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プロローグ

 皆さんはぼっちという言葉を聞いたことがあるだろうか?

 聞いたことのない人に説明すると、ぼっちとは、主に学校で友達が出来なかった人間の総称である。


 友達が出来ないなんてあり得ない?

 いやいや、何を隠そうこの俺、海濶空(かいかつそら)こそがぼっちなのだ。

 小学生の頃までは話し相手がいたのだが、中学で私立に進み知り合いと離れてから、ニートである現在まで一切友達が出来なかったのである。


 人は何故ぼっちになるのだろうか?

 進化論によると生物の多様性は、子孫を残す為に、あらゆる環境に適応出来る可能性を生み出してるらしい。

 つまり、友達が出来ないという性質も、環境に耐えうる可能性の一つなのかもしれない。


 実際俺は、友達がいなかったから勉強には集中出来て、それなりに良い大学に入れたので、メリットはあった。

 しかし、大学では友達がいないと試験の過去問が手に入らなかったり色々不利となるシステムで、成績は悪くなっていった。

 一留した後に卒業出来たが、留年のブランクとコミュ力の無さで就職は出来ず、ニートになってしまった。

 そもそも、コミュニケーションが下手で未だに童貞の俺に子孫を残すことは出来ないんじゃないか?

 コミュニケーションも勉強も出来ないニートの俺は、結局、ダーウィンから見ても存在価値がないらしい。

 改めて思う。どうして俺はぼっちになったのだろうか?


 俺をぼっちにしたこの世界を恨みながらインターネットを楽しんでいたある日、驚くべきニュースを見つけた。

 地球の近辺で巨大なブラックホールが発生するというのである。

 何となくブラックホールで調べてみると、星の構成物質がシュヴァルツシルト半径の中に落ちたとき発生するなどと書かれているが、なるほど、分からん。

 ただひとつ言えることは、ブラックホールは光すら逃れられない強力な重力で地球をも吸って、崩壊させるということである。

 我々人類は、地球と共にその生涯を終えることとなったのだ。

 ざまあみろ!俺をバカにしてきた世の中が全て崩壊するんだ!

 これで俺も報われたってものだ!

 そうだ。もし、とある小説サイトでよくあるように異世界に転生でもしたら、そこでは――――


 俺の体は、粒子単位にまでバラバラとなり、ブラックホールの真ん中へと落ちていった。

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