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「俺が手を叩いたらスタートしよう」
「……分かりました
身の程を思い知らせてあげましょう」
やっぱりそういうことか……。
人間は神を模したと言っていた、なら人間の戦略で神の裏をかくことだって出来るはず!
俺が手を開き、叩くと、辺りにパンという音が広がった。
空気のない世界でそう感じるのもシッディの力だろう。
音の鳴った瞬間、この世界は無限の物体で埋め尽くされていた。
「これは……!」
ある物体たちが一斉にヨーニに攻めよっては消え、攻めよっては消えを繰り返す。
「防ぎきれない……!」
「そう、ヨーニにはこの無限の種類の物体は防ぎきれない
何故ならヨーニ、お前は目的格に自分を置けない全能だからな」
「……!」
「全能のパラドックスをヨーニですら避けることができないことは分かった
しかし実際ヨーニには全能に近い力がある
そこで全能のパラドックスは何故起こるのか考えたんだ
すると共通点が見つかった
それは目的格に自分を置いているということ」
ただ一生懸命に物体を消していくヨーニに説明を続ける。
「ヨーニは"誰にも持つことの出来ない石を"作ることができる
この誰にも、にヨーニが含まれているからこれはパラドックスになるんだ
つまりここさえ外して
ヨーニは、"a1,a2,a3,……に持つことの出来ない石を"作ることができる
としてそこにヨーニを含まなければ良い
a1,a2,……が無限にいても一度に対象にすることはヨーニなら出来るだろう
実際ほぼ全能の力以外にも人並み外れた力がいくつかあるみたいだしな
だが、ほぼ全能の力をノータイムで何度も使うことは出来ないはずだ
"ヨーニの能力を何度も"使うことは出来ないからな」
「……」




