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魔王の装備一式を洗いたい  作者: 篝火ノキア
6/12

自己紹介からの背景説明なるか?

「そろそろ自己紹介をかねて事情を聞きたいのだけれど。」


先日の祭りで大活躍だったあかりは自己紹介の重要性に気付く。のんびりとしていては名前が変わってしまうという危機に陥ってしまったからだ。しかもあかりは控えめに言ったとしても頭が良いというほうではない。それが賢いと褒めちぎられては居心地が悪い、悪すぎる。


3回目の大広間。まさしく三度目の正直というやつだ。王はにこやかに口を開く。


「おう、そうじゃったそうじゃった。すまぬな勇者かしこよ、儂の名はグロウ・セプテムス・ソイヤ・ウィ・フォン・グラントバック14世じゃ!気軽にアルフレッドと呼ぶが良いぞ。」


え?どこからツッコミ入れたらいいの?長いしアルフレッド要素どこにあった?あかりは困惑しながら次はメモしようとノートを取りだし再び質問する。


「申し訳ないですアルフレッドさん、もう一度名前をフルネームで言ってもらえないでしょうか?」


王は口を開く。


「え?無理じゃ。」


え?


「半分以上ノリで名前答えたから覚えてないのじゃ!」


ドドーン!


王はどや顔臣下一同爆笑の渦。いいのか?それでいいのか王さま?


えっと、それでは王役の人はアルフレッドと。


「ではアルおじいちゃん、よろしくね。」


ぐっほぅ!王は勇者かしこの不意討ちの会心の一撃に悶えた。さりげなくファーストネームで呼びさらにはおじいちゃん?ダブルで距離を縮めた?さすがかしこ、策士よのう。


「その妻、エリザベスよ。」


女王は短く自己紹介を終わらせる。すかさずあかりが


「自己紹介みじかっ!」


ドドーン!


王と同じように臣下一同爆笑。それでいいんだろうね、満足そうな女王さま。


「その娘、グロウ・セプテムス・ファブリット・フォン・かしこ・エリー・グラントバックです。エリーって呼んでね!」



すかさずあかりがツッコミを入れる。


「名前の中にかしこ入ってるし!」


ドドーン!


臣下一同爆笑。あかりとエリーは両手を合わせながらキャーキャー言って楽しそうだ。


最後に残った王子が締め括る。


「ウィリアムズ・フォン・グラントバックだ。」


ドド………え?


一同シーンとなる。最後と言えばトリである。それがそれなのにそれなはずが普通に名前を言って終わった。


お、終わりなのか?全員お互いの顔を見合せキョロキョロとしている。見かねて王が助け船を出す。


「からのー?」


レアだ。王の口からの「からのー?」これはもう初の試み歴史的な第一歩といえよう。勇気ある行動だ。それなのに王子は親の心知らずだ。


「いや、正確に名前を告げただけなのだが?」



臣下一同溜息。いやこれは仕方ない。王子は悪くない。自己紹介をちゃんとしただけである。うん、王子は悪くない。


「なぜ悪くないと2回言うのだ?なぜだ?」





結局名前だけで終了だ。

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