エピローグ
数日後、ガルバはネーションの学園の学園長と交渉し、第二戦争以前のように三国の中央に学園が建設されることになった。
建築関係のシッダを雇いすぐに学園を建て、二つの学園の生徒はそこに転校することとなった。
幸い教室は広く、クラスが分断されることもなかった。
当然、ムーラ、ダーラ、ヴィジュニャーナも移り、ヴィジュニャーナは流れでなんでも屋部に入部することとなった。
ガルバも自身のシッディで殺した人全員を蘇生させ、普通に学園に通うことになった。
そういえば、生徒の数が増えたことで、12月の学内トーナメントは例を見ない規模になるんだろうな。
さて、俺はというと……
「ルンを知っているのか!?」
「はい」
もちろんこの世界では、プラーナはルンに再会していない。
知っていながら無視し続けるわけにもいかないので、最後に母娘再会というわけだ。
一緒にネーションの山奥に瞬間移動する。
そこは、原始時代を思わせるような、動物の皮や葉っぱで出来た家が立ち並んでいた。
「あの家ですね」
俺が指差した先の一軒、そこにルンは住んでいる。
この山奥の村に、綺麗な靴という文化を持ち込んで一気に受け入れてもらえたそうだ。
「お母さん、お母さん!」
「もしかして……プラーナ!プラーナなのかい!?
ああ、お前のことは片時も忘れたことはないよ」
ルンが自らの行いで不運を招いたことを悔やみ、これ以上巻き込んではいけないと置いていっただけで、プラーナが嫌いだったわけではなかったらしい。
だからこそ、片時も忘れなかったのだろう。
「うちの娘を連れてきてくれてありがとう、空くん」
「それは良いんですけど……ここで生活するのは大変ではないですか?」
「僕のお母さんなら行動派だから、山菜取りとか大丈夫だと思うよ」
そういう問題か?
「確かに僕も地域ごとの格差は凄いと思うけどね
棄糸では量子コンピュータというのがあって、それをカントリーに持ち込んで僕のシッディで遠くから情報を伝えたりしてたしね
ああそうだ、僕からもお礼を言うよ、空
後は一人で帰れるから、もう大丈夫」
ああ、そういやプラーナが通信役って何でなんだろうと思ったら、コンピュータの量子を操作して直接情報を送ってたのか。
それはともかく、今回は隣の可能世界の記憶操作をする必要もないし、軽く会釈して帰る。
これでもう心残りもない、いよいよ、全てが終わり、再び異世界での学園生活が幕を開けるのだ。




