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ゲーデル数

「あり得ない……この私のシッディが……何故だ……!

……いや、……待て……」


 え?


「そうか……!ネーションの学園の生徒はプラーナによって全員割れているが、お前のことはまるで記憶になかった

しかし、現にこうして戦争を止めに来た

一体何者なのかと思ったが……入ったばかりの新入生か!」


 おいおい、もう割れてるのか!?

 まだ学園に入って一週間ちょっとしか経ってないんだが。


「確か、∞にするシッディ……だったか?」


 そこまでバレてるのかよ。

 プラーナさん、仕事早すぎですよ……。

 苦悶の表情の俺を見て、当たったと確信したガルバが余裕の表情を見せ始めた。


「私の友達は優秀だったようだ

結局、友達の有無でこの勝負も片がついてしまったな」


 そうか……俺がぼっちだから、負けるのか?

 ……いや、今までは正義感とか、暇潰しとか、ジャンヌ様への恩返しのつもりだったけど、こいつだけは違う。

 ぼっちを否定する態度がただ気に入らない。

 正義とか抜きで、俺はこいつに勝たなきゃならない!


「∞にする力で私を否定するには……、A┣B(AからBを推論出来る)をA┣A1┣A2┣……┣Bと∞回の推論に伸ばして破綻させると言ったところか……」


 多分当たってる。

 とりあえず死んでもいいように自分を1人増やし、こっそり学園外に配置する。


「ところで貴様は、ゲーデル数を知っているか?」


「ゲーデル数?」


 聞いたことがあるようなないような……。

 まさか何か打開策を思い付いたのか?


「ふ、まあ学園に入ったばかりの者が知るわけないか

行くぞ!」


 ヨーニは速度∞にしてはダメだと言ったが、思考時間を加速してはダメだとは言ってない。

 某加速世界じゃないけど、ここは考える時間を作らないと!


 見事に止まっている、ガルバも俺も。

 まずはゲーデル数……ゲーデル数……どこかで聞いたような……。

 そうか、あれは死ぬ前の……大学で先生が話したよもやま話……。


――――


「私はこの授業のこと詳しくないんで、数学で時間を潰しますけども」


 普段の先生が休みで代理に数学科の先生が来たけど、変な人だなぁ。


「普段何気なく"x^2+y^2=z^2"とか書くでしょ?

これ一つの数で表せるんだよね」


 ???

 一体この人は何を言ってるんだ?


「まず言わなきゃならないのが、数学科では1+2なんて中置記法は使わない

+(1,2)って書くんだけどさ

掛け算を*として、この書き方でさっきの式を書き直すと……」


 先生が=(+(*(x,x),*(y,y)),*(z,z))と書き、これがx^2+y^2=z^2だと説明した。

 いや、どんだけ面倒くさいことしてるんだよ。


「さて、ここで[=]=1,[(]=3,[)]=5,[+]=7,……みたいに記号に適当な数を割り振って、この式の記号が使われてる順に2^[=] * 3^[(] * 5^[+] * (以下略) = 2 * 27 * 78215 * (以下略)と素数を使って計算すると一つの自然数が求まるだろ?

記号一つ一つに自然数を当てはめて、記号の順に素数の指数を当てはめて計算すると一つの自然数が出るが、このルールの元では求まった一つの自然数からなんと元の式を逆算出来ることが分かっているんだ!

つまり式と一個の自然数を対応付けられるということになる

更にすごいのは普通の数式だけじゃなく論理式も自然数で表せるということで……と、ここまでにしておきますか」


 ……だからなんなんだよ!

 何の役に立つんだそれ。


―――――

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