混沌という意味じゃありません
暗く、何もない世界。
ここが、神のいる領域……。
「ようこそ、私の世界へ」
ふいに声がし、そっちを向くと、裸の女性が浮かんでいた。
「ヨーニ……!」
聞き覚えのある声、それはまさしく準決勝一回戦の時に聞いたものだった。
「待ってたんですよ、来るのを」
「変わったやつだとは思ってたが、まさか神そのものだとは……」
「えへへ、驚きました?」
驚くというか、何でわざわざ俺達の宇宙なんかに……。
「何でって、これでも兄君さまのことを気に入ってるんですよ?」
そういえば俺の心の声が聞こえるんだっけ……。
「気に入る?何で?」
「私と同じで孤独ですから」
「ぼっちなんか他にもいるだろ」
「でも、こうして会いに来れたのは兄君さまだけです
と言ってもきっかけは私が与えたんですけど」
「きっかけ?」
「シッディですよ
ジャンヌ様も言ってたでしょ?神様、つまり私がシッディを与えていると」
そうか……神がシッディを与えていて、神はヨーニだからそうなるのか。
「何でそんなことするんだ?」
「私は……友達が欲しかったんです」
友達が欲しかった……?
どういうことかと思った矢先に、ヨーニが自分の過去を語り始めた。
「私はカオスから生まれました……
カオスとは何か、と言われれば"カオスはカオスであり、カオスから生まれた"としか言いようがありません」
???
それじゃ循環定義になるだろ。
「そう、根本がそもそもループしているんです
兄君さまのいた宇宙にはミュンヒハウゼンのトリレンマ、という哲学の問題がありますよね」
「えっ?そうなの?」
聞いたことないんだけど。




