21.サロメ教団奇襲
私達は遂にサロメ教団本部を叩く事になった
マスターとのデートの翌日、ヤン司祭から命があった
「ブラド、アリス、そして、まなみ以下、魔戦軍団に命じる、サロメ教本部を急襲せよ
国王陛下の勅命だ」
「「「「「はい!」」」」」
「目的はサロメ教本部に囚われのエルフの女王の奪還、
サロメ教団司祭ホーカンの確保、敵戦力の撃破、
優先順位はエルフの女王の奪還を第一優先とする」
「「「「はっ!」」」」
「主はみずからあなたに先立って行き、またあなたと共におり、あなたを見放さず、
見捨てられないであろう。恐れてはならない、おののいてはならない
エイメン!」
ヤン司祭から神の御言葉が発せられた。この戦い、厳しいものになる!
作戦に先立ち、魔戦軍団長まなみから作戦概要が伝えられる
「まず、サロメ教団の正門の守衛を殺る!
そして、内部に侵入し、エルフの女王を探す、途中抵抗するものは容赦なく殺せ!」
衝撃だった。私の知らないまなみ、まなみは抵抗するものは容赦なく殺せと命じた
敵がたとえ、普通の人間だったとしてもという事だ
敵に情けをかけている余裕は無い、仕方ない判断なのだろう
それだけこの戦いが熾烈である事を示唆していた
「先鋒は俺様とブラド、アリスが務める、
いいか?」
「「「「はい」」」」
☆☆☆
まなみがテクテクと堂々とサロメ教団本部へと歩いていく
まなみはおとりだ。守衛の気をそらす為の、内部に報告される事なく、
一瞬で、殺害する必要がある
まなみが守衛の前につくと
「なんだ、お前?
見慣れない服だな?
何の用だ?」
「ここはサロメ教団本部だ。部外者は入れん」
「いや、俺様、ちょっと、用があってな」
「何の用だ?」
「お前らの気をそらす事だ!」
まなみは手を揚げて合図した
「いくぞ、アリス」
「はい」
私とマスターは霧化した
そして、突然、守衛二人のすぐ後ろに現れた。そして、
シュン
シュン
「お前、いったい何・・・・・
守衛は最後まで言葉を発する事はできなかった
私に首を撥ねられたからだ
マスターも同様にもう一人の守衛の首を撥ねた
「いくぞ!」
まなみの魔法連絡回線からの号令で、魔戦軍団3名が、街の物陰から出てくる
総勢6名、この戦力で、サロメ教団本部を壊滅させる必要がある
マスターと私が主力の任になる
「先に行ってるからね!」
私はまなみを置き去りにして先を急いだ
マスターは更に先を行っている
敵は獣人だけではなく、ウォーウルフや吸血鬼、しかも真祖がいるだろう
まなみ達には危険な敵だ
ダダダダダダダダダダダダダ
ダダダダダダダダダダダダダ
マスターと私は教団内部をひた走る、途中、普通の兵士風の男達は見逃す
まなみ達の敵では無い、私達の敵はウォーウルフや吸血鬼だ
事前情報で、エルフの女王は教団地下に幽閉されている可能性が高いとの事だった
地下1Fに入ると、獣人が現れ始めた
私達は獣人を容赦無く斬り捨てた。通りすがりに簡単に
私はエンシャントドラゴンの血を飲んで、更に強くなっていた
眷獣、エンシャントドラゴンの出番もありそうだ
階段を駆け下り、更に進む
そして、地下3Fに辿りついた。そこには
「これは、吸血鬼の製造設備!」
マスターが叫んだ
地下3Fにはたくさんの大きなガラスの容器があり、中には普通の人間がたくさん入っていた
気味の悪いガラスケースを見ながら、更に進む。
そして、最深部に牢獄の様な部屋を見つけた
壁に背にあて、部屋へ飛び込む心の準備をする
マスターを見る。マスターはこくりと合図を送る
ダン!
部屋に飛び込むと、そこにあったのは・・・・・・
部屋にはたくさんのエルフが吊るされたいた
皆、手や、脚や、目や、耳が無い
『一体、何をしたの!』
私は思わず叫んだ
これをやった犯人は誰?
