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孤児院の勇者  作者: ピッピ
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3話 孤児院の仲間達

冒険者ギルドに登録に来た主人公、テンプレはさく裂するのだろうか。



翌日も体中が痛かったが、怪我の痛みではなくて寝床のせいだ。藁の上に布を敷いただけの寝床は結構つらいものがある。この世界では俺は軟弱な部類に入るのだろう。森で盗賊に襲われたり、スラムで身包みはがされたりして良い経験になった。自重していると直ぐに殺されそうなので今日から本気のサバイバルを始めようと思う。まず皆に挨拶して情報収集の時間だ。

 

「おっちゃん、おはよう!」チチが元気挨拶してくる。


 「おはようチチ!他の二人はどこだい?」


 「二人は顔を洗いに行ったよ。おじちゃんも行こう。」


 チチに連れられて外に出ると、小さな庭に井戸があった。そこで二人は顔と何かを洗ってた。


 「おはようシスター!ヒメ!」人の名前なんか滅多に覚えない俺だったが、流石に命の恩人達の名前は1回で覚えた。


 「おはようございます、体はだいじょうぶですか?」

 「おはよう、おじ様」

 

 「ありがとう、体はもう大丈夫。顔洗ったら朝ご飯つくるよ。」

 顔を洗ったらゴワゴワした布を手渡されたので、ふわふわのタオルを召喚して二人にあげたら物凄く喜ばれた。

 「すごい布地です!こんなの貴族しか持っていませんよ!」柔らかさと吸水性に感動したシスターは目を輝かせて言った。

 「売れると思うかい?」1枚200ゴールドで召喚したタオルがいくらになるか気になったので聞いてみた。値段はよく分からないが1枚1000ゴールド以上にはなるらしい、つまり上手く商売すれば俺は金には困らない。ただしこの世界は命が安い。金や物を持っていると殺されて奪われやすくなるので注意が必要だ。俺はともかくこの子たちが俺のせいで殺されたりしたら、俺の精神は崩壊して何するか分からない。


 「おじちゃん!ごはん!」


 「まかせろ!直ぐにつくる。」

 ベーコン・卵・カセットコンロ・カセットボンベ・フライパン・食パン・油・塩コショウを召喚して手早く作る。嫁の代わりに毎日食事当番だった俺の料理の腕は確かだ、俺の料理を食べた嫁や友人は喫茶店開けと煩い。何故か嫁につき合わされて食品衛生管理師とかいうのも取らされたが絶対にやらない。何故なら後かたずけが嫌いだからだ。

 

 「「「美味しい!」」」

 朝ご飯を美味しそうに食べてる3人を見ながら幸せにひたる。この程度で喜ぶとは、晩飯はボルシチとエビをたっぷり使ったカイザーサラダでも作るかな。

 朝食を食べ終わった後、俺はシスターにこの街の状況と孤児院について聞いてみた。

 この街は30階層からなる初心者用ダンジョンを中心にできた街だそうだ。人口は約3万人。この孤児院は街の孤児院が定員オーバーになった為に分院として先週から使われてるそうだ。来週にもあと何人か来るらしい。聞いた感じだと人種差別があるのでここに来るのは人族以外の人種だそうだ。ここの経営は非常に苦しいのでシスターは冒険者ギルドで回復魔法を使ってお金を稼いでるそうだ。でも初心者冒険者はお金がないうえに、シスターは初級回復魔法が2回しか使えないので全然お金がない状態らしい。

 「よし状況は理解した。おれは冒険者になる!」


 「え~!おっちゃん弱いからむり。」


 「チチよおっちゃんへこむからハッキリ言わないでくれ。それにおっちゃん弱くないぞ!昨日は油断してただけだからな。」

 

 「でも危険ですよ、魔法を使って商売した方が良い気がします。」

 「そうですわ、冒険者より商売や食べ物屋の方が成功しますわ」

 

「・・・・・・・」

 

おれの評価は物凄く低い様だ。スラムの強盗のせいで子供にすら心配される様になった。ガソリン召喚してスラムを焼き払ってやろうかと思ったが目立ちそうなのでやめておく。

 

「おれの魔法は当分秘密にする。悪いやつに襲われるから。みんなもそのつもりで内緒にしていてくれ。俺だけじゃなく君たちもさらわれるかもしれないから。」

 この街に慣れてから商売することに皆納得してくれた。それと身分証明書が無いのでギルドカードを作る事も分かってくれた様だ。

 

