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孤児院の勇者  作者: ピッピ
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6話 ダンジョン 第5階層~



食事を終えた俺たちはそのまま地下5階層へと降りて行く。今までは広い洞窟の一本道だったのが、平原に変わった。周りが良く見えるので更に楽にすすむ。

 定期的にゴブリンが3匹程湧いて出てきて襲ってくるだけだった。そうこうしているうちにチチが叫んだ。


 「レベルアップした!」嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねていた。


 「良かったですわね、半年ぶりのレベルアップですわねチチ。」


「レベルアップってどんな感じなんだチチ?」俺はレベルアップしたことが無いから聞いてみた。


 「う~んとね。ピカッてして、ギューンってかんじ。」

チチは説明が苦手のようだった、うん全然わからんね。


 「ステータスが点滅して知らせてくれますわよ。」

 ヒメはとってもしっかり者のおねえさんタイプだ、良く分かったよ、ありがとうヒメ。


 レベルが1上がったところで大した違いはないらしい。凄いレベル差のモンスターを倒して10位レベルが上がれば分かる程度だそうだ。でチチのステータスというと。


 チチ 巨人族

レベル 6 ⇒7

HP  90 ⇒95

MP  30 ⇒31

力   90 ⇒95

知力  95 ⇒95

体力 100 ⇒105

スキル 身体強化レベル1


 チチは力やHPの伸びが良い様だ、この調子でレベルアップすると力が凄いことになりそうだ。反対に魔力や知力は上昇しにくい様だ。種族手的な特徴でもあるのかな?どっちにしろそのうち分かるだろう。ギルドにいた連中のステータスを何とかして知りたいもんだ、そうすれば自分たちの能力がどの位か分って今後の方針を決めやすい。


 「チチ凄いぞ。このままどんどんレベルアップしたら凄く強くなれるぞ。」


 「巨人族はね強い種族なんだよ、みんなが言ってた。」チチはふんぞり返って俺に言った。


 よしもっと強くなるために先に行くぞ。チチのレベルアップ効果で二人ともやる気満々だった。

5階層もゴブリンが出てくるだけなので、サクサク進む。ちょっと出現頻度が高くなってきてるだけで俺たちにとっては楽勝だ。その後9階層まで2時間で走破する。


 「上がりましたわ!」

 9階層途中でヒメが言った。どんな感じかヒメにステータスを見せてもらう。


 ヒメ 鬼人族

レベル 7 ⇒8

HP   95 ⇒99

MP   40 ⇒42

力    85 ⇒89

知力  120 ⇒120

体力   95 ⇒99

スキル 鬼神化レベル1


 ヒメはチチより少し力やHPの上りが悪いのかな?その代りMPがチチよりほんの少し多く上がってるが、この程度は誤差の範囲なので分からない。レベルアップによって恩恵はあっても不利益はないようなのでどんどんレベルアップを狙うことにする。こんなシステムなら凄く楽に人生を送れるだろうな~などと考えてしまう。努力しても大して恩恵が無いのが昔の世界だったからね。


 「わたくしも、どんどんレベルアップしますわよ!」

 

 久しぶりのレベルアップとチチを抜いたせいでヒメの機嫌が良くなつた。

 そして迎える10階層。階層主の部屋なので扉がついている。この中に入ると戦闘になるらしい。中には上位のゴブリン×1、普通のゴブリン×4が出てくるそうだ、このダンジョンは最下層まで情報が確定してるので非常に楽らしい。


 「用意は良いか?俺が上位種とあと2匹をかたずける。左端をチチ、右端はヒメに任せる。」


 「ど~んとこい!」

 「了解しましたわ。」


3人で10階層主の部屋に入る。50メートル四方の石の床の部屋だ。

 反対側に5匹のゴブリンが立っている。中央に少し大きめのゴブリンがいて左右に2匹のゴブリンを従えている。今までのゴブリンは素手だったが、この5匹は棍棒を装備しているので、攻撃力が2倍程度上昇していると思う。


