彼女のふとした表情
俺は、水色でミディアムの髪の美少女と握手を交わして、彼女の家にお邪魔することになった。
一人暮らしとは聞いていたが、まわりに建ち並ぶ家より少し大きい一軒家の前で、隣にいる彼女が立ち止まる。
15分ほど歩き続けて、彼女の家にたどり着いた。
「ここが私の家だよ」
「家賃って高いんじゃない、この大きさは」
「低い高いで言ったら、高いかな。副業っていうの、そんな感じの仕事で。詳しくは......」
「いっ、言えないことなら別に言わなくてもっ。そっそれで、花は好きなの?」
身体の前で手を大きく左右に振ってから、話題をかえて聞いた。
「はい、好きです。綺麗ですから、お花」
向かい合う彼女は、微笑んで短く返した。
「見てて和むもんね、花って。えっと、地雷を踏んだかな......もしかして。なら、ほんとっごめんっ!助けてもらっておいて......」
俺は、彼女の表情にかげがさしたのに気付き、勢いよく頭をさげて謝る。
「違うの。ただ......昔の想い出が頭によぎっただけなの。頭をあげてください」
彼女が優しい声で言う。
俺は、ゆっくり頭をあげて彼女を見つめた。
「さぁ、あがってください」
一軒家の扉のドアノブに手をかけながら、促してくれた彼女。
俺は、彼女の後をついていき、彼女の家にあがる。
「ただいま」
「お邪魔しまーす」




