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龍女皇陛下のお婿様  作者: 俄雨
フォラズ村編
175/318

辺境フォラズ3




「ぶふえぇ……――」


 ヨージは長椅子に座ると、そのまま雪崩れるようにして横になった。

 忙しすぎる。幾ら何でもひど過ぎる。戦場に居た方がまだ休めるというものだ。


 来て早々乱暴者と面会、変人の相手をして怪我人の整理をして被害者女性に呼び掛けて回り、女性を一人救い出した後、乗り込んできたベルナンとご相談。部下から状況を聞いたらしいベルナンは、ちょっと青い顔をしていたのを思い出す。犯罪者収容用の檻が足りないのでグリジアヌと一緒に土木作業もした。


 明日からは外に出られなくなっている女性や老人たちの家を回ってから、役場で顔合わせと会談。村法の整備案を提出しなければいけないので、書類を見直す。自警団の再組織化は早急にせねばならないし、このままでは数日で牢屋がパンクするので、工務店にも声掛けだ。


「よーちゃんお疲れ様。はい、お水」

「有難うございます……にっっっっっっっがっっっッッ!!」


「味はまだ駄目だねー」

「しかし疲労がポンと飛びます」

「だからその言い方嫌ー」


 リーアが横にチョコンと座り、ふとももを叩いて誘う。ヨージはほんの少し躊躇ってから、お膝に与る事とした。


「やること沢山」


「可及的速やかに解決されなければならない事が、山積みにされた後放置されて苔むした状態ですので、全部掘り起こして洗浄後整理整頓せねばなりません」


「時間かけてやれば?」


「僕達が来た事で、カイン商会は何かしらの動きを見せるでしょう。彼等が本格的に動く前に、こちらの態勢を整えねば」


「何かしてるのかな」


「自分達が確保した利権を守る為にまず動くでしょう。僕が随分と戦える事、神様が二柱いる事を考慮したとするなら、まあ暴力には訴えられませんね。所詮傭兵ですし、神々の足止めを出来るような兵器を持ち込んでいる筈もないので。とはいえ、警戒はしますが」


「最終的な着地点は?」


「飛行輸送がしたいというのならば別に構いません。ですから最低限、傭兵には退いて貰う。商会が勝手に差し押さえた物件を取り戻して、傭兵が勝手に住み着いている家や資産を取り戻して、謝罪と賠償代わりに逮捕者の示談金をせしめて、までして取り敢えず落着です」


「応じなかったら」


「まあ最悪、フィアレスを呼びます」

「……はえ?」

「ですから、フィアレスを呼びます」

「なぜ?」


「この村は僕達が運営権を有しているだけであって、大帝国の土地には変わりありません。そして村人は皆大樹教の教徒ですから、大樹教の教徒を保護する為に竜精は動くでしょう。竜精に動かれてゴチャゴチャ宣う馬鹿も居ない。最後の手段ではありますが、確実に有効です。問題といえば、借りを作るぐらいですがね」


「……殺さなかった借りを返して貰えば?」

「……それです。そうだ、それがいい……面倒ですし、竜精呼んだ方が早いなあ……」

「おねむ?」

「少しだけ」

「寝ていいよ。よしよし」

「うう……沁みる……」


 外の陽はすっかり落ちている。ほの明るく樹石結晶灯菅ランプの灯りが揺れて、なんだか眠気が誘われる。これからしばらくは、ビグ村に訪れた当初よりも素早く正確に動かねばならない。不確定要素は多く、村人達の動向も読めない。