私は視界が赤くなるのを感じた
一人一人確認していく
『意識があるものはいた。だが、生きていると言えるだろうか?』
「こ、殺して、お願い・・・・・・」
もう、彼らの心は死んでいる。神に仕える身が一体何をした?
「マスター、このエルフ達は?」
「おそらく、エルフの女王を追った、エルフの戦士達だ」
「そんな、こんなの嬲り殺しじゃ無いですか?」
「人間の最も醜い部分、それを持った人間が権力を得たのだろう」
「じゃ、このエルフ達」
「ああ、おそらく快楽の為の拷問だ」
『その通りだ。イスカリオテ教団の愚か者達よ』
振り向くと、一人の男と視線が会う
司祭だろう。豪奢な主教の衣装から察しがついた
「私の高尚な趣味を見学して頂き、ありがとう
だが、できれば、見学だけで無く、実地で、体験してもらいたい
ああ、そこの娘、良いな、嬲りがいがある
生きたまま、手や脚を切断したらさぞかしいい声で泣くだろう
死にそうな時に犯してやろう
絶望を見せてやろう
それが最も尊く、美しいのだ」
『この変態!
ブッちめるんだからね!』
「威勢がいいな。どこまでその気持ちが持つかな?
楽しみだ」
「私が許さん。私の花嫁は私のものだ」
「まあ、私の僕がお前らを服従させるだろう
お前達、神の名の元に、彼の者を滅ぼせ、女の方は生きて捉えろ」
バタバタバタバタバタバタバタ
たくさんの蝙蝠の群れ、そして、霧が漂う
『こんな処まで土足で入り込むとは、親の教育が宜しくありませんな』
声が聞こえた、そして、帯びだたしい量の冷たい威圧感
「吸血鬼!」
「予想通りだ。おそらくかなりの数がいる筈だ」
蝙蝠は人の形に象ると3人の吸血鬼になった。そして、ウォーウルフ5体も霧から現れた
「たったの二人か?」
「多勢に無勢だが、構わんな」
「・・・・・・」
私は無言になった。圧から察するに全員真祖だ
マスターと私だけで勝てるか?
するとマスターが話し出した
「男なら、危険をかえりみず、死ぬと分かっていても行動しなくてはならない時がある
負けると分かっていても戦わなくてはならない時がある」
「マスター?」
「アリスはお前の信じるものの為に戦え
誰も強制はしない。お前の胸の中にあるものの為に戦え」
「はい、私は私の為にこいつらと戦います」
私は覚悟を決めた。体がバラバラになっても、戦い続ける!
「あなた達、生まれて来た事を後悔させてあげるんだからね!」
「はっはっはっ、こいつ、馬鹿か?」
ヒュン
ゴトリ
私を馬鹿にした男の首が落ちる
「何をした?」
首を落とされた男は自身で拾い、問うた
「私の花嫁への侮辱は許さん」
「只者では無い訳か、いいだろう、真祖吸血鬼の力見せてやろうでは無いか」
こちらも真祖の吸血鬼いるんだけどね、それも1600年生きた
戦いが始まった
シュッー
吸血鬼の一人が私に向かって、鉄の短剣を打ち出した。生者だった頃の技か?
私は必死に回避する。だが、回避を予測した短剣が迫る
無理やり体を捻って避ける
だが、それも誘いだ
吸血鬼は急速に接近していた。私が短剣を避けている間に
そこに、手刀によるラッシュ!
更に避ける、だが
「がっ、あっ!」
一撃喰らう
「アリス!」
マスターも戦いながら、声をかけてくれる
更に吸血鬼の手刀が
シュン
「グァ
何だと!」
吸血鬼の手刀が落ちる。斬り落とされていた
「ありがとう。マスター!」
私はマスターのくれた、この機会を逃さなかった
私も手刀を吸血鬼にめり込ませた。手刀は胴体を貫通し、背中から突き出た
心臓が損傷、更に手刀を引き抜き、顔を殴打、更に左手の手刀で、腹に一撃!
手刀は今度は肺を破壊し、他の内臓も破壊した
そして、再び、右の手刀で、吸血鬼の顔面を貫通
更に吸血鬼の腹を何度も何度も殴る
ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ
リズミカルに殴るとミンチをこねる様な音がした
「なっ!
