来し方行く末
教会へ瞬間移動すると、ジャンヌ様が血相を変えて寄ってきた。
「空!気にすることはないぞ!」
「ジャンヌ様も知ってたか……」
「お主は悪くない!人の噂も75日じゃ!」
でも、もう遅い。
人は利害関係で出来ている。
頼り頼られ、恩を返してそれで終わりだ。
それ以上の慈愛などない。
だから……、ここから逃げても良いんだ。
「そうですか、あなたに頼みがあります」
「ど、どうした?急に敬語なんて使いおって
確かに前々から頼んでいたが……」
「私とガルバとジャンヌ様、そして大勢の観衆を集めて、ガルバが私のシッディを消し、別の宇宙に飛ばしたところを見てもらいましょう」
「やめろ、空……」
「ジャンヌ様は信頼されていますし、ガルバは私の敵でした
きっと皆納得するでしょう」
「ワシらは気にしてないんじゃ!だから……
そうじゃ!ガルバがシッディを消したフリをして後でこっそり帰るとか、いっそ無かったことにするとか、やりようはあるじゃろ!」
「それは問題の先送りというんです
ジャンヌ様、お願いします」
土下座してお願いする。
「……これからこの教会やワシの行く末をどうしようか、プラーナと話し合って決めたんじゃ
誰よりもまず、お主に見てもらいたかった……
じゃが、お主が頭を下げてまでお願いするのなら、聞かんわけにはいかん……
ワシはお主がいなければ、そんなことすら叶わず死んでいるのじゃから……」