来る12月、学内トーナメント始まる
12月、冷たい風が肌を打ち付ける季節、俺達一回生から四回生は、コロシアムに集められていた。
学内トーナメントの説明会である。
学園が統合した今、模擬戦が必要かと云えば必要ではないかもしれない。
だが俺には関係ない。
友達もテレビもネットもないこの世界で、唯一暇を潰させてくれるのが、戦いだからだ。
最早戦闘狂だな。
校長による端的な説明が終わり、それを更に要約するとこうなる。
まず、参加資格があるのは一回生から四回生のみ。
何回生かは問わずランダムにAからDブロックに生徒を分ける。シードは無し。
負けた者や棄権者はそこで脱落、AとB、CとDを勝ち抜いた者同士で準決勝、最後に準決勝で勝った二人が決勝という流れだ。
要するに現世でもよくあるトーナメント方式。
ただ、この世界特有のルールもある。
対戦相手のシッディを事前に知ることが出来る、というのがそれだ。
実戦において、相手のシッディを予測するのは座学によって身に付く力、実戦では相手のシッディを知った上でどうやって戦うかが重要。
という考えの名残らしい。
確かに第三戦争では過去の勉強から相手のシッディを予測できた事も多かったしこれは頷ける。
生徒のシッディはジャンヌ様がシッディを与えてどちらの学園に行くか決めてすぐ、連絡が行く手はずになっているので、学園側はちゃんと生徒のシッディを把握しているようだ。
そんなこんなで、説明会も終わり、トーナメント表の書かれた紙がでかでかと掲示されたことで、生徒たちの会話で賑わい始めた。
俺はAブロックのようだ。
「私はDブロックだ!」
「私もだ、決着をつけるときだね」
「ここでこてんぱんにしてやる!」
アンナとマノが何時ものように火花を散らしている。
「やれやれ、二人とも今から威嚇しあってどうすんだ?」
「そういうアストラルは何ブロックよ?」
「俺はCブロックだな」
アストラルはCブロック……もしも戦うとしたら決勝になるのか。
「私はBなんだからねっ!
決勝で戦うわよ、アストラル!」
ヴィジュニャーナはBか。
「何よそれ!アストラルと戦うのは私なんだから!」
気になるのはガルバとパンか……あいつらは間違いなく強敵だからな……。
プラーナはまあ大丈夫だろう。
そう言えばムーラとダーラもいたっけ、過去に来てから殆ど顔合わせてないな。
あいつらも対処法は心得てるから問題ないけど。
とりあえず、始まったら勝つのみ!




