酷い目にあった方が後日の為だろう


 仲間がいるのに共闘しないなんて、馬鹿げた選択だ


「行きますわよ!


 てぃ!」


カタリナが人外の跳躍力で飛ぶ。しかし、まなみの様に魔法での加速は無い


 当然、失速してドラゴンに近づく頃にはかなり速度が落ちている


「ああっ!」


カタリナは素早く剣戟をドラゴンに入れるつもりだっただろう


 しかし、現実は丁度、ドラゴンの顎の近くで、失速した


 ゆっくり浮かぶカタリナをドラゴンは


『パクッ!』


食べちゃった


ゴリゴリゴリゴリゴリ


ごくん


カタリナはしっかりと咀嚼され、余すところなく、食べられた


『どうしたものかな?』


最終的な結果は予想通りだが、こんな簡単に食われるとは思わなかった


『確か、カタリナは初めてバラバラになったんだよね?』


私は流石にかわいそうになった


 当初の計画では、逃げて、ンこになるまで待とうかと思ってたが、


 流石に自分が性格悪く思えた


 殺るか


「ドラゴンさん!


 仲間を返してもらうわよ!」


私はまなみの形見の刀、『一期一会』を鞘から引き抜く


ガルルルルルルルルルルルルルルルル


ドラゴンが威嚇するが、気にせず


『雷神剣!』


雷神剣を放つ。ドラゴンにいきなりこの技が通用する訳は無い


 雷撃による、神経の一時麻痺を狙ったものだ


 これで、避けられる可能性は低い!


「生まれてきた事を後悔させてあげるからね!」


そういうと私は地を強く蹴った。そして、魔法による加速!


ヒュゥゥゥーーーーーー


空を駆け、ドラゴンの首に迫る!


刀へ魔力を込め、満ちるのを待つ、そして


『円城流、飛燕斬!』


私は必殺の一撃を放つ!


 単体への攻撃へ特化したこの技は刀自身に大量の魔法を蓄え、敵へ大ダメージを与える


ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー


ドラゴンの咆哮が虚しく響く


ズサン!


ドラゴンの首が胴体から落下する。そして、


ズシーン


ドラゴンの巨大な体躯が地へと倒れる


「よし!」


後は、嫌だけど、ドラゴンのお腹を裂くか。幸い、ドラゴンはお腹を上に向けて倒れた


『真・魔神剣!』


ドラゴンのお腹を私の剣の衝撃破と風の魔法が切り裂く


「後は、待とう!」


カタリナはじき、再生する筈だ。血塗れのお腹の中を探すのはちょっと嫌だった


 しばらくすると、


「ぷはっ!


 う。うぇぇぇーーーーーーん」


カタリナがドラゴンのお腹から血塗れになって出てきた


「うぇぇぇぇーーーーーーん


 気持ち悪いですわ」


それはわかる、経験者だからね


私はカタリナの近くに寄ると


「大丈夫ですか?


カタリナ様?」


「大丈夫な訳ないでしょ!


喧嘩売ってんの!」


別に喧嘩は売ってない。むしろ助けたんだけどな・・・・・・


「とにかく、ドラゴンの血とかをを洗い流しましょう」


「ど、どうやって?」


「魔法を使います」


「ま、魔法?


 あなた魔法使えるの?」


「はい。一通りは」


「お、お願いしますわ」


私はクリエイト・ウォーターの魔法を使った。無尽蔵に水を出した


カタリナは必死に洗った。後、カタリナは全裸だった


当たり前だが、バラバラに咀嚼されたから、洋服もバラバラ


洗い終わって、自分が生まれたままの状態な事に気がつくと


「ど、どうしましょう。わたくし、こんな格好で・・・・・・」


「これを着るといいですよ」


私は自分の替の服をあげた。胸がガバガバかもしれないがそこには触れないでおいた


「あ、ありがとう・・・・・・」


カタリナはちょっと、殊勝になった

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