辺境フォラズ2
彼女が落ち着きを取り戻したのは、二法刻も経った後だ。その間にヨージが全力で礼拝堂内を清掃したので、汚らしい教会からボロい教会にランクアップしている。少女はヨージ達を前にすると、その場に音もなく正座し、地面に頭を擦り付けた。
「わ、ドゲザだー」
「見ず知らずの方。助けてくださって有難うございました」
「まあまあ。面を上げてください。自己紹介しましょう。僕はヨージ・衣笠、こちらは貴女を救った治癒の神、シュプリーア様です」
「神だよ」
「治癒の神なんて珍しい……。貴方達が、この村の村宗教になるって人達ね」
「治癒神友の会です。しかしどうしてあんなことに。この村の方ではないのですか」
「あ、えーと……」
少女がバツの悪そうな顔をしている。先ほどはチラリとみた程度だったが、随分な器量だ。扶桑人らしく胸がないのもなんだか懐かしい。
茶髪に大きな帽子。布の多いマントに、緋色のシャツ、随分と短いスカート。
そして……デカイ杖。
「実は、私、魔法少女なのだけど」
「魔法を使える少女、という事でしたら、はい」
「記憶がねー……ないのよねえー……」
「またそういうタイプか……」
「いえ、目を覚ましたところからはあるのよ。近くの遺跡の中で目を覚ましたの」
「……は?」
村に来て早々、問題は山積みなのだが、ここにきて更にヤバい奴が顔を出して来た。なんだそれは。遺跡で目を覚ましたとはどういう意味だ。
「遺跡で? 気を失っていたので?」
「眠っていた、が正しいかしら? そう、そこで目を覚まして、外に出てきたら、随分と世界が様変わりしていたから、驚いて。でも大帝国語は通じるみたいね?」
「うーん、要領を得ない。見た目は扶桑人ですが」
「扶桑。ああ、扶桑! なんだか懐かしい響きがあるわ。貴方は……そのフソウジン?」
「一応。僕はハーフエルフですが、貴女は人間族のようですね」
「そうそう人間。で、ええと、目を覚まして、外に出て来て、食い扶持に困って、お仕事でも貰えないかしら、と思ったら、誰にも相手にされなくて」
彼女の傍らに、彼女の身長よりも大きな杖がふよふよと浮遊している。魔法使いである事に間違いは無さそうだ。しかしこんなアヤシイ人物に仕事をくれる場所もないだろう。最初は結構丁寧に喋っていたのだが、今は随分馴れ馴れしい。
「で、教会を不法占拠した、と」
「食べちゃいけないもの食べちゃったみたいで、体調不良から横になっていたの。最悪なのが、自分で防犯用のトラップを用意した所為で、誰も入って来られなかったことかしら……あ、ニナって子は知らない? 唯一、私に優しくしてくれた子なんだけど」
他人を締め出した所為で、死ぬ間際まで誰も近づけなかったのだろう。
なんて間抜けな子だろうか。
「ニナさんは知りませんね。状況は理解しました。僕達はこれからここを拠点とします。出ていけ、というのも心苦しいですし、お仕事が決まるまでは居て構いません」
「宗教団体だったわね。それならどうかしら、用心棒も必要じゃない?」
「戦神がいるので」
「神様に直接戦わせるってワケにはいかないでしょう」
「僕も戦えますし」
「魔法は? 私魔法得意よ」
「どちらの系統です?」
「――系統?」
「ええ。どちらの宗教依存の魔法でしょう」
「ああ……ああ! 現代だと宗教依存の魔法が主なのね」
「現代……?」
「となると……無宗教魔法になるかしら」
「軍事魔法を会得しているので。軍人には見えませんが」
「軍事魔法……そうか、宗教依存だと土地の影響が……やはり竜種の……」
「はい?」
「ま、百聞は一見に如かず。『衝撃一式』」
端的に紡ぐ。略式詠唱だろうが、軍事魔法にしても形式不明だ。彼女は杖を軽く振ると、近くの壺を……粉々……いや、粉末に変えてしまった。
