はじめての社会経験
「ここは……放送室……?」
「……君には希望になってもらうんですよ
国民皆のね」
「希望……?」
「さて、始めましょうか」
ブルルル
丁度ポケットの中のスマホが震える。
この振動の仕方は戸卒と話がついたという合図!
三世の背中に瞬間移動し、強化したパンチを一撃。
このビル内は怪我しないようになっているが、宇宙まで吹っ飛ばしてしまえばそれも関係ない。
が、パンチの威力は明らかに弱い!
三世はちょっとよろめいただけで殆ど効いてはいなかった。
「!?」
「クックックッ……苦労しますね」
ガルバのシッディを無効化したシッディ。
そのせいだということはすぐに分かった。
しかし、攻撃の正体は掴めない。
……いや、俺はこの感覚を知っている……?
「君は私の希望なのですよ、空君
君は私を越えていますが私には勝てません
大人しく従いなさい、ちょうど全国放送の準備も出来たようですから」
一体何を考えている?
「棄糸の皆さま、ごきげんよう
重大発表をするときが来たようです」
カメラに向かって挨拶をする三世。
何も出来ない……!
俺の力が通用しない奴がいるなんて……。
「新入社員を紹介しましょう、空君です」
三世が手招きで俺を呼ぶ。
情報も足りない……ここは大人しく従うか……。