綴る!
俺が感じた、シッディが無効化されたときの違和感。
あれはメタじゃない。だとしたら……
思い……出した!
あれは俺がアストラルを助けようとしたときの、可能世界を越える感覚!
ということは、三世のシッディは可能世界を渡る力?
確かに三世は、俺のシッディは越えているが勝てないみたいなことを言っていた。
それが"俺のシッディは宇宙の外に行けるが、同時に可能世界に縛られてもいるから三世のシッディには勝てない"という意味だとしたら辻褄は合う。
ガルバや俺のシッディが使えないような可能世界に移る力!それが三世のシッディ!
「そろそろ契約書にサインしてもらわないと困るよ
次のスケジュールが押しているんだ」
「分かりましたよ三世さん
あなたは可能世界を移るシッディを持っています」
「クックックッ……面白いですね
これは余計なことを口走れない」
何だこの態度……。
当たらずも遠からずとでもいうのか?
待てよ、俺の言った通りだったらそもそも俺に直接交渉せず交渉が上手く行く可能世界に移ればいい。
ということは違う……!?
可能世界はあらゆる可能性がある世界。
俺が交渉に乗る世界もあるはず。
しかし、俺がそんなことをするのか?
「さて、そろそろあの子を殺しましょうか……」
「な……待ってください!わかりました!サインします!」
ペンを受け取り、契約書の中身を読んでるフリをしつつ考える。