 「ギャギャギャ!!!」5匹が吠えながらこっちに向かってくる。


 ゆっくりコルトガバを構えて中央のゴブリンの腹を狙う、距離20メートルで射撃開始。

 2発の45口径の轟音が1度に聞こえる程の速射でリーダー格のゴブリンを吹き飛ばす。轟音と閃光に驚いて動きの鈍った左右のゴブリンにも2発ずつ2秒でかたずける。残りのゴブリンは10メートル先で立ち止まっている。


 「チチ!ヒメ!行け!」


 俺はそう言って手早くマガジンを交換する。2秒で交換終了、これで後7発撃てるわけだ。


 チチは無言でゴブリンに近づき槍をゴブリンの腹に突き立てる。背中から槍の穂先が出ているがゴブリンはまだ生きている、わめきながら槍を両手で掴んでいる。そのままでは槍の穂先が抜けないのでチチはゴブリンを持ち上げて地面に叩きつけ顔面を足で粉砕してとどめをさしていた。

 効率的なやり方だが幼女がやると何となく嫌だな~と思う俺は多分甘いのだと思う。とどめを刺さずに怪我をしたり殺されたりする事を考えると、これ以外の手段はない。

 ヒメの方は1撃で終わっていた。いつものように喉を槍でついて終了、ゴブリンは即死である。


 「やったー。」


 「終わりましたわ。」


 「よくやった。今日はここまでにしよう。」


 5匹が魔石に変わったので回収する、リーダー格の魔石は少し大きい。魔石を回収すると床に魔法陣が浮かび上がってくる。この魔法陣についてヒメに聞いてみる。

 これに乗ると1階に転送されるらしい。そしてその事が10階層突破の証拠になるのだそうだ。


 3人で転送陣に乗り1階へと転送される、そこにいたギルド職員にメダルを渡される。10階層突破のメダルだそうだ、これをギルドに提出するとランクアップしてめでたく仮冒険者から初級冒険者になるのだそうだ。

 メダルを持って3人でギルドに行き、木のタグから青銅のタグにクラスアップした。ついでにギルドに魔石を買い取ってもらう。全部で45000ゴールド、入場料を引くと30000ゴールドの儲けだ。一日でこれなら十分だ。皆に美味いものを食わせられるし、色々召喚出来そうだ。

 それから孤児院に帰って4人ですき焼きをして食った。シスターと他の二人が余りの美味しさに涙を流していた。ランクアップのお祝いと、この世界でも生きていける事が分かったお祝いだから奮発してみた。


 「明日もすき焼き食べたい!」


 「私も毎日食べたいですわ!」


 「すいません、私も食べたいです。あのご飯とお肉は素晴らしい相性です!」


 「金がかかるから駄目!一日5万以上稼げたらすき焼きにしてやる。」

 俺はきっぱりと宣言した。なんせ一回当たり1万ゴールドかかるのだ。3人とも物凄く食べるので材質を安くして量を確保することにする。


 「頑張る!魔物は皆殺し!」


 「稼ぎますわ!」


 「私も一緒にダンジョンに連れて行って下さい。」


  3人が物凄く燃えていた、明日からはもっと頑張ってみるそうだ。危ないのでシスターの同行は断った。

風呂に入りたいが、風呂釜召喚は金が足りないので無理だった。仕方なくお湯で濡らしたタオルで体を拭いてみる、しないよりはマシ程度だ。シャワーは風邪ひきそうなのでやめておく。

寝る前に自分のステータスを確認する。


ぴっぴ 人族

冒険者 レベル5

HP 120 ⇒130

MP 100 ⇒110

力  150 ⇒160

知力 150 ⇒150

体力 120 ⇒130

スキル 何でも召喚レベル1

 

 いつの間にかレベルが5上がってついでに冒険者になっていた。俺の場合レベル毎に2上がる様だ、つまりチチやヒメにその内に抜かれるかも知れない。俺よりも大きくなってマッチョな2人を想像したら面白かった。少し儲けが余っていたので皆に毛布を召喚したら物凄く喜んだ。


 こうして冒険者の初日が終わり、俺たち4人は満ち足りた気分で寝たのであった。明日は11階層からだ今度はオークが出てくるらしい、魔石が1個3000ゴールドになるらしいので二人は張り切っていた。


 


 


 

 



 





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