「それじゃあ、私もついていきますね。冒険者ギルドには知り合いがいますから役に立ちますよ。」


「わしたちも行く~」

 「危ないから駄目!君たちはお留守番してなさい。」

 

 「ダンジョンなら何度も潜ってますから大丈夫ですわ。」

 

 「え?なんで?」


 「シスター今の話は本当なのかい?ダンジョンって危ないんじゃないの?」


 「危険といえば危険なのですが・・・・」

 

 ここのダンジョンは9階層までならばスライムとゴブリンしか出てこないので比較的安全なのだとか。10階層には階層主の少し強いゴブリンがいるらしい。二人は力が強いのでたまに荷物持ちとして親切な冒険者が雇ってくれているそうだ。ダンジョンでスライムを倒して魔石と経験値を稼いでいるそうだ。


 「チチ達って強かったんだね。」

 

 「チチ強いよ。レベル6なの。」

 「私はレベル7ですわ」

 「私は恥ずかしながらレベル3っです。戦うのは苦手ですので」

 

 「レベルって何?」

 この世界にはレベルや冒険者のランク制度があるらしい。そんなもの全然知らないので3人に教わる。


 冒険者はまず冒険者見習いのFランク、木製のタグを着けている。それから徐々に上がって高い金属のタグを着けている程上位の冒険者になるらしい。この街は初心者用なので通常EランクかDランクしかいないそうだ、Dランクになると一人前の冒険者なのでもっと稼げる所に行くそうだ。

 次にステータス、個人の強さや能力を表すものだそうだ。他人のステータスを見るのは特別な能力がいるが自分のステータスを確認するのは簡単、意識すれば分かるらしい。3人のステータスを教えてもらった。


 シスター・マリア 人族

レベル 3

HP 95

MP 30

力  85

知能 105

体力 100

スキル 回復魔法レベル1

生活スキル 家事レベル1 育児レベル1


 チチ 巨人族

レベル 6

HP 90

MP 30

力  90

知能 95

体力 100

スキル 身体強化レベル1

 

 ヒメ 鬼人族

レベル 7

HP 95

MP 40

力  85

知能 120

体力 95

スキル 鬼神化レベル1


 HPやMPは100が一般人の平均値でMPは魔力量、100で中級200なら上級300を超えると一流の魔力量だそうだ。マリアは魔力量が少ない方らしい、ちなみに初級回復魔法はMP10消費だそうだ。力や体力なんかも一般人を100として表しているらしい。生活スキルは今までの生活で習得した後天的な技能の事だそうだ。

 「大体分かったけど、体力強化とか鬼神化って何?多分」

 

 「体力強化はね、力と体力が上がるの。」

 「鬼神化もスピードとパワーが少し上がりますわ。レベル1ですから10%ですけれども」

 

 この子たちが成人並みの力が有ることは分かったが、何か期待外れの気がする。自分に当てはめると握力が65キロ→71,5キロ、背筋200キロ→220キロだからその日の調子次第な気がする。余り過度な期待は出来ないスキルの様だ。で俺のステータス。


 ぴっぴ 人族

レベル1

HP 120

MP 100

力  150

知能 150

体力 120

スキル 何でも召喚魔法:レベル1

生活スキル 料理レベル3 格闘技レベル3 射撃レベル4 運搬レベル3 精密作業レベル3 

      指導レベル3


 「「「すごい!!!」」」

 

 何だか生活スキルが多い様だが全部に心当たりがあった。料理は独身時代から作ってたし、結婚してからも毎日俺が晩飯作ってたからだし、格闘技は柔道・空手・徒手格闘をやってた。射撃は自衛隊で章やメダルもらったし、運搬は大学時代にバイトしてた。精密作業はプラモや日曜大工のおかげで最後の指導は多分教員時代に会得したスキルだろうな。でも一番長くやっていた職種の技能がないのは不思議だが、多分この世界には該当するスキルがないのだろう。


 「どうだ!おっちゃんを見直したか。」

 

 俺は3人に向かってニヤリと笑ってやった。真面目に生きてて良かった、芸は身を助けるって本当なんだ。

 「じゃあ冒険者ギルドに行くぞ!」

 こうして俺たちは冒険者ギルドへ向かうのであった。

 



 



 



 


 



 

 


 

誤字脱字があったらごめんなさい。先に誤っておきますね。


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