驚くほど高度だ。魔力による衝撃の発生というのは単純だが、一極集中したその威力は、この規模であるならヘタをすればヨージを凌ぐ。こんなものを食らえば、ニンゲンは血をまき散らしてバラバラになるだろう。用心棒とするには危険すぎる。
「加減可能ですか」
「あ、強すぎたかしら。人間にはそうねえ。出来るわよ?」
「ふむ。では研修雇用で。お仕事ぶりを見てから判断します。その間食事も提供しましょう」
「話が分かる男ね! よく見ればいい顔をしているし、気に入ったわ! よくみれば……よく、いや、凄くいい顔ね!?」
なんだか随分上から目線で認められた。無い胸を思いっきり張ってご機嫌だ。
大変、大変不本意であるが、無職の女の子を外に放り出すことも出来ない。村での仕事を斡旋して、独り立ちするまでは構わないだろう。
「我が神も、構いませんね」
「――……」
「我が神?」
「名前、聞いてない」
「……そうでした。勢いのままでしたね。貴方、お名前は」
「名前? 個体識別番号?」
「ううん?」
「あ、個人名! たしかー……えーっと……あいつはー……」
「あの……?」
「あ、ミヅキ」
「……ミヅキ。ミヅキ? 何と書くのですか」
「美しい月と書いて美月……ううん?」
「よーちゃん、この子、なんか、大丈夫かなあ」
「……」
美月。美月か。奇しくも失踪した母と同じ名前だ。珍しい名前ではないが、大帝国の真ん中でこの名前を聞くとは思わなかった。
「一先ず、宜しくお願いします、美月女史」
「呼び捨てて?」
「美月。体調が良いようなら、一先ず周囲の清掃でもお願いします」
「分かったわ。ごはん分働こうじゃない」
ウキウキ顔で外へと出て行く。彼女の問題は一端置いておいた方が良いだろう。こちらはここに来たばかりでやる事が沢山ある。
「ま、彼女は取り敢えず様子見にしましょう」
「次は?」
「立て続けで申し訳ありませんが、怪我人などの手当てを」
「お仕事するする」
「お願いします」
休憩室から出る。元村長に呼び掛けて貰った人々が、礼拝堂の長椅子に腰かけて待っていた。
彼等は商会傭兵団の乱暴狼藉に遭った者達だ。
老いも若きもボロボロだ。医療品の仕入れもストップしているであろうから、十分な手当ても出来ていない。全く、ここは野戦病院ではないというのに。
「お待たせしました。ここで治療を施しますので、並んでください」
「う、疑うようで申し訳ねえんだが、治癒ってのは本当なのかい」
「この流れも随分慣れたものですね……そちらの男性、こちらへ」
「お、おう」
ビグ村ではサクラまで用意して治癒のお披露目などしたものだ。あの村は事情が特殊であった為あのような方法を取ったが、元から大樹教徒である彼等には、いちいち奇跡の何たるかを説明する必要はないだろう。
我が神が男性の傷口に手を当てる。治る。本当にそれだけだ。
「うわ、うわ……!」
「この通り、我らが神シュプリーア様の御力です。本来ならばお布施の一つも頂くのですが、現状を鑑みるとそうもいかない。傷の度合いも度外視します。並んでください」
我が神の見立てで重症度を判別。それに応じたお布施を頂く、という形式にしているが、こんなボロボロの人々から毟る程金にガメツクしていられないのが現状だ。何よりも今は村から信用を勝ち取り、そして……立ち上がる事を覚えて貰わねばならない。
この村は彼等の村だ。自分の村は自分で守るべきである。
「よーちゃん。女の人は?」
「裏口の方に並んでもらっています。事情が事情なので」
女性陣は、顔を出したくない、という者にも配慮して、裏口を設けてある。乱暴されたとなれば、男性陣と顔を向き合わせ辛いであろうし、応対者が男性では話辛かろう。なので別室にグリジアヌとナナリを配置して任せている。
