表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/134

新しい可能性

「お前は……!」


 ジャンヌ様には恩がある。

 結局主人公みたいにはなれなかったが、それでもこのシッディのお陰で前より自信が付いたし、これでもジャンヌ様に感謝しているのだ。

 勿論、そんなことを表現できるほど感情表現が上手かったら、ぼっちではない。


 だが、誘拐と聞いて黙っているわけには行かない。

 そんなわけで、シッディを使いジャンヌ様の元へ馳せ参じると、そこは教会だった。

 目の前には、お姫様だっこされたジャンヌ様と、それをしているプラーナがいた。


「よく気づいたね、僕がジャンヌを誘拐することに」


「ガルバの所まで行ったら、伝聞係がバラしてくれたよ」


「やれやれ、僕もとことんガルバから信頼されているらしい

でなければ君はガルバに殺されている」


「そんなことよりジャンヌ様を離してあげてくれ」


 ジャンヌ様は俺がプラーナのシッディを受けたときのように体が硬直しているみたいだ。

 動く気配もない。


「僕が君の言うことを聞く義理がどこにあるんだい?」


「お前はガルバを信頼してないみたいだな

ダーラはガルバを様付けで呼んでたが、お前は呼び捨てだし」


「あの女は人間的に好きじゃないんだ

頃合いを見て殺るつもりだったんだよ、光秀がアーサーを殺したようにね!」


「そんなことペラペラ話して良いのか?」


「あのときは状況が状況だったから身の上は話さなかったが、今は違う

君はここで死ぬんだからね!」


 そう言ってプラーナが右手をかざすと、体が固まる。

 奴のシッディだ、だが、俺のシッディで瞬間移動すれば防げる!


「背後は貰った!」


 いつもの通り気絶寸前のパンチを放つ。

 決まったらすぐさまプラーナの抱えているジャンヌ様を救出!

 が、


「痛っ!」


 光の壁が、俺のパンチを遮った。

 当然その反動が右手を襲う。


「僕が人の動きを止めることしか出来ないと思ったのかい?

あれは僕の能力の一部でしかない」


 くそっ、またこのパターンか。

 せめて相手が能力を自慢げに話してくれれば良いのに……。


 プラーナが教会の椅子にジャンヌ様を置くと、こちらを睨み付けて言った。


「そろそろ、本気を出させてもらうよ」


 来る……!

 相手のシッディは今のところ考えても分からない、ならば分かっている俺のシッディの使い方を考え直すしかない!

 今までは瞬間移動とパンチぐらいにしか使わなかったが、他にも使い方があるはずだ……。


 待てよ、俺は今までこの力を自分にしか使っていない。

 相手にも使えるのか?

 あらゆる物を∞に出来るのなら、使えるはず!


 気合いを入れて、プラーナを宇宙の端まで∞に近いところまで飛ばそうと念じると、見事にプラーナは教会から消えた。


「な、なんだ、意外とあっさりだったな……」


「瞬間移動は君の専売特許じゃないんだよ」


 声がしたと思ったら、再びプラーナが姿を表す。

 この方法もダメか……。

 このままじゃ殺される……ここは時間稼ぎだ。


「プラーナは何でガルバにすりよる?何が狙いなんだ?」


「またお喋りかい?

これ以上話す義理はないよ!」


 くっ、どんな対処法も上手くいかない!

 こうなったら、最後の手段だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