何だ、貴様ら?」
「1600年前、トランシルヴァニラで、オスマン帝国と戦った事がある
その時、彼らは私をこう呼んだ
串刺し公ブラドとな」
「串刺し公ブラド!」
「そ、それは伝説で、架空の人物の筈」
「私はここにいる」
「お前、じゃ、まさか、ドラキュラ公!」
「ご名答、そう呼ばれた事の方が多い!」
マスターの傍には、マスターが現出させた槍に刺し貫かれたウォーウルフがいた
口から尻にかけて、まさしく串刺し
マスターがドラキュラ公、驚いた。御伽噺の世界の住人
ドラキュラ公とはそういう種類のものだ
「眷獣ケルベロス」
赤く空間が染まっていく
「教えてやろう、本当の吸血鬼の戦い方を」
「ひっ、ひー」
ケルベロスは吸血鬼を一体喰った
「お、お前はただの吸血鬼だな。恐るるに足らん!」
もう一人の吸血鬼が私に戦いを挑む、もう一人は私に顔面や体を粉砕され、再生中だ
他のウォーウルフ達がマスターに戦いを挑む
「甘く見ないでって、言ったでしょ!
生まれて来た事を後悔させtあげるんだからね!」
吸血鬼が襲いかかる
私はショートソードを抜き放ち、雷神剣を放った
流石に吸血鬼は避ける。跳躍して、回避
そして、壁を蹴り、私へ向けて急進する。吸血鬼は気づいて無い筈だ
エンシャントドラゴンの血を飲み、大幅に上がった私の魔力により、
雷神剣の雷撃の威力が桁違いな事に
吸血鬼は左の腕で殴ってきた。至近距離で雷神剣を避けた右腕は動かないからだ
私はこの機を逃さず、オリハルコンのショートソードを振り下ろす
「円城流刀剣術、飛燕剣!」
バシュー
吸血鬼の身体が両断される
私は更に前身し、再び剣を振るう、
右手を斬り飛ばし、左手を斬り飛ばす、そして、両脚を斬り飛ばす
身体に魔力を集める。必殺の一撃の為、魔力が飽和状態になった時、
私はシモンさんの技を放った
『真・魔神剣!』
至近距離からの0距離攻撃、吸血鬼は風の魔法の力で爆散した
「な、何故だ!
俺達には真祖の吸血鬼が3人もいたのに」
「まだわからないの?
1600年生きた真祖吸血鬼、
その真祖のセカンドの私にはあなた達真祖なんて子供だましよ!」
「真祖の吸血鬼は直ぐ、復活する」
「何度でも殺してあげる。でもね、そんな事しない、永遠なんて無い
私が彼らを無限の牢獄に放り込んであげる」
私の目は妖しく赤く光っているだろう。視界は真っ赤だった
『眷獣、エンシャントドラゴン、「ブルーアイズ」!』
ごごごごごごごごご
エンシャントドラゴンが現出する
「ブルーアイズ、その死にかけの吸血鬼二人を喰って」
「承知した。主よ」
ドラゴンは二人を喰らった
「永遠にドラゴンの中で死になさい」
「アリス、それ位にしておけ、少し、血に狂い始めている」
「はい、マスター」
私は大人しく従ったが、本当は殺し尽くしたい衝動に駆られた
これが血に狂うという事か、マスターが500年前に犯した過ち
吸血鬼は血を吸いすぎると、血に狂い、殺しすぎると、やはり、血に狂う
マスターは簡単に残りのウォーウルフを滅し、残骸をケルベロスに喰らわせた
「ひっ、ひー、馬鹿な、そんな馬鹿な!」
私とマスターがサロメ教団の司教を見る
赤く光る目に睨まれてた司教は失禁していた
「マスター私に殺らせてください
許せない。何故、何の罪も無いエルフをあんなに残酷に
こんな事ってあります?
この人、神に仕えてるんじゃ無いんですか?」
「アリス、この者を裁くべき人物がいるだろう」
私の脳裏にエルフの戦士、マリアさんの顔が浮かんだ
「わかりました。マスター」
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