メイド イン 異世界
「あ、空さん!探しましたよ
勝手に行っちゃうんですから、本当マイペースですね」
マイペース?
確かにそうとも取れるか……。
そんなことよりまだ俺と回るのか?
もうパンちゃんとガルバと回るかと思ったけど。
「ご、ごめん」
「次は空さんのクラスに行ってみましょう!」
マヤが目から光の粒を出して俺に当ててくる。
こんなの今までアニメでしか見たことないぞ。
こうなったら当たって砕けろ、死なば屍に花が散る、だな。
行くか!
「いらっしゃいませ、ご主人様!
ってあんた、一人客じゃないの!?」
俺の来店を温かく迎えてくれたのはアンナだった。
「私はマヤ、空さんの知り合いです」
「へー、年下かな?よろしくね!」
と言ってアンナがマヤに笑顔を見せる。
「意外だな、空
君にこんな知り合いがいたなんて」
続けてメイド服を着たアストラルがこっちに来て、感想を告げてくる。
女って女装が好きだよね、まあ俺に女装させようとした女は一切いなかったが。
「色々あってな、俺に学園を勧めてくれたのもマヤなんだ」
そんな会話をしているところに、一仕事終えたマノがこちらに寄ってくる。
「マヤ……友達になれそうだね
私の名前はマノなんだ」
「一字違いですね!今日はお友達がたくさん増えて嬉しいです」
「なら私も友達だよ!マヤちゃん!」
マヤは今日だけで四人と友達になっている。
これが才能の差か。
あれ?そういえばあいつがいないな。
「ヴィジュニャーナはいないのか?」
ヴィジュニャーナもスパイとしてではなく普通に一回生のクラスへ来たので、ここにいるはずだけど。
俺の疑問にアストラルが答える。
「ヴィジュニャーナは今非番だよ
なんでも屋部として何かやろうって話もあったんだけど、それじゃ忙しすぎるってなって、非番の時は他の人のを回ることにしたんだ
結果的にヴィジュニャーナも色々回るのを楽しんでるみたい」
もしかして、一人でか?
見習わなきゃならないところもあるな……。
「そうだ、マヤちゃんも手伝ってくれる?」
「それがいい、メイド服なら余ってる!」
アンナとマノが突然の提案をする。
「ええー!?」
「良いではないか良いではないか!」
アンナ、お前はおっさんか。
あっという間にアンナ、マノ、マヤが奥へと引っ込んだ。
「い、いらっしゃいませ、ご主人様!
こ、こうですか……?」
着替え終わったマヤが、メイド流挨拶に挑戦する。
異世界なのに、こういう所は引き継いでいるとは。
そして皆盛り上がり、またもや俺は蚊帳の外。
今度は、地蔵のようにその場に居合わせ、時が過ぎるのを待つことにしよう……。
そんなこんなで楽しい楽しーい文化祭は終わりを告げた。
俺は根底からぼっちだということを再確認しただけだったが、マヤ達は得られたものが多かっただろうから、良しとしよう。
そして俺は、12月まで再び普通のぼっち生活を送るのだった。