「配慮」
「ええ。グリジアヌがカウンセリングします。思い出したくない、忘れたいというヒトに関しては、ナナリの水魔法が有効でしょう」
「ん。じゃあ、はい、怪我してるひとおいでー」
「た、たのんます」
「はいポンッと」
「うひゃあ! お、お、お? すげえ! 痛くねえ!」
「現世利益の見て取れる形だ……」
「神様ってえのは、本来こういうもんじゃねえのか……いや、治癒ってものすごいけど……それにしてもセンクトの野郎……」
行政区街に住まう神センクトへの恨み節が多い。
大樹法に触れる行いだ。どうして神センクトはフォラズ村へ奇跡を齎さなかったのか。
「ああ、助かったよ。これじゃ鍬も振るえなかったから……有難う神様」
「あーい」
「失礼。しかし神センクトは何故こちらの村を嫌っているのでしょう」
「理由は聞いた事ないけど、たぶん、アレかなあ」
「アレ、とは」
「……あんま、ヒトが居る所で口に出したくないんだ。大断層関連、とだけ……済まない」
「ふむ。分かりました」
大断層関連。この村には更なる問題が潜んでいるらしい。神が大断層の何を嫌っているのか、それも調べねばならないだろう。ただそれはあとだ。
ヨージはリーアから離れて裏口に回る。並んでいるのは田舎娘、というに相応しい人々だが、流石に女性、身ぎれいにはしている。その中でも比較的、表情の暗くない人物に目星をつけて、手招きする。
「はい」
「第二神官長のヨージと言います。済みません、お声がけして」
「いいえ。エルフ様。慈悲深い施し、感謝致します……」
「いえいえ。大樹教加盟でなくて申し訳ない限りですが、出来る限りの事はするつもりです。お辛いでしょうが、少しお伺いしても」
「はい、なんなりと」
「ここにいる女性陣で、全員でしょうか。ここにも顔を出したくない、という方もいますよね」
「はい。村として情けない話なのですが、どうにも出来ない現状、寄り合って慰め合うぐらいしか出来ませんで……ここに来ている女性達は、その寄り合いです。私などはまだマシで……酷い扱いを受けた子は、もう暫くと家から出ていません」
「……集団で」
「ええ……何日も」
全く邪悪な奴等である。警察機構が居ないからと獣になり果てるとは、ニンゲンの風上にも置けない。女性陣は当然怯えすくみ上っていたであろうし、そんな状態を指を咥えて見ている事しか出来なかった男性陣の憤懣と言えばまさしくやるかたないものであっただろう。
無法者共を処理するならば簡単だが……彼等の裏にある組織に目を付けられると厄介だ。なるべくならば穏便に、この村から出ていって貰える方針を考えたい。だが、それで村の者達が納得するかといえば、しないだろう。
どうにか、バランサーとして働きたいのだが……。
「まだ囲われている子はいますか」
「一人……とても、美しい子だったので……ニナと言います」
頭を抱えそうになる。ニナといえば、先ほど美月が唯一優しくしてくれたヒトだ、とした人物と同名だ。状況からして本人で間違いないだろう。
ここで、美月にニナの危急を知らせた場合、あの加減の無さそうな魔法が、商会傭兵にぶち込まれる事になる。ケガをさせて退かせるならまだしも、殺しとあらばアチラも黙ってはいまい。
それは大変困る。
「場所は」
「……三番穀物倉庫です」
まだ村の法整備もこれから、という状態だ。今後、法に則った運営をして行くならば、やはり法を示して正当性を突きつけたいところである。大帝国刑法準拠で、逮捕権があるものとなると、村自警団になる。しかし村自警団はまともに機能していない。
