悩みの種
アルイダイド王が玉座でこめかみを片手で押さえ、嘆いていた。
「レーヴェンディッヒがまた城から抜け出したか……はぁー。第一いや第三騎士団のなんだ……あやつ、あぁー……」
「第三騎士団を動かしますか、レーヴェンディッヒの為に?フェルムですか?」
「おぉーそうじゃ!フェルムだ。あやつと数人をレーヴェンディッヒの捜索に駆り出せ」
「コルダート隊長を通さずにですか、アルイダイド王よ」
「そうじゃ。さっさとだな」
「承知しました」
宰相のファストベラーデンが仰々しく頭を下げ、下がっていく。
◇◇◇◇
「城内の暮らしなんてつまらないもんだもんね〜!」
城下街を駆け回っていたレーヴェンディッヒだった。
ある路地裏を駆けていると、前方から歩いてきた少女とぶつかる。
「いったー……前見て歩けよ。たく」
「いったぁ……あんたこそ前見ろよ」
ミディアムで水色の髪の少女も言ってきた。
「あれ、あんた……王族か?」
「っ……違ぇよ」
「あっそう……不注意は良くないぞ、少年」
「うっせぇ!!」
レーヴェンディッヒは少女が歩いてきた方に駆けていく。
リッカマイヌが紙袋に入っていたパンを掴み、齧り付く。
「言葉遣いのなってないガキだったな、さっきの」
独り言を呟くリッカマイヌだった。
青空を見上げ、また独り言を呟く。
「グライルに誘われても来たくなかった国なんだよなぁ、此処」
レーヴェンディッヒがリッカマイヌとぶつかって、別れた頃にフェルムと3人の第三騎士団に入隊している騎士が城から出ていくのだった。
グライルはリッカマイヌが入店したパン屋とは違うパン屋で、パンを堪能していた。
「美味しい、美味しい美味しい」
グライルは呑気に散策をしていた。
彼を蔑む冒険者達が居ないことを良いことに、依頼を受けずに観光をしていた。
鎧を着た慌ただしくしていた兵士を見かけても、無視だったグライルだった。
忙しくしているなーくらいに見送っていた。
グライルはアクセサリー店に入店して、ネックレスやブレスレット、指輪などを眺め、リッカマイヌに似合いそうなのを見ていくのだった。
◇◇◇◇
第四王子のロイドは蔵書が並んでいる書庫である書物を開いて、読んでいた。
侍女の一人が慌ただしく扉を開けて呼んできた。
「ロイド様っ、レーヴェンディッヒ様を見かけていませんか?」
「見てないよ。あいつは迷惑ばかりかけるやつだ」
ロイドは侍女に顔を向けずに返答した。
「そうですか。失礼しました!」
侍女が勢いよく扉を閉めて、レーヴェンディッヒを探しに行った。




