女教師はセクシーで
なるほど確かに、眼前に学園がある。
これは距離が物凄く近いということで、つまりは能力が上手くいったということだ。
シッディを扱う為に努力する必要もないのは便利だな。
とりあえず学園に入ってみる。
学園の中は、レンガ構造らしく海外の大学にありそうな感じだ。
少し歩くと地図があったので、それを頼りに受付へと向かう。
複雑な道のりではなく、あっさりと受付に到着。
紹介状を受付さんに渡すと、一旦奥に引っ込んでいく。
何かの手続きでもあるのだろう。
そして受付さんが戻ってきたが、その傍らにはスタイルのよい体を強調するタイトスカートを身に付けた、色気のある女性がいた。
「あたしはアナンダ
あなたを担当することになった、担任教師よ」
なるほど、いかにも女教師らしい風貌である。
「そ、空です!」
「そう緊張しないで?長い付き合いになるんだし!
もう夜だし、早速寮まで案内するわね
着いてきなさい」
緊張するなという方が無理だ。
今までは見た目年下の女の子と話していたが、今度は年上の美人さん。
23歳でもぼっちだった俺にはハードルが高い。
外に出て少し歩くと、学園の陰にあったのか、今まで見えなかった建物が見えた。
これが寮なのであろう、前を歩くアナンダ先生が入っていくので、俺も合わせて入る。
中は割りと綺麗で、住みやすそうな感じだ。
「あなたはこれからこの部屋を使いなさいね」
「一応聞きますが、同棲とかって……」
「何言ってるの?一人一部屋よ」
「で、ですよね」
寮暮らしなら女の子あるいは男の振りをした女の子と同棲するのが決まりのはずだが、どうやら俺にはそれがないらしい。
まあ一人で過ごすのもそれはそれで快適だと自分を慰める。
「明日は土曜日、普通は授業がないのだけれど、あなたは夏入学で珍しいから、補習をやる必要があるの」
他の人は春に入学するらしい。
住む家がない俺には、春まで待つなんて無理だな。
アナンダ先生は続ける。
「明日9時に鐘の音が鳴るから、さっきの受付に来てちょうだい
私が教室まで案内するから」
「分かりました」
「制服は部屋にあるからそれを着て来てね
それじゃお休みなさい」
もう夜も更けてきてるし、恐らくアナンダ先生も寮で暮らしているのだろう。
じゃなければ帰りがブラック企業並みに遅いことになるし。
それはともかく、部屋に入ってみると、外観はそれなりに広く見た目はマヤの家とそんなに変わらないようだ。
一つ違うのは、藁ではないきちんとした布団が用意されているということ。
学園は国に大きく貢献しているから、それなりに技術と金が詰め込まれているのだろう。
短い学園生活初日を終え、明日のアナンダ先生と二人きりの授業に期待しながら、俺は床についた。