 それに大断層ギンヌンガップ関連、とは何か。この村には秘されたものがある。


「むっ。シュプリーア。師は休憩中か」

「おつかれみたい」


 何やら不満げな顔をしたナナリが近づいてくる。薄目を開けてそれを観察する。

 自分の目の無いところでナナリが何を考えているのかは、少し気になる。


「新自警団の組織概要に目を通して貰いたかったのだが」

「新自警団?」


「そうだ。まったくここの男どもはだらしがない。女達が蹂躙されている最中、怪我をしたからと反撃に出ないなど、肝っ玉のサイズがノミ程度だ。もはやそんなものに頼るべきではない。女自らが立ち上がらねばならないのだ。大帝国の女はお淑やかすぎる。武器を取って商会傭兵団バウンサーズを蹴散らすべきだ」


 だ、である、でない、とまるで演説だ。誰に向かってそんな話をしているのか。

 相手は腐っても傭兵である。武器も持たない小市民らが敵対すべき敵ではないのだ。


 とはいえナナリの言が一理もないかといえばそうでもなかろう。行政区街に頭を下げてでも、戦力を貸して貰えば良かっただろうし、神センクトと交渉するのも手段の内にあったはずだ。それを怠ったのだから、怠慢と言われても仕方が無い。


 ……この村はマーリクが失脚後、直ぐ警察機構……所謂警行及び残滓処理の為に駐屯させていた騎士ナイトを引き上げている。治安の悪化は想像出来ただろうが、それでもやらねばならなかったのだ。


 マーリク失脚に対して、謀反を起こされてはたまらないからだ。大帝国の中枢としては、そんなもの謀反の数にも入らないだろう。南にはアインウェイク子爵領があるのだ。アインウェイクに討伐命令が下されれば、そんな謀反は数法刻で終結する。


 ただ、それでもすぐに戦力を引き上げた。その辺り、徹底して非情であろう。


「ナナリ」

「起きていたのか」


「皆の意見を聞いた上での判断ですか」

「……不満は汲み取った」


「……戦闘訓練もした事のないシロウトをまとめ上げて、一応戦闘のプロである傭兵に嗾ける気ですか。止める事をお勧めします」


「しかし、自分達の村だ。自分達の土地だ。それを蹂躙しようという輩に対して、土地の者が何もせず指を咥えて見ているなど、そんな不道徳な話があるか」


「それは戦える者の理屈です」

「ぐぬっ……」


「女性達の不幸も、貴女の憤りも理解します。奴等を只で逃がすつもりはない。そしてこの村は当然彼等村人達のものです。彼等に戦って貰う事もまた確かですが、それは戦闘ではない」


「どうするつもりだ」

「血は流さないに越した事はありませんね。色々手はありますが……」


「七面倒臭い。そもそも、奴等が交渉の席につくとは限るまい。それに貴殿は昼頃単独で奴等をぶちのめしたではないか。矛盾しているぞ」


「今まさに女性が蹂躙されていると分かって、放置する訳にはいかないでしょう」

「そうだが……そうだが!」


「ナナリ」

「何だ――!!」


「泣いてますか?」


 ナナリが鼻を啜り、目元を擦る。采配ミス。女性達のカウンセリングの場にナナリを置くべきではなかった。能力的には最適だが、心が追いついていない。己の愚かさを恥じる。


 ニンゲンというものを踏みにじる行為、その体験談を聞かされたのだ。年齢的にも身体的にも大人であるからとして任せたが、ナナリには辛かったのだろう。


「済みません。最近はずっとしっかりした姿ばかり見ていたので、頼り過ぎました」

「うぐ……」


「貴女は王女で騎士で、しかし女の子でした。謝罪します」


「……――彼女達の無念は相当だ。それを、有耶無耶にするような事にだけは、したくなかったのだ。どうしても、女は身体的に男に劣る部分が多い。それが理由で蹂躙されるなど、イナンナーの女として許せなかった。ニンゲンなのだ。ニンゲンには知恵がある。そして武器を取れる。我々イナンナーの女の起源は、そこが発端だ」


「……続けて」


「遥か太古の話だ。獣人族は他種族の奉仕種族として造られたという。人間族やエルフ族よりも優れた身体能力と五感を有しながら、その契約故に縛られ、隷属させられていたのだ。その虐げられた種族の、しかも女となれば、もはやどこにも頼れる場所はなかった」