「有難うございました。部屋に控えている二人はとても優秀なので、なんでも話してください」
「はい、失礼します……」
ヨージは直ぐ踵を返して礼拝堂に戻り、声を張り上げる。
「自警団の方はいらっしゃいますか!」
「お、おれだ」
「代表の方は」
「それもおれだ」
「では略式任命してください。僕は今から自警団員です。良いですね。直ぐ名簿に載せてください。直ぐですよ、直ぐ。今から走って役場に戻って、直ぐ書き加えてください」
「え? あ、ああ。構わないが……ど、どうするんだ」
「急ぎの用事が出来ました」
「いや、おいおい。まさか、神官さんよ。商会傭兵を、一人で取り締まるのか?」
「ニンゲン相手ならばそう掛からないでしょう。これは緊急ですので、特例です……ニナという子をご存じですか」
名前を出すと、皆憂鬱そうな顔をする。それは知っていて助けられなかった悲しみからか、はたまた、ニナという娘に何か、別の問題があるのか。
「兎も角僕単独で行きます」
「な、なに?」
「十五法分後。アナタとアナタは女性を二人連れて役場に来てください。着替えとお湯の準備も」
「お、おう?」
「アナタと他三人は、十法分後拘束用の縄を持って三番穀物倉庫へ」
「い、一緒に行かなくていいのか」
「無用です。絶対時間通り来てください。我が神も役場の方へお願いします」
「私?」
「はい」
「分かった。いってらっしゃい」
ヨージは刀……無銘のものを担いで教会を後にする。
色々まどろっこしいものは多いが、今もまさに被害を受けている女性をそのままにするワケにはいかない。村を護るのは彼等だが、護る力がまだないならば、手を貸すのが宗教家だ。
この世界において、宗教とは共存共栄の礎である。神が奇跡を起こし、人々に安寧を齎すのと同じように、その輩たる神官は、神が健やかな暮らしを送れるよう配慮し、また神の奇跡を待つ者達に、救いの手を差し伸べるのである。
少なくとも、ヨージはそのように考えている。
ここはビグ村ではない。神の奇跡を待つ者達の村なのだ。
そして何より美月が怖い。
あれは、なんだ。何をしでかすか、想像も出来ないのだ。であれば、早急に片づけてひと段落つけてから、再会させるべきであろう。
「おはようございます」
「……――、あ、なんっぷぇッ!」
教会からさして距離のない場所、路地の裏に、三番穀物倉庫はあった。
とにかく急いでいる。
ヨージは扉を即座にバラすと、そのまま押し入り、酒を飲んでいた男の顔面を鞘の子尻で叩き潰す。銃を構えようとした男の手を無属性無詠唱魔法で粉砕、ナイフを片手に襲い掛かった男の腕を、斬り飛ばす。
「ぐぎゃああっっ!!」
「なんだ、なんだコイツ!」
「し、神官? 治癒神友の会とかいうとこのンべっ――ッッ!!」
「全員動くな」
「手前ぇ……頭が可笑しいのか?」
「ここのリーダーは誰だ」
「はは、オレだよ、オレ。なんでえ、随分な色男が出てきたじゃぴゅげ――ッッ!!」
「やかましい」
発言を確認して、刀を振る。リーダーと名乗る男の右手と左手の指の全部が地面に零れ落ちた。
「この……あひっ」
「……――」
まだ分からないのか、角材を拾おうとした男の頭髪を一撃で剃り上げる。
本来なら全員首を飛ばすところだが、そうすると我が神も苦い顔をしそうであるし、商会との懇談も面倒な事になるので止める。
「ば、バケモン……なんだ今の……」
「なんも見えねえ……何した、何されたんだ……」
「あああ!! いで、いでぇぇッッ!!」
「距離、距離が可笑しいだろ!? なんであの刀が届く!?」
「一歩も、入り口から一歩も動いてないよぉ……」
「急いでいる。貴様等にかまけている暇が無い。許可ない者が一歩でも動けば首を撥ねる。一撃で飛ばす。言う事を聞かないならば内臓も抉り出す。いま、立っている、この場から、全員をヤれる。わかるか、動くな」
