学園最強の男
翌日、表彰式の日。
係員に呼び出され、そのままコロシアムまで着いていく。
コロシアムは決勝戦ほどの盛り上がりがないものの、それなりに大勢の観客がおり、より一層緊張させた。
規定の位置に立ち、式が始まった。
「皆さん、トーナメントお疲れ様でした
勝者の味を知った者、辛酸を舐めた者、それぞれいるとは思いますが、各々これを期に改善点を直すなど精進してください」
学園長の挨拶が済み、学園長自らこちらへ寄ってきて、俺に賞状を手渡した。
そこには、紛れもなく優勝の証が刻まれていた。
ジャンヌ様のことばかり考えてたから失念してたが、俺って学内最強になったのか……。
この世界に来る前はナンバーワンもオンリーワンも無かったのになぁ。
何だか不思議な気分だ。
その後学園長がアストラルに準優勝の賞状を手渡し、拍手の中表彰式は終わった。
帰ろうとすると、アストラルが呼び止めてきた。
「空……次は負けない」
こんなこと、現実で言われるなんてな。
「ああ、俺もな」
アストラルはまだまだ強くなる。
もしまた次戦うことになるんなら、俺ももっと強くならないとな。
表彰式が思った以上に早く終わったが、町中を歩くと知らない奴に声をかけられたり、色々面倒だったのですぐ帰宅し、これからのことを考えつつ寮で休むことにした。
明日、マヤに話したら何て言うんだろうか。