同じ穴の狢
三世を倒したときから感じていた違和感。
俺は強いが、強いからこんな事態を招いた訳じゃない。
もしも俺が強いだけでフレンドリーな人間だったとしたら、こんなことにはなっていなかっただろう。
そう、この世界は、人間と同じだけの知能を持つ神が作った不完全な世界で、俺もまた不完全だった。
だから、俺は強く、そして弱かった。
ガルバと戦ったときからの信念。
ガルバや他のシッディなら、この状態を丸っきりひっくり返すことが出来るだろう。
だが、俺はぼっちがいい。
友達と仲良くやってる俺に、俺が気づかないままなるなんて嫌だ。
そして、アストラルと戦ったときの理解。
この世界は神が孤独で、孤独な人間がいるのは当然という説をあいつは唱えていた。
実際ヨーニは孤独だった、友達を探していた。
しかし、俺は違う。俺は友達を作ることを諦めたんだ。
きっとこれからも俺は孤独で、周りから嫌われるのだろう。
だが、神の力でこれをねじ曲げようとは思わない。
逃げてもいい、でも、ねじ曲げることを許してしまったら、ぼっちを嫌う奴等と同じになってしまうから。
「ジャンヌ様、頼みました」
「明日ガルバの力で呼ぶ
それまでに気が変わったら、ワシのところまで来い……」
それだけ聞いて、俺は教会を後にした。