19章 人外魔境
ブックマークが増えてたので頑張りました。筆者は簡単に踊ります。
あれから俺は名誉司祭に任命され教区をもらった。今子供達を全員連れて来ている。ここまで道らしい道はないので馬による移動だ。車が走れるような道が無いのだからしょうがない。馬車すら通れない狭い獣道があるだけなのだ。人外魔境と呼ばれている訳が分かった様な気がする。
街からここまでは馬で2週間、距離にして400キロ位だろうか、ここは不便すぎて誰も住んでいない未開地だ、商人も来ない。でも山と海があるとても良さそうな所だ、それともう一つ俺は気が付いていた。山の際に煙が立ち上っているのだ。子供達と馬に2人乗りしてここまで来たので尻が物凄く居痛い。荷物なんかは俺のすっかり忘れていた無限収納アイテムボックスで運んできた。これが無ければわざわざこんな所にくる人間は居ないだろう。
名誉司祭に任命された時に枢機卿から報奨金と開発費用1億ゴールド貰って来たので、食糧品なんかは子供達10人と1年間生活できる分買って来た。いざとなれば召喚で食料出せるし、バイクで街まで買い出しに行っても良いので気楽なものだ。1億ゴールドと聞くと多そうだが領地の開発費としてなら雀の涙だ。この100倍は無いと町は建設出来ない。
俺達は先発隊なのだ、ここに居住地を作らなければならない、いくら俺の召喚があるとはいえ町を召喚出来る訳じゃないので大変だ。早く他の獣人の孤児を引き取れる様に住む所から作らなくてはならないのだ。そしてある程度の目途が立ったら、次の孤児達を受け入れる予定だ。大体1ヶ月に50人の受け入れ予定だ、それ以上は受け入れスタッフが育成出来ないからだ。最初は力仕事が出来る年長組その後に年少組を受け入れる予定だ。
「おっちゃん、どこに町作るんだ。」
「随分と広いですわね。山も海も在りますわよ。」
「川の傍に作るぞ、水洗便所と畑の水やり生活飲料の為だ。」
「何の事か分からないが、畑に水が居る事は分かった。」
「私も、畑と飲み水がいる事は分かりましたわ。」
その後川の傍の適当な所に場所を定める事にした。簡単な食事をとった後。まず地面を平らにする、手作業では大変なのでブルドーザーを召喚、燃料を入れてガンガン地面をならす。そして、平らになった所にプレハブ住宅を設置してゆく。街の分は設置したので俺達の寝泊りするところは準備完了だ。チチがブルドーザーに乗りたがったので操縦を教えて周りを平らにしてもらう。その後大きめのプレハブ住宅を設置して食堂兼教室にした。周りに人が居ないので発電機も2台召喚して、住宅の照明も使える様にした、ここで、初日は日が暮れたので作業は終了だ。晩御飯当番と風呂沸かし当番に分かれて何時もの日常作業に入る。
「明日は俺は水洗トイレを作るから、牛ちゃんと兎ちゃんは手伝ってくれ。チチは地面を平らにしといてくれ。」
「私は何をすれば宜しいの?」
「ヒメは畑を作れそうな場所を皆と探してみてくれ。」
次の日俺達は川の流れを利用したトイレを1日がかりで作った、夕方はチチの均した土地にプレハブ住宅をジャンジャン設置してゆく、これで孤児100人位泊まれる様になった。
3日めは畑を作る、トラクターを召喚してドンドン畑を耕す、トラクターの操作をヒメにまかせ俺は昨日設置した、プレハブ住宅にソーラーパネルを設置して電気工事だ。耕した畑には科学肥料をまいてジャガイモ何かを子供達に植えさせた。
忙しい毎日を2週間程送っていたが、なんとか灌漑用水やため池なんかも出来て村らしくなってきた。
持ってきた金も無くなりそうだし、孤児の第1弾も受け入れたいので街に戻ろうかと考え始めていた時に兵士が馬に乗ってやって来た。
「大変です!賢者様お逃げ下さい!」
急いでやってきた兵士がいきなり俺に叫びだした。何のことかさっぱりだ。
「落ち着いて下さいな、事情を話してください。」
子供達も全員が集まって来る。
「貴族共に雇われた、ならず者達がここを襲う計画が有るのです。早く逃げて下さい。」
聞けばこの兵士は枢機卿の子飼いの兵士らしい、教会の権威と権勢が大きくました状況に危機感をいだいた貴族が俺を亡き者にしようとしてるのだそうだ。
「賢者様、お逃げ下さい危険です。」
「嫌だ!俺は逃げん。」
「でも、ならず者達がやってきます。子供たちまで皆殺しにされますよ。」
「逃げても同じだ!追われるだけだ。」
「心配するな、俺は戦争が得意な賢者だ!」
「おっちゃん、手伝うぜ!20人位ならぶちのめしてやる。!」
「私も、10人位軽いですわ。」
「そ、そんな無茶な・・事を」
「相手は貴族の荒事専門のならず者達がですよ!」
俺が作った村を襲うとは良い度胸だ、俺の子供達を殺して孤児達の未来を奪うだと、やれるものならやってみろクソ貴族が!
ならず者達を全員ヤッタ後で、これを仕組んだ貴族共には仕返しをしてやるぞ。全員地獄に送ってやる。
違った俺は今は司祭だからな、全員天国へご招待だ。
俺が悪そうな顔をして笑ってるので、知らせに来た兵士は顔が真っ青になっていた。




