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20.マスターのエスコートが微妙すぎる

1600年生きてて奥手ってありますか?

ケルンの街から馬車で移動、何度も宿泊をして、ディセルドルフを目指した


 まなみは私に円城流抜刀術や刀剣術を教えてくれた


 夜はまなみに血をもらって、美味しい血と可愛いいまなみを堪能した


 ちょっと、シモンさんの気持ち分かりました。てへ♡


☆☆☆


ディセルドルフで待ってたのは、マスターとのデートだった


「まなみとの親睦はかなり深まった様だな」


「はい、まなみはすっかり私のものです」


「なんだ?


 プライベートな事には口出ししないが、お前ら、


 未だ10代なんだから、爛れた関係にはなるなよ」


『えっ!


 まなみって、未だ10代!』


「いや、ヤン司祭、俺様達、女同志だから、そんな訳無いだろう?」


「本当にか?」


まなみはヤン司祭の顔がまともに見れない様だ


「はー、私の顔がまともに見れない様な関係なのか?


 私はまなみの親代わりなんだから、頼むぞ」


「大丈夫です。私、頑張るからね!」


私は決意を込めた宣言をする


「いや、かえって心配になってきた


 ブラド、お前、自分の花嫁なんとかしろ!


 命令だ。明日は一日、お前らデートだ!」


えっ。マスターとデート・・・・・・


私はちらりとマスターを見る


マスターは結構なイケメンだ。ただ、見た目は30代超え、私より、一回り以上、上、


異性として意識するのは、ちょっと、よくわからない


まあ、花嫁って言われる位だから、いずれ、マスターと多分彼氏彼女というか


花嫁なんだから、奥さんになるのかな?


でも、突然花嫁にされたから、私には覚悟なんてない


「そうだな、まなみとの親睦はうまくというか、必要以上になったから、


 本来の旦那がキチンと新妻の心を掴め」


ヤン司祭が突然新妻だなんて言うから、私は頬を赤めてしまった


☆☆☆


明くる日、朝9:00に宿舎のロビーで待ち合わせした


 ぶっちゃけ、マスターの隣の部屋に泊まってるから、意味無いんだけど


 付き合っている様な感じが大切だとか、ヤン司祭が段取りしてくれた


 マスターは黙ってうなづくだけだった


 ちょっと、マスターに腹がたった。私、新妻らしいですよ


 なのに、よく考えたら、今までずっと放ったらかしですよ


 これは、かなり埋め合わせが必要なんだからね


「待ったか?」


いきなりマスターが真後ろに現れた


「い、いえ」


いきなり後ろに気配無く立たないで欲しいよー


 吸血鬼になって、五感がとんでもなく良くなって、突然、真後ろにいる!


 て、言うのは、びっくりしかしないのだ


 マスターは多分、無意識に気配を消してるんだと思う


 戦いにおいては大事な事だから・・・・・・


「じゃ、行くか・・・・・・」


なんだろうか?


 マスターがどうも自信がなさげだ


 マスターって、まさか1600年も生きて、奥手?


「行きましょう!」


私はマスターの腕に手を絡ました


「アリス、その、なんだ。洋服似合ってるぞ」


マスターはボソリと言った。嬉しかった。そんな事言われたの初めて!


 洋服は以前オーシャスビークの街で買ってもらったものだけど、ずっと、着る機会がなかった


「まずはアリスの洋服やアクセサリーを買いに行こう」


マスターは紙に書いたあんちょこを見て言った


「はぁぁぁぁー」


「どうしてんだ、アリス?」


いや、ヤン司祭に考えてもらって、


 その上、あんちょこ見て、デートのエスコートされる私って一体・・・・・・


 いや、私のマスターの間には絶対の血の盟約がある。私は永遠にマスターの花嫁なんだ


 でも、マスター、1600年も生きて女の子の気持ちわかんないのかな?


 それとも、私、どうでもいいのかな・・・・・・


「行くぞ、アリス、センター街と言うところに若い女に人気の店が集まっている様だ」


「はい、マスター」


微妙なマスターのエスコートだけど、以外と私はテンションがハイになった


 生まれ故郷のメランセル村には無い、可愛いお店、可愛い洋服やアクセサリーが並ぶお店


 私は気がつくと、お買い物に夢中になっていた


「マスター、これ、可愛く無いですか?」


私は可愛いネックレスをつけて、マスターの意見を聞いた


「似合ってるぞ。綺麗だ」


ちょっと、ドキドキした。可愛いと言われる事は良くあったけど、綺麗と言われた事無い


 私はテンションが更に上がった。でも、ふっと気がつくと


 マスターはたくさんの荷物を抱え切れない程持っていた


 私のテンションが上がりすぎて、買い過ぎた荷物をいっぱい抱えている


「マスター、ごめんなさい。荷物、多過ぎますよね」


マスターは少し思案すると


「そうだな。さすがにこれ以上は持てんから、このお店に預けてしまおう」


「えっ?


