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孤児院の勇者  作者: ピッピ
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36章 王国領国境の戦い


 先発隊に物資を運ぶ補給部隊を俺達は補足していた。かなり長い補給隊だった。先発隊が踏み鳴らした道の上を進んでいる。急いでいる様だが物資が重いので思うように早く進め無いようだ。

 隊列は標準的だった、襲撃されないように出来るだけ固まって護衛部隊に守られている。先発隊と後続部隊の水と食料だからかなりの量だ、そしてこれが無いと戦えないのだ。戦闘に一番大事なのは補給だ、兵士は飯を食って水を飲まなくては戦えない、戦う前に餓死してしまうのだ。だから、補給以上の部隊は前線に送れないのだ。魔族部隊は20万らしいが一度にそれだけの数を前線に送るには補給部隊だけで、40万以上の人数がいるだろう、また補給部隊が増えればその部隊も食料と水を必要とするのだ。これが戦争を簡単に行えない理由だ。補給物資を蓄えるのに膨大な時間と金がかかるのだ。


 さて、狩りの時間の様だ。標準的な隊列の襲撃方法で行く。


 「ヒメ、用意は良いか?」

 「こちらヒメ、準備良し。」

 「何時でも良いぞ、始めてくれ。」

 「了解。」


 標準的な襲撃方法はまず先頭の車両を叩く、そして相手が混乱してる隙に最後尾の車両を破壊する、そうすれば先頭と最後尾の車両が邪魔になり挟まれた車両は逃げられなくなるという単純な戦法だ。召喚が使えればもっと簡単でスマートな方法が有るのだが手持ちの火力ではこれが単純でやりやすい。


 ブシューと言う音と共にヒメがM202から66ミリロケット弾を先頭車両に発射する。そうブルースブラザースでお姉さんが撃ったあれだ。軽くて運びやすい上に射程が1キロ近くある便利兵器だ。対戦車戦には使えないが今回の様な時に非常に役に立つ。

 ヒメが4発全て発射し先頭車両を何台かやった様なので、俺も最後尾に対して攻撃を開始する。M202は2基しか無いので出し惜しみしてもしょうがない。全弾発射して最後尾の車両をまとめて炎上破壊する。


 「軽トラ部隊、突撃せよ!」


 相手が混乱してる隙に軽トラ部隊を突撃させる。初めて見る軽トラと銃声で更に混乱を煽る作戦だ。そして彼らの目的は車両の荷物のみ、護衛は無視するように命令している。

 魔族たちは初めて受ける攻撃の激しさと速さに混乱していた。相手の顔を見てゆっくりと喧嘩や殺し合いをする今までの戦争とは次元の違う速さで戦況が動くのだ。


 「火炎瓶を使え!敵の荷物は全て燃やせ!」


 次々と火炎瓶が投げられ彼らの補給物資を燃やしてゆく。必死に火を消そうとする者もいたが自分に火が燃え移って地面を転げまわっている。

 そう、ただガソリンを詰めただけの火炎瓶じゃないのだ、どこにでもある物を混ぜて粘度を上げて投擲目標に粘着して燃える本物の火炎瓶だ、この世界では初めてのお披露目だろう。


 「全員撤退せよ!」


 相手の荷物を粗方燃やしたので撤退する。敵の護衛はかなりの数生き残っているが、予定通りだ。彼らのは本隊に帰って貰って本隊の食料を食べて減らしてもらう大事な役目が有るのだ。ついでにこちらが危険な相手だと報告してもらわねければならない。


 軽トラの機動力を生かし第1次防衛ラインまで下がる。


 「ヒメ、状況ほうこくしろ。」

 「現在、死者無し、軽症8名、重傷者5名」

 「重傷者は直ぐに治療をせよ。」

 「チチ、全員に休息と食事を与えろ。」

 「了解、おっさん」


 補給物資を叩く作戦は成功した、休憩して全員を第2次防衛ラインに下がらせる。


 「旦那、偉く上手くいったな。」

 「そうか?」

 「あれだけ成果挙げて不満なのかよ。」

 「いや、不満はない。ただ予定通りなだけだ。」

 「やっぱりあんた勇者じゃなくて、賢者じゃね~のか?」

 「あんなのは普通の戦い方だぞ、俺達世界じゃ誰でもやるぞ。」

 「あんたの世界っておかしいんじゃないか?」

 「ああ、年がら年中どっかで戦争してるからな、狂人が多いな。」

 「じゃあ、用意は良いかレビン?」

 「ああ、覚悟は決めたぜ。」

 「それじゃあ行くか?魔族狩り。」


 全軍を第2次防衛ラインに下げた俺達は、俺とレビンの二人で魔族領に侵入する。


 「レビン、お前目は良いか?」

 「おう、俺は目には自信が有るんだ。」

 「俺が撃ってる時は周りが見えなくなるから、周りをよく見ていてくれよ。」

 「任せろ旦那、俺は臆病だからな全力で魔族探すぜ!」


 そして魔族領に入って2日、俺達は小高い丘の茂みの陰に隠れて過ごしていた。


 「なあ旦那、補給の護衛部隊、全滅させた方が良かったんじゃね~か?」

 「全滅させたら、本体の飯が減らね~ジャン。」

 「あいつらは、食料減らすために助けたのかよ。」

 「それも有るが、俺たちの犠牲を減らすためだ。そして一番大事なのは俺達の強さを本隊に知れせても  らう為だな。」

 「俺たちの強さを知らせて、どうすんだ?戦争を諦めさせるのか?」

 「諦めてくれるのが一番良いんだが、無理だな。でもお陰であいつ等まだ来てね~だろ。」

 「来てないのが関係有るのか?」

 「あいつ等最初は俺達をなめてて凄い速さで来たよな?でも今回は俺達を警戒して慎重に来てるはず    だ。それが俺の作戦の一つだ。」

 「ゆっくり来させる作戦?」

 「ゆっくり時間かけて来るとその分飯食うだろ。1日遅れると凄い量の食料と水を消費するんだ。」

 「何が何でも相手の物資を減らす気なんだな。」


 それから1日後、魔族軍5万がゆっくり王国領に入ろうとしていた。


 「じゃあ、やるぞレビン。敵が近づいて来たら逃げるぞ!」

 「任せろ!逃げるのは得意だぜ。」


 丘の上に陣取った俺は1キロ先に居る魔族軍の偉そうなヤツ。金ぴかの鎧や指揮を執っているヤツを片っ端からバレットで狩っていった。そして敵がこちらに気が付いて部隊を寄越すと軽トラに乗ってレビンと逃げた。

 そして敵が前進しだすと又、遠距離射撃で指揮官の頭を吹き飛ばしていた。前方に偵察部隊を送ってきたら俺達は横や後ろから攻撃した。指揮官がドンドン死んでいく敵部隊の前進速度は極端に遅くなっていった。


 「何だか、エグイ戦い方だな。」

 「そうか、普通だぞ。戦場で目立つと死ぬのは当たり前だな。」

 「そりゃあ、そうだが・・」


 こうして俺は3日間魔族部隊にへばりついて指揮官を殺す嫌がらせを続けていた。


 


 

 

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