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強い人間原理

「突然ですが、衝撃の話をしましょう

彼は、この世界の神を倒しました

そう、神をです!」


 何故知って……。

 まさか、あの時聞き耳を立てていたのはこいつの部下!


「我々はついにこの世界を真に治めることが出来るのです

シッディを渡すなどの身勝手してきた神を打ち斃し、我々が神となって、国民主権の世の中にする!

第二戦争の時、我々はシッディによって争いを起こし、多数の人が亡くなってしまった

シッディを否定した武蔵に倣い、我々は神を否定するのです!」


 こいつの目的は、神を……ヨーニを殺すこと!

 俺のせいで、こいつは神を否定すると言っているんだ……。

 ヨーニは俺が責任を持てと言ってたし、こいつを止めなければ、ヨーニの機嫌を損ねてジャンヌ様の寿命が縮むかもしれない……!


「彼は神を倒しましたが、殺してはいません

我々は反シッディ主義ですが、神を殺す手段を持ち合わせてはいない

彼のみ、彼のみ認め、神を殺してもらうのです!

皆さま、その為に我々は手を取り合いましょう

神を殺したら、我々が世界のルールとなるのですから……」


 そこで撮影は終わった。


「……第二戦争は人間のせいで起きた

神は悪くないんじゃないですか?」


 そう、神は機会を与えただけ。

 それでどうして神を責められようか?


「私にとって神の善悪など関係ないのですよ

私は神……いや、原理となるのですから」


「原理……?」


「人間原理というものを知っていますか?

この宇宙の物理法則はあまりにも人間に適し過ぎています

それに対する答えを"人間が存在し得ない宇宙はない"と考えるのが強い人間原理なんです

勿論この世界は神によって作られたインテリジェントデザインな宇宙で、人間原理は正しくありません

しかし、神を殺し、君を国民の希望にする

その裏で私は君を従え、国を統治する……

そう、私こそが世界の原理となるのです……

私無しではいられない世の中に……」


 滅茶苦茶だ……。

 こいつは他者から、全ての存在から認められたいがために最大の立場に就こうとしているだけだ。


「あなたは俺のシッディを無効化した

あなたもシッダなのに何が"俺だけは認める"ですか」


「大衆を欺くのはそう難しくありません

私に楯突くのは構わないですが、君はあの子が捉えられているのを忘れているようですね」


 勿論忘れていない。

 戸卒のお陰でマヤの安全は保証されている。

 三世のこの発言からそれに気づいていないのも分かる。

 とどのつまり後はこいつのシッディを見抜くだけだ。

 しかし、俺のシッディは使えないから脳の思考時間を加速することはできないし、ゆっくり考えている暇はない!

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