「ひっ、ひぃー、ひっ、はい、はい! わ、分かりました、分かりましたぁ……」
「ニナはどこだ」
「こ、こっちだ。こ、殺さないでくれ」
「ニナの状態による。あと、人質に取ろうとしても無駄だ。当然、とったソイツの首だけ落とす」
その場から動かず、今発言した男の真後ろにあった樽を半分にする。
「――あ、あうあ……」
大の大人が失禁して泣きじゃくっている。
流石に蛮族でも、状況は理解出来たのだろう。全員両手を上げて降参の姿勢だ。コイツ等は商会の雇われだ。裏に何が有るかは知らないが、護るものが薄い。つまり覚悟が無い。死ぬような状況であれば、降参するのが正しいだろう。
「……」
ニナ……と呼ばれる女性がたどたどしい足取りで姿を現す。汚れた服、腫れた顔、こびり付いた体液が、その悲惨さを語る。ただ、五体はついている。死ぬような傷はない。
……嫌な思い出だ。ナナノカ島を思い出す。兼仲ミオーネはギリギリのところであったが、彼女の母や使用人達は、みなこのような姿になっていた。あれも商会傭兵団の仕業であった。
食い扶持に困り、その身を商会傭兵団に落とした事については同情するが、だからといって無辜の市民を慰み者にしてよい理由は一つも無い。君達にも家族がいるだろう、などという生易しい話をしてあげる気にはならない状態だ。
……裏ばかり気にしていてもダメか。威圧の為に殺すのも選択肢である。
「ニナさん。お加減は」
「最悪」
「思ったよりは元気そうだ。それで、コイツ等をどうしましょう」
「……?」
「全員拘束するよりも、この場で殺害する方が、僕は楽だ。判断願えますか?」
ニナが顔をあげ、周囲を見渡す。腕を失って倒れる男、震えながら失禁する男、指を全て失って顔色を青くする男と、多種多様な有様だ。他は全員両手を上げて降参の姿勢、素直なのは良い事だ。
「……マジ? アンタ一人で? 男らしすぎない?」
「少し急いでいたので、雑になりなりました。お見苦しいものでしたね」
金色の短髪を振り、何かに想い耽った後、自虐的に笑う。
気持ち悪そうに口をモゴモゴとさせた後、唾を地面に吐いた。
「いーよ、別に。殺さなくても。そいつらのアソコ、ちっさくてさ、ヤられてる気にもなんなかったし。それに、アンタの手を汚す事なんてないさ」
「構わないので?」
「それより、臭い飯食わせてやる方がいいや」
「そうですか、良かったですね、皆さん」
「じ、自警団だ! ぜ、全員神妙にしろ……うわ、なんだこれ……」
「時間通りでしたね。拘束をお願いします。ベルナンが来たら、僕まで問い合わせろと言ってください」
「アンタ何者なんだよ。神官じゃあないのか……?」
「神官ですよ。ニナさん。一度役場までお願いします。手当もしないといけませんし、汚れも落としたいでしょう。ああ大丈夫、女性を控えさせているので」
「随分気が利くじゃん。モテるっしょ」
「そうでもないです。さ、お早く」
「はー、世の中何があるか、わっかんねえもんだ」
強気に見せているだけだろう。その手はずっと震えたままだ。顔は腫れてしまっているが、元は余程の美人と見える。ニンゲンをニンゲンとして扱わず、道具として用いる事が好きな奴等らしい荒っぽさだ。彼女の受けた責め苦は、想像するだけで心が痛む。
取り敢えず、ここで拘束した奴等にゲロさせれば、芋蔓式で逮捕者が出るだろう。
奴等に退散願うにしても、ハイスイマセンデシタの一言で帰す訳にはいかない。どうせ謝らないであろうし、拘束して、慰謝料替わりに示談金をせしめた方が得だ。
むしろ殺さなかった事を感謝して欲しいくらいである。




