119/134
無限に訪れない約束
「……いや、やっぱり俺もかえ」
帰ろうとすると体が動かなくなる。
ガルバの強力なシッディをこんなことに使うとは……。
「待たねマヤちゃん!」「頑張れ師匠!」
そう言い残して二人は帰っていった。
何話していいか分からん。
と思っていたらマヤが口を開く。
「私は空さんの気持ちを尊重します
だから、いつか、空さんが友達を作る気になったら……私が一番の友達になります!
それまで待ちますから!」
「そうだな、いつか気が変わったら……な」
「私は遠くに行けるようなシッディじゃないですけど……
それでも必ず、また会いに行きますから!」
……悪いけど、向こうに行ったらもう会うことはないだろう。
俺は友達は作らない。
作ったら、不幸になるのは……。
「そろそろ行くよ」
「……分かりました、また会いましょう!」
最大級の笑顔を見せるマヤ。
これがマヤとの最後の会話だった。