 そんな事できるんですか?」


「何か買えば、大丈夫だろう」


私は驚いた。マスターって、世間知らずなのかなと思ったけど、以外と知ってるんだ


 そのお店で靴を買うと、マスターは店の売り子さんと交渉した


 売り子さんは荷物を預かる事を快諾してくれた


 身軽になった私とマスターは、次は何処行こうか考えていた


「この街にジェラートという食べ物があるそうだ」


マスターはあんちょこ見てなかった。私の為に調べてくれた?


「何処にあるんですか?」


「・・・・・・」


マスター、最後までちゃんと調べてよ!


 マスターは一生懸命通りすがりの人にジェラート屋さんのお店の場所を聞いてくれた


 そして、ようやく念願のジェラートのお店に辿りついた


「わぁー、綺麗な食べもの!」


ジェラートは魔法で凍らせた氷菓子だった


「どれがいい?」


マスターが聞いた。ジェラートはたくさん種類があった


私は熟考に熟考を重ね、なんとか2種類に絞った


「どっちにしようか?


 迷う......」


「両方にすればいい」


マスターは簡単に言った


「ピスタチオと抹茶、ダブルで」


マスターは私の選んだジェラートをダブルで頼んだ


そんな方法があるんだ。ダブルと言うのは、カップに 2種類のジェラートを盛ったものらしい


「ありがとうございます」


私は美味しいジェラートを堪能した。だけど、一人だけ食べるのも気が引けた


「マスター、食べます?」


「いいのか?」


「はい」


私は自然にスプーンでジェラートをすくって、マスターに差し出した


 マスターはびっくりした様だ


 あっ!


 関節キスだ


「ありがとう」


マスターは私の差し出したジェラートを食べた、恥ずかしそうに


「美味いな!」


マスターはジェラートがお気に入りの様だ。そして、


「あの、マスター・・・・・・


 私の分、無くなっちゃったんですけど・・・・・・」


マスターは余程ジェラートが気に入ったのか。とって、一人でパクパク食べちゃった


「はーーーーーー」


私は思わず、ため息が出た


「す、すまん。今、もう一つ買ってくるから!」


「あ、どうせなら、今度はミルクとブラッドオレンジでお願いします」


「ああ、すぐ買ってくる」


マスターは慌てて、ジェラートの店に並んだ


『マスターて、女の子の扱いダメ過ぎる・・・・・・』


1600年も生きててそんな事あるのかな?


 でも、あんまり慣れ過ぎてると嫌かも


 マスター、普段厳しいけど、時々優しい


 そんな事を考えてると、ようやくマスターが新しいジェラートを買ってきた


「悪い、今度は全部アリスが食べてくれ」


「ううん、一緒に食べるんだからね!」


二人で一つのジェラートを分けて食べた。今度はマスター独り占めしなかった


 久しぶりの休暇、安らぎの時間


 相手がマスターてのが微妙だけど、とても気持ちが安らいだ


『マスターって、私の事、好きなのかな?』


疑問に思った。花嫁にした位だから、そうなんじゃ無いかと思うけど、


 好きだとも、愛してるとも言われた事が無い


 マスターは私の事どう思ってるんだろうか?


 マスターは1600年生きた。私も長い時間を生きる。100年か、200年か、それ以上か?


 そんな私とマスターの関係ってどんなだろう?


 わからない。じゃ、聞くしか無いな。そう思った


 その後、お洒落なレストランで美味しいランチを頂いた


「美味しいー」


私は舌鼓をうって、料理を堪能した


「よかったな」


マスターは相変わらず、言葉少なめだ


「このエッグベネディクト最高ですね。卵料理って、最高


 あっ!


 でも原価率低いな!」


「ぷっ」


マスターは突然笑った。マスターが笑うところ、初めて見た


「すまん。アリスは面白いな。そんなとこ好きだな」


キュン


いきなり、言う?


