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先手必勝

 大きな鐘の音が三回鳴り響く。

 三回は緊急召集の合図、俺たちは足早にコロシアムへと向かう。


 コロシアムへ着くと、既に生徒達がかなりの数集まっている。

 小さな子供たちも多くいるので、年少組も集合しているようだ。

 そう言えば、俺は年少組を学園で見掛けたことがあまりないから、どんな授業をやってるかも知らないな。

 もし戦争に駆り出されるなら可哀想だが、異世界だししょうがないのかもしれん。


 クラスごとに整列し、今学園内にいない者を除く全ての生徒が集まったことを確認すると、生徒たちの眼前に老人が現れた。

 要するに現世の学校での校長ポジなんだろう。

 ここで言えば学園長か。

 ぼっちはどうしても学内のことに疎くなるな。


「ついに来るべき時が来てしまいました

こうしている間にも攻められるかもしれません

手短に言います、皆さんはこの学園を防衛拠点としつつ敵を迎え打ってください

敵からすれば、学園を落とせばシッダを統率出来る機関が無くなり、勝利しやすいはずです

以上」


 現世ではあり得ないほど短い学園長の演説が終わり、クラスごとに先生の指示が入る。

 他のクラスは他の先生、そしてこのクラスはアナンダ先生だ。


 アナンダ先生はまずヴィジュニャーナに尋ね始める。


「相手の作戦は分かる?」


「分からないわよ……スパイだから尚更重要な作戦は伝えないし

しかもスパイのことがバレたし予定を大幅に前倒しするわ、多分」


「そっか……」


 少し考えると、アナンダ先生がクラスの皆に指示を出す。


「時は一刻を争うわ

一年から四年生はまだ戦闘に慣れていないし、学園内に待機して最後の砦になると思う

あなたたちは前線に出て、少しでも敵の学園への侵入を抑えてほしいの」


 学園内では怪我をしないからな。

 年下たちはその方が良いだろう。


「良い?くれぐれも単独で行動しないでね

敵はどんなシッディを持っているか分からないし、逆に敵は私たちのシッディを知っているかもしれない

仲間同士で固まればシッディを知られていても対処できる確率は高いわ」


 アナンダ先生の言うことは間違っていなかった。

 プラーナは俺よりも長い間ネーションの学園にいて、色々調査をしていたはず。

 何より俺のシッディも調べると言っていたし、あの謎のシッディで敵に連絡してるかもしれない。


 だが、俺はぼっちである。

 当然団体行動など取るわけがない。

 昔、学校の近くに不審者が現れたから複数で下校しましょうなんて言われた日があったが、一人で帰った俺だ。

 このチート能力があれば余裕だよ余裕!


 集団の後側に位置し、人目の付かないようにする。

 敵将のいる部屋と距離を∞に近づけるイメージでシッディを使うと、周りがいつものように溶け出した。

 最初に使ったときのように知らない場所でも都合良く行けるからな。

 猫型ロボットが出るあの漫画で言うと何でもかんでももしもボックスで済ませてるみたいな卑怯さを感じるが、まあ現実だししょうがないだろ。

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