聖女誕生
ちょっと口の悪い女の子が主役です!よろしくお願いします(´∀`*)
「やらねええ〜〜〜〜!!!!もうなんもしねえええええ〜〜〜〜!!!!!!」
「なっ!!!?」
大聖堂の祈りの間、少女は叫び王子は戸惑った。
さて何があったのか??
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孤児の少女がいた。
少女は膨大な魔力を持ち、聖堂へと引き立てられた。
国を守る結界をはるには大きな魔力が必要となる。いままで聖堂の魔術師全員でどうにかこなした仕事は少女ひとりのものとなった。
その能力を逃さぬため第三王子の婚約者に定められる。
王子は不服であり少女を虐げ、孤児という身分から他の魔術師も彼女を虐げた。
あらゆる仕事を押し付けその成果を簒奪した。不眠不休であたえられるものは粗食というも烏滸がましいうすいスープと擦れ切れた衣服のみ。
困窮しつつも罵詈雑言の中自分が不出来だからと認知の歪んだ少女は努力を重ね、押し付けられた仕事をどうにかこなすための術式、あるいは魔道具を製造。
それらは全て王子と、王子の恋人である令嬢の手柄とされ、また彼らの散財は思い上がった孤児の暴虐であると撒かれて国民すらも少女を憎んだ。
ついに少女を王子の婚約者と定めた王宮も少女を見放し、さて下地は整ったと王子は少女に婚約破棄を告げ、国外追放とした。
その頃には改良版結界含めたあらゆるインフラが彼女なしにはどうにもならなくなっていた。
あほである。
しかし少女もまたあほなのだった。
追放された少女は森を彷徨いなんのかんので隣国の王子に出会い保護されちやほやされた。
しかし少女を失い困窮極めた母国の元婚約者がやってきて、どうか助けてくれ悪かったと助けを求める。何を今更であったが、国民が困っている、彼らに罪はない、孤児院の仲間も困っていると訴えられ、絆された少女は、民衆のためにと、母国へ戻ることにする。
少女を見送った隣国の王子は、彼女は優しすぎる…!と歯噛みしたが、通りすがりのドMマスターに「さだめじゃよ…ドアマットでいたいのじゃ…踏みつけられ虐げられるのが趣味のものもおるのじゃよ…黙って見送るのが彼女のため…それが多様性じゃ…」と言われ、そんなもんかなと納得した。
さて戻った少女である。
元婚約者は、少女を連れ戻す際待遇を改善すると約束したが、当然の如くそれは反故にされた。
なんならより悪くなった。
身分の低い孤児ごときが逆らいやがってとより虐げられることとなったのである。「罪のない国民」を盾にすれば言いなりにできると学んだからだ。
粗衣粗食のみであれば少女は耐えたかもしれない。慣れているから。
しかし王子や恋人、魔術師たちはうじゃうじゃと少女の仕事を邪魔し、蔑み、暴力を振るい、貶めた。
かつての少女なら耐えたかもしれない。自分が不出来で、わるいのだと刷り込まれていたから。
しかし追放後のちやほやで、彼女は正しいものの見方をいくらか学んでいた。今の環境に疑問を持った。
そして
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「やらねええええええ〜〜〜〜〜〜!!!!!
もうやんねえええええ〜〜〜〜〜!!!!!
結界もなんもかんもしったことかよなんもしねええええ〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
今日も今日とて王子に足蹴にされていた少女はきれた。
「なっ……!!罪のない国民がどうなってもいいのか!!貴様に責任感はないのか!!薄汚い孤児ごときに国の為に働く栄誉を与えてやっているのだぞ!」
「 栄誉もくそもあるか!!!こっちが死にかけてんだよ!!!!責任!!?しるかよ!!!あんのはお前らだろ!!!
罪のない国民だまくらかして腐った食い物投げつけさせてんのはお前らだろ!!もーーーーいい!!もーーーーいいっすわーーーー!!!!」
「ひっ人の命をなんだと…!!!孤児院の連中も皆死ぬのだぞ!!」
「いーーーーよ!!!もーーいい!
みんなで死の!!あたし一人がこんな苦労してなんでお前らへらへらさせなきゃなんないの。もーーーーみんなで死にましょーーーーーはい!結界!!ときましたーーーーーー!!!!」
「なあっ!!!」
集まってきていた魔術師がなんとかしようとするがなんとかならない。
「い、言うことをきけーー!!」
王子は焦り少女を殴りつけた。
少女は鼻血を出しながら笑った。
「そんでー?そんで殴って拷問して殺してどうなんのー?みんな死にま〜〜〜す!!!
子供一人殴り殺せても魔獣はどうかなあ〜〜〜!!!うけるーーーーー!!!!」
「ぎ、ぎいっ…!!」
「いや正当な報酬よこせっつってんのの何が無理なの。あほかよ。
孤児ごときがつーけど仮に道具としてもよ、かえのきかない道具手入れも無しに使い潰して全部ぱあってアホのやることでしょ。まともに扱えつってんの。
お前ら私の働きのおこぼれで生きてんだよ?自覚して?」
「くっくそお…!!」
そこへ伝令が走ってきた。
「殿下!!王都上空に魔獣が!!このままでは…!」
ガシャーーン!!
聖堂の屋根を巨大な鳥が突き崩した。大窓からその目がギョロリと覗く。
「ひ、ひいー」
「あはははははは!!ほらほら!
どうしてほしい!?言いなよほら!!誰の力でどうしてほしい!!?」
「助けてくださ〜〜〜〜い!!!
あなた様のお力で!!!!!!」
「よっと」
しