嘲笑を浮かべながら対応してくる受付のメナエ
冒険者ギルドに到着した俺とリッカマイヌは示し合わすことなく、同時に深呼吸をしてから冒険者ギルドの扉を開けて、クエストに挑むために精神を整えながらボードの前に立った。
とりわけ二人で達成出来るようなクエストの紙はボードに貼られていなかった。
「うぅ~ん。やっぱないか、二人でこなせて高額なのは......」
「受付で聞いてみるという手は......?グライルさん」
「そうかっ。その手が......そう、だね」
彼女の提案は至極全うなのだが、気が進まない......
重い足どりで受付カウンターまで行き、うけられるクエストがあるのか訊ねた俺。
「あのぅ~」
「グライルさんですか。本日はどの──」
「二人でこなせることが出来て、高額な報酬のクエストってありますか?」
「そうですね、そうなると......って、そちらの方は有名な──」
嘲笑を浮かべながら、クエストを探し始め、何かに気付き顔を上げ、リッカマイヌの顔を凝視し始めた受付の女性──メナエ。
「有名なことなんてないですよ......あはは、ははっ。嫌だなぁ~」
ひきつった笑い声をあげるリッカマイヌ。
「そうぅ、ですか?ですよねぇ~そんなわけぇ......ふっ、二人でこなせ......報酬が高っ──となりますと、こちらのクエストではどうでしょう?」
不審がっているが、書類に目を通して10分程掛かり、クエスト内容が書かれた紙をよこしたメナエ。
クエスト内容は──。




