格差を埋めることは難しい
次の日の四回戦は、目立たしい試合もなく、気になる奴は皆勝ち上がった。
六回戦が準々決勝、即ち各ブロックの代表4人が決まる試合なので、そろそろ今のところ勝ち上がっている奴等を整理してみるか。
俺の知っている奴で勝ち上がっているのは、Cブロックのアストラル、Dブロックのアンナ、Dブロックのガルバ、Bブロックのパン、Cブロックのダーラ。
Aブロックの俺が六回戦目も勝てば、その次の準決勝で俺と当たるのは間違いなくパンだろう。
前トーナメント優勝者でシッディもよく分からないし、恐ろしい相手だ。
一方C、Dブロックはガルバが一番怖いな。
アストラルは金曜日の戦闘訓練でよくボコボコにされていたのに、このトーナメントでは勝ち上がっているのも気になる。
だが、ガルバのシッディは特に凶悪、アストラル達が勝てる確率は低い。
とりあえず、ここからは目の前の試合に集中しよう。
流石にここまで来れば、どいつもこいつも強いし。
五回戦、俺はなんとか勝ち進み、Cブロックまでの他の奴等も皆勝ち上がっている。
気になるのはDブロックの試合、アンナ対ガルバだ。
だが、正直アンナのシッディじゃ……。
「あんたのシッディ強すぎるんですけど!」
「ハッハッハ!私はこれでもカントリーを支配していたからな
かの武蔵程ではないが強力なシッディを持っているつもりだ」
そうそう、ガルバはカントリーのトップになっていたこともある。
俺が勝てたのもガルバが油断してゲーデル数を教えてくれたお陰だったし、正直強すぎるわな。
「ぐう……とりあえず色々やってみるけど!」
「試合開始!そこまで!勝者、ガルバ!」
「何よそれ!私何もしてないんだけど!?」
「推論規則を操作して、『試合が始まる』から『ガルバが勝つ』を推論するようにしたからな」
「ダーラといいあんたといい……まともに勝負する気あるの?」
「勝てば官軍という奴だ
私は決勝で師匠と戦いたいからな!」
確かにこいつら、ルールを書き換えたとまでは言えないレベルだが、最早戦いじゃないな……。
これからこんな奴等も相手にするのかと思うと不安だが、ジャンヌ様の勘のためにも諦めるわけにはいかない!