「……」


「それに反旗を翻したのが、地母神樹イナンナから育まれた四脚竜王グガランナ狼竜王フェンリルである。地母神樹イナンナは獣人に加護を授け、自らの子とした。そして四脚竜王グガランナ狼竜王フェンリルの庇護の下、獣人女性達が立ち上がった。知恵と弓と槍。幾度とない争いの後、地母神樹イナンナに集った獣人女性によって、我々は独立した。独立とは戦だ。権利とは戦だ。自由とは戦なのだ……解るであろう」


「ええ。そうです。それを誤魔化す世の中は、きっと終わりも近い頃でしょう」

「しかし……そうだな。神話のようにはいかない。余は狼竜王フェンリルには、なれない」


「ナナリ」

「うむ」


「その気概は、イナンナーに望まれるものです。女王となるならば、まさしく相応しい考えでしょう」


「……うむ」


「ただ、知恵も望むのならば。後ろにいるものも考えねばならない。奴等の親玉はなんでしょう。どこの商会でしょう。もしかしたら、他の国の尖兵かもしれない。無策に村人を吶喊させて死なせた挙句に、逆上した奴等が本隊を引き連れて来たら、貴女はどうしますか。確かに貴女達は無事でしょう。僕が指一本触れさせはしません。が、護る数には限度がある」


「……そうであった。キシミアでも、やらかしかけたのであった……」

「悪いようになんてしません。ナナリ、師を信用して貰えますか」


 ナナリは暫く押し黙った後、頷く。どうにか理解してくれたようだ。

 評価すべき点といえば、勝手にはやらず、ちゃんと師匠に確認を取りに来た事だろう。


「女性達の相談からは、外しましょう。聴くのも辛いでしょうし」


「いや、それは、良い。余が聴く。他国の民とはいえ女だ。市民だ。天ならず地に生きる人々の声を聴かずして、王になどなれる筈もない。余には必要だ」


「……では、引き続きお願いします」

「あい分かった。では失礼する」


「といっても、まだ母屋も片付いていないので、貴女が寝るのはそこの長椅子ですがね」

「……師よ。他人の事よりまず、我々の待遇を改善した方が良いのではないか?」


「屋根があれば大丈夫ですよ。ね、我が神」

「ぐぅぅ……」


「我が神寝てた……」

「偉そうに講釈を垂れた貴殿も、膝の上だがな」


「ははは……不甲斐ない。ではお休み」


『余は狼竜王にはなれない』


 狼竜王フェンリル地母神樹イナンナの子とも、書物によってはミドガルズオルムの弟とも言われる四つ足の竜。神エーヴの親類、ナナリの一族の大本となる竜だ。一晩で星を一巡りし、その遠吠えは世の果てまで響き、その大口は月をも呑む。


 大神樹『祖霊皇帝ロムロス』の竜と果し合い、食い殺したと言われる。イナンナーの力の象徴であり、狼獣人の祖だ。


 戦う事。これはいつの時代も真理である。力無き国は滅ぼされ、力無き民は虐げられる。独立とは、生易しいものではない。あらゆる戦の上に成り立つ、血生臭さの結晶なのだ。対話も寛容も尊いものだが、相手が同じ席に座ってくれる保障はどこにもない。


 自身の掌を見つめる。国の刃であった自分の行いが、どれだけの自由を守ったかは、分からない。研ぎ澄ました技術が、どれほどの命を救ったのかも、分からない。もしかしたら、結果として、失われたものの方が、多かったのではないかと、不安に思う夜を幾つも超えて来た。


