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どんな対策をも越える、知恵と実力がある

 ここは……コロシアムか。

 戻ってきたんだな。


「どこ行ってたの空くん?急に消えたからびっくりしたよ」


 俺もびっくりしたわ。

 そうだ、今は試合中、そんなこと考える暇はない。

 速度∞がダメだった以上次の手だ。


「それじゃ行くよ!」


 パンのこの発言が、以前見せた二人を0にする力ということはすぐ分かった。

 だが、発動しない。


「何で0に出来ないのー!」


 その理由は、俺が0を∞にしたからだ。

 パンのシッディは自然数に関するシッディ、0にしようとして∞になるということはほぼない。

 つまり、0にするシッディは無効になったということだ。


 この瞬間0を∞にするのをやめて、パンの背後との距離を0にして瞬間移動、即0をメタって普通のパンチ!


「なーんて」


 茶化したようなパンの声の後、パンが俺の背後に瞬間移動し、強力なパンチが俺の背中を直撃した。

 俺のシッディで背中のダメージを0にしていなければ、そのまま気絶していただろう。


「私の対策読まれちゃった?」


「知ってましたか……さすが理学部部長」


 俺はパンのシッディの0を∞にした。

 本来∞は自然数に含まれないのだが、含む方法がある。

 算術の超準モデル、と呼ばれるモデルのことだ。

 一階述語論理によって書かれた公理は、抽象的でそのままでは具体的な意味の通らない謂わばただの枠組みとなっている。

 そこにモデルを当てはめて初めて具体的な内容になるのだ。

 例えばペアノの公理は0や後継関数sucが具体的に定まっておらず、抽象的な内容になっている。

 そこで0の定義や後継関数の定義など、ペアノの公理という枠にきっちり填まるように作って出来たようなものがモデルである。


 ペアノの公理は裏側では一般的な自然数を作れるように作られてるので、当たり前ながらペアノの公理のモデルの一つは0などを定義して出来るN={0,1,2,……}だが、算術の超準モデルはこの一般的な自然数に新たな要素を追加したモデルのことで、これによって∞という要素を追加することが可能になる。

 つまり、パンのシッディで∞を自然数の内に含めることも可能になるということ。

 特異なモデルなので流石にパンのシッディ4のルールには当てはまらないが、これが出来るのは知恵と実力の成せる技だろう。


 上手く行くことを期待していたが、さすがに理学部部長だけあってこちらの学んだことはお見通しらしい。

 ならしょうがない、次の手だ。

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