ドキドキドキドキ


私は顔が赤くなってると思う


「どうしたんだ?」


「え、いえ、ありがとうございます」


「?


 お礼言われる様な事何か?


 ああ、この料理がそんなに気に入ったのか」


違うよ。マスター、今、好きって言ったじゃん。それ、女の子が一番聞きたい言葉だよ


 マスター、旦那の自覚持ってください、プリプリ


 ランチの後は、『ナンタ』と言う面白い寸劇を見た


 とっても笑った。そして泣いた。ショーは笑いと涙を誘うエンターティナーショーだった


 ずっと、こんな素敵な時間を過ごせたらいいな。今まで、戦いばかりだったから


 でも、それは叶わないのだろう。私達が人間の世界で生きていくには人間に協力するしか無い


 それは、戦いに参加する事を意味していた


 寸劇を見て、その後、お洒落な喫茶店に入った


 マスターは相変わらず、あんちょこを見ながら四苦八苦していた


 紅茶を飲みながら、私は、先日のエンシャントドラゴン討伐の話をたくさんした


 マスターは少し、笑みを浮かべて、聞いていた


「でね、まなみがいきなり逃げるんですよ!


 信じられます?


 いきなり、私をおいて逃げるんですよ!」


「はは、まなみはおっちょこちょいだからな。事前に良く調べなかったんだな」


「その通りなんです。でも、酷く無いですか?」


「まあ、アリスが不死身だからだろうな」


「不死身だからって、あんまりですよ


 今度やったら、ブッちめるんだからね!」


「まあ、まなみやみんなは人間なんだ。俺達とは違う、わずか60年の人生、


 少し怪我をしただけで、死んでしまう。わかってやれ」


「そうですか?


 私、危うく、ドラゴンのンこになるところだったんですよ!」


「ぶーーー」


マスターは私から出た言葉に紅茶を吹いてしまった


「あ、ごめんなさい」


飲み物飲んでる時にお下品だった、たらり


「いや、アリスからそんな言葉が出るとは思ってなくて」


「女の子だって、人間ですよ。ちょっとお下品な事も言いますよ


 マスター幻滅しちゃいました?」


「いや、意外だったから、でも、そういうアリスも好きだな」


また、好きって言われた。私はキュンキュンしてしまった


 マスターは奥手だけど、天然らしい。女の子の気持ち掴むの上手いのかも


 その後、郊外の動物公園に行った。可愛い動物がいっぱいいた


「可愛い、このウサギ!」


私は魔物では無い動物のウサギを抱きしめて、なでなでした


 柔らかくてあったかい。毛も心地いい


 気がつくと、マスターが私の頭を撫でていた


 私は頭を撫でられる事には慣れていたけど、そんなに好きではなかった


 庇護の存在である事を知らしめられるのはむしろ辛かった


 でも・・・・・・・


「アリスも可愛いな」


あー、マスターはもう、天然の女ったらしだ


 そんな事言われたら、もう、テンションデレデレですよ


 でも、もう一押し、愛してるって言って欲しいな


 花嫁にしたんだから、ちゃんと責任とって愛してると言って欲しい


 私だって、選ばれたと自覚できたら、ちゃんとマスターを愛する事ができる様な気がする


 その後、日が暮れてきた。動物公園は魔法の灯で、夜も営業中だ


 マスターは


「いいところがあるんだ」


そう言った。以外な事にあんちょこを見ない。自分で調べた処?


マスターは『蛍』という生き物の展示スペースに連れて行ってくれた


「わー綺麗!」


私は蛍のほのかな光に魅入られた


 たくさんの蛍の光は幻想的だった


 座りこんで、蛍の光を見る。幻想的な蛍の光は私をとてもロマンティクな気分にさせてくれた


「アリス」


マスターが私の名前を呼んだ


「なんですかマスター?」


「初めて逢った時、お前の事が気にいった


 愛しているよ」


いきなりですか?


「あ、わ、私、」


私は突然なので、テンぱった。私もと言うべきかどうか?


 自分でもわからない


 マスターは顔を近づけてきた


 私は目を瞑った


 唇にマスターの唇の感触、マスターはそっと、優しくキスした


 軽い、フレンチキス


 私は拒まなかった


「アリス」


「はい」


マスターは私を抱き寄せた。そして、


「俺を一人にしないでくれ、頼む、ずっと」


マスターは前の花嫁を失った。何があったのかはわからない


 でも、マスターは失いたく無いんだ。自分の花嫁を、私を


「はい」


私はそう答えた

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