表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の装備一式を洗いたい  作者: 篝火ノキア
4/12

やり直し

「おはようみんな!」


あかりは元気よくメイド達に朝の挨拶をして回った。メイド達も笑顔で挨拶を返す。掃除洗濯の師匠のあかりに。あかりは城っぽい建物の中を見回る。毎日する掃除、月に三度する掃除の方法等を指示して回る。そう、掃除は1日にしてならず。



洗濯の方法も根本的に間違えていた。干すか水に浸ける。以上。それだけなのである。それで着れなくなったら捨てるのである。勿体無い。


どうやらこの街はずっと病が流行り、蔓延していた。それを呪いだと訳の解らない言葉で片付けられてたみたいだ。


簡単だ。汚いから病気になってただけで病気になっても不衛生に過ごすから治らない。解決である。



さてさてそろそろ落ち着いたので帰りたいのだけれども。会社にも無断欠勤だし家にも連絡しなきゃだし。私のスマホずっと圏外で使えないし。あれ?よくよく考えたら私は車にはねられたんじゃなかった?そしてここはどこ?なぜ私は城っぽい建物を掃除して西洋系男子金髪美女達をお風呂に入れてたのかな?なんだろう、今私ひょっとして非常事態なのかな?誰か説明してくれないかな?あとなぜみんなは私のことを勇者様と呼ぶのだろう。



今更ながら不思議に思えてきた。すると鎧を着た兵士が迎えに来た。


「王と王子が勇者様をお呼びです。大広間までお越しくださいませ。」



やけにのんびりしたドッキリ?だこと。ようやく話が進行するのかな?まぁいいや、適当に済ませて帰りたいし。


んー、ギャラとか出るのかなぁ?


あかりは大広間に着くと最初に来たときと同じような配置で迎えられる。違うのは清潔感溢れる服に鎧。王を始め兵士に至るまですっきり爽やか。王女と姫は石鹸の香りが漂う素敵な女性に。そしてみんな何より笑顔!好意的な笑顔にあかりは嬉しくなる。うん、やっぱり綺麗だとみんな気持ちが良いよね!


あかりは手を振る。王や王女、姫はそれに応える。ただし王子だけは不機嫌顔だ。あ、忘れてた。王子役の彼は掃除やる気を出さなかったから折檻しなくちゃ。


すると王子はなにやら悪寒がしたのか震えだした。それに気付かず王が口を開く。


「勇者よ、先日は世話になった。入浴、洗濯、掃除と今まで体験したことのないことばかりで非常に感銘した。これらを早速取り入れることにした。この調子でこの国を魔王の手から救ってほしい!」


うん、魔王からこの国をね。さっぱり意味がわからないわ。


いまだに名前は主人公しか判明していないという。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