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全ての元凶

「こ、ここはどこなのよ?」


「俺の部屋」


「は、はあ!?この変態!

何する気よ!」


「そりゃ勿論聞き込みだよ」


 紫女は俺にスパイのことがバレたことを今頃連絡しているのだろう。

 遅かれ早かれ確実に俺やこの学園は狙われる。

 せっかく転生してチート能力を手に入れたんだから、正義を貫いてみたいのが男の性だ。


「で、スパイをした理由は?」


「そ、そんなこと話さないんだからっ!」


 口を割らなそうなので、少し脅してみよう。


「ここは俺の部屋だ

叫んでも周りに人はいないぞ?」


「わ、分かったわよ!言うから許して!」


「よし、話せ」


「潜入したのは情報を流すため……

カントリーは12月にネーションと戦争するつもりだったのよ」


 戦争……!

 やっぱり攻め込むってのはそういう意味なのか……。


「まさかプラーナも潜入していたなんて……」


「あの紫女……プラーナって言うのか」


「特別な地位に就いてるから、向こうの人なら大体知ってるわ」


「あいつのこと知ってたんなら、何で俺をスパイだと間違えるんだよ」


「スパイをしてるとは聞いてたけど、スパイ先はここだけじゃないから、プラーナは別のところに行ってるものだと……」


「なるほど……で、何で戦争なんかするんだ?」


「理由なんかないわ……

強力なシッディがあれば、簡単に世界を支配できる

強力なシッディが溢れすぎててギリギリバランスが保たれていただけで、更に飛び抜けたものが出たらバランスは一気に崩れちゃう」


 つまり、強力なシッディを持つ奴がカントリーに現れたということか。


「カントリーの学園は上の命令が絶対、その中で歪んだ感情が生まれたあいつが、シッディを悪用し始めたのよ」


「あいつ?」


「……ガルバ

シッディの詳細は分からないけど、武蔵を越えると言われるほど強力なものらしいわ

元々はアチュートだったのに……」


「アチュートって?」


「カントリーでは能力でランクが分かれるのよ

上からブラーフマナ、クシャトリヤ、ヴァイシャ、スードラ、アチュート

アチュートはいわゆる被差別民ね」


 カントリーには明確にヒエラルキーがあるんだな。

 その中での鬱憤が積もりに積もったってところか。

 そういえば、武蔵について一度聞いたことあるが、ちゃんとは知らないな。

 この際聞いてみるか。


「ところで武蔵って誰だ?」


「知らないの?

あんた意外と常識知らずなのね」


 またそれかよ。

 デジャブに懐かしさを覚えながらも、ヴィジュニャーナの話に耳を傾ける。


 第一戦争を終結させるのに活躍した三国勇者、ジャンヌ様、アーサー、武蔵という人達がいた。

 その内のアーサーが、西暦10年に三国の中央に学園を設立したという。

 武蔵は隠居生活、ジャンヌ様は学園の側に作られた教会で人々にシッディを授け、アーサーは学園長となり、それぞれの生活を歩み始める。


 しかし35年後、上手くいくかのように思えた頃、副学園長であった光秀に裏切られ、アーサーが死亡。

 更に、学園の生徒を手懐けた光秀は学園を一つの国として認めてもらうために三国と戦争を起こす。

 これが第二戦争。


 第二戦争はかなり長引いたが、ついに止めたのが武蔵だった。

 武蔵のシッディは簡単に言えば、全てのシッディを無効化する力。

 剣術のみで学園に乗り込み、命を使い果たすも終戦を迎える。

 シッディによって戦争が引き起こされた事実と棄糸出身の武蔵に習い、棄糸はシッディを放棄したという。


 よく分からんが、まあ武蔵が全てのシッディを無効化する強力なシッディを持っていたことは分かった。

 それを越えるガルバのシッディとは、どれだけ強力なのだろうか……。

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