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突撃!遠くの可能世界

 記憶はある。

 可能世界を転々として、段々違う世界になっていった記憶だ。

 しかし、主観的には何年経ったかも分からない、プラーナによって記憶を人工的に操作しているから人格をまともに保てているだけだ。

 五億年ボタンみたいなものだな。


 今、俺は三国の中央にある立派な学園に来ている。

 この可能世界では、元々の世界とは最早大きく違い、光秀がアーサーを裏切らなかった。

 アーサーにはミンコフスキー時空を操作する力があるので、寿命を引き伸ばしつつ今も生き長らえているらしい。

 無事、目的の可能世界に着いたというわけだ。

 そのアーサーは今も三国学園の学園長らしく、会いにやって来たのだが……。


「何で会わせてくれないんですか?」


「学園長をいきなり知らない方とお会いさせるわけには……」


 学園の受付の言うことはごもっともだ。

 そう易々と過去に戻らせてはくれないか。


 今の可能世界は元の世界から……確か、ダメだ、兆や京では足らないほど離れているから分からん。

 とりあえず元の世界からn番目の世界と呼ぶことにすると、n-1番目やn-2番目の世界についてはある程度知っているので、それらとあまり変わらないこの世界も大体は分かる。

 しかし、n-1までの世界ではアーサーが生きてるかどうか、プラーナについてしか気にしなかったので、分からないことも多いわけで、とりあえず学園の隣にある教会へ行ってみることにしよう。


 相変わらず、教会の風貌はあまり変わらない。


「ジャンヌ様!」


「声が小さい、もう少し大声で呼ばんか」


 教会の右奥から、ジャンヌ様が現れる。

 この辺りの可能世界の俺の立場でも、異世界転生してマヤと会い、シッディを得たと以前の可能世界で聞いたことがある。

 つまりこの世界では既にジャンヌ様と知り合いなのだが、それだけではない。


「空、よくここまで来たな」


 そう、神とやらを通じて、ジャンヌ様は既に事情を知っているのだ。


「長かったよ……あまり実感ないけど」


「アーサーに会いたいんじゃろ?

ワシが許可書を書いてやろう」


「ありがとう、ジャンヌ様」


 書き終わるまでその場を離れようとすると、ジャンヌ様が俺を呼び止めた。


「ちょっと待て空

ガルバのシッディを教えてやろう」


 そういえばシッディはジャンヌ様が与えるもの、ガルバのシッディも知ってて当然か。


「聞かせてほしい」


「ガルバのシッディは、一階述語論理においてNJを操作する力じゃ」


「NJ……?」


 DJの仲間か?

 聞き慣れない言葉だが、ガルバ自身ジャンヌ様からシッディを貰ったときにすぐ使えるようにはならなかったようだし、相応に難しい話なのかもしれない、と覚悟した俺にジャンヌ様が話す。

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