 この手に……また、新たに作ってしまった、大切なものを守り抜けるだけの、実力があるか。


 戦わねば。彼女達に、幸福であると口に出来る未来を、切り開く手伝いをしなければ。


「ヨージさん」

「エオ。どうしましたか」

「お疲れかなあって思って、余っていた保存食でスープを作ったんですけど、どうです?」

「あ、頂きます。今我が神のお水で、口の中が苦いったらない」

「我が神は?」

「寝てます。今日は力も沢山使ったので、そのままにしておきましょう」


 リーアに毛布をかけてから、教会の裏手に出る。即席でこさえた土窯の上で鉄鍋が湯気を吹いていた。長い旅の中、エオもようやく料理らしい料理を覚えて来た。味はたぶん大丈夫だろう。


「はい、どうぞ。熱いですからお気をつけて」

「有難うございます。ぬっ……臭いが……」

「あー。臭いの強い山菜とか、余っていた塩漬け肉とか入れたので」

「力が付きそうですね」


 元はあまり食べなかったヨージも、今やすっかり人間族の胃袋に近そうだ。野菜の甘みと山菜の香り、肉の旨味と塩味が、熱さと相まって身体に染みて行く。


「はほ。ふぅ、ふぅ。あちち」

「良い塩梅です。上手になりましたね」

「まともに料理出来るヒトが、友の会に居ないのは致命的でしたから、頑張りましたよ?」


「僕はサバイバル料理ですし、グリジアヌは出来てもしない、我が神はアレですし、ナナリは包丁を握らせるとまな板を割りますからね……」


「うふふっ! 個性的ですねえ」

「貴女がそれを言いますか」


「村は、どうにかなりそうですか?」


「まだ初日ですから、なんとも。暫くは問題の処理に追われるでしょう。今、この村は自信を喪失しています。ビグ村の五分の一しかいない人口、土地も豊かとはいえない、家畜はやせ細るばかり。若者は外へ出て行ってしまい、件の連中もいます。例え全能の神が居たとしても、頭を抱えるぐらいには、まあ悪いでしょうね」


「でも、ここがエオ達の土地になるんです」


「ええ。寂れていようと田舎だろうと、ここは我等治癒神友の会の聖地しなければいけない。貴女達が、安心して暮らせる村にしませんと」


「ヨージさん、僕達、ですよ」

「むっ……」


「ヨージさんが語る話って、よく自分自身を含めていませんよね。そりゃ、十全皇の事もありますし、パパやママの事もありますけど、その中に少しでも、自身の幸福を見いだせないものでしょうか。エオ達は、ヨージさんが笑ってくれないと、あまり幸福じゃありません」


「言うようになりましたね、エオ」


「ヨージさんの求める幸福が何なのか、エオは分かりません。何せ昔の事を今にまで引きずって暗い顔をするヒトですし、エオ個人がどれほど頑張ったところで、ずっと笑っていられるようには、出来ないんだと、それは知っています」


「そ、それは……」


「でも、エオはヨージさんのものだから。エオはエオの全部を使って、貴方を少しでも笑顔にしたいです。周囲の状況が、例え過酷だろうと、エオは貴方の為にいますから」


 ……あの一件以来。エオは随分と大人びたと思う。竜精としての力を一部解放した事もあるだろうが、やはり一番の要因は、自身を偽る必要がなくなった事実だろう。


 もはや彼女は自分の出自も、力も、想いも偽らない。


 全力で一人の女性として、今まさに立ち上がろうとしているのだ。眩しい程の笑顔を湛えて生きようとするその輝きは、ヨージには無いものだ。そこに憧れを、魅力を、性を感じる事は、必然とも言えるヒトのサガである。


 可愛らしいばかりが目立った彼女に、美しさが垣間見れる。


「君の在り方が、僕には心地良い。君の曇りのない様が、心安らぎます。こうして……君に認められているのだという事実が、脆弱な僕を支えてくれるのです。本当に、いつの間に、そんな魅力的な女性になったのでしょうか」


「よ、ヨージさん……」


「――行者ニンニク臭くなければ、キスの一つもしたのですが」

「ううぅぅ……エオったら死ぬ程タイミング悪い料理作って、ばかばかばか……」


「これから機会など幾らでもあるのです、今日は、おあずけとしましょう」

「はー……男性にキスをおあずけされる日が来るなんて感動です……」


「じゃ、仕事の話しますか」

「情緒もへったくれもないです。でも事務的なヨージさんも好き」


「はいはい。それで、お願いしていた事ですが」

「あー」


 グリジアヌとナナリに、女性達のカウンセリングをお願いしていた間、エオには別の事を頼んでいた。順番を待っていた女性に対する聞き取りと検温、体調の具合などの検診だ。


 これは非常に扱いの困る問題なので、我が神には知らせていない。

 簡単に言えば、ヤレば子供が出来る、という単純かつ強烈な問題だ。


「妊娠の兆候が見られた方は、あの十五名の内三名です。時期がズレている人もいますし、最長で三か月と少しですから、確実に診断出来たとは言えませんが、一先ず三名」


「恋人や旦那さんとの子では」

「その三名は独身で、少なくともこの三か月、男性と交わったのは……その機会だけだそうです」


「済みません、若い貴女にこんな事を任せて」

「いいえ。同情はしますけれど、エオの事ではないので」


 飄々という。演技の無い『素』のエオだ。エオに任せるのは心苦しかったが、誰よりも医療知識があり、直感に優れ、自分と他人を分離して考えられる。ナナリなどは、あの通り同情に寄り過ぎてしまい、商会傭兵団バウンサーズに復讐だ、といきり立っていたが、エオはそのような事にはならない。


「とはいえ全く酷い話です。なんなんですかアイツ等。捻りましょうか?」

「それではナナリと同じです」

「じゃあやめます」


「……大樹教において、堕胎は……」

「当然推奨されません。竜からすれば、誰と誰の子だろうと、子は子ですから」


「では、竜神敬愛宗としては?」

「確か問題無かった筈ですねえ」


 大本の大樹教としては非推薦。だが宗派によって考えも異なる。この地はマーリクの竜神敬愛宗の本拠地であるから、教徒の大半が元敬愛宗だ。


「足並みは揃えましょう。被害者は彼女達だけではないので、他の方にも伺ってから、ですね」

「それについてはエオが引き続き調査します。相談などもエオを通してくれて構いません」


「言い難い問題でしょうしねえ……しかし方法はどうしたものか」

「確実なものとなると、薬ですかねー。行政区街なら売ってるかもしれませんね」


「我が神には、相談したくありません」

「何せ生を祝福する側ですし……」


 しかし、遅かれ早かれ、この問題は持ち上がる。そして治癒の神が居れば、被害を受けた村娘達はソレに縋るだろう。事前、事前に対処して行かねばならない。


「負担を減らすにしても、早い決断が良い。手段や方法は僕が考えます」

「分かりました。やーですよねえ、ここでの大きな仕事が、コレって」


「禿げ上がる程毟ってやるぞ、クソ商会」

「仕方ないとはいえ、商会は嫌いですよねえ、ヨージさん」


「……そろそろ休みましょうか。明日もあります」

「はい。あ、ヨージさん」


「はい?」


 名を呼ばれて顔を向ける。彼女は自分の人差し指に口をつけてから、ヨージの唇に押し当てた。

 なるほど、なんて乙女チックだろうか。無粋なヨージには考えも及ばなかった。


「これで臭いも気になりません。おやすみなさい、ヨージさん」

「なんだが頑張れる気がします。おやすみ、僕のエオ」


 はてさて、相変わらず考える事、やる事は沢山あるが、今まで以上に気が楽だ。


 相手が所詮ニンゲンである、というものもあるが、何よりやはり、エオという存在は大きい。何も顧みず、互いを支え合って行こうと言えるパートナーの力は、掛けがえの無いものだ。


 幸せというものがあるのならば、恐らく今の瞬間は、とても幸福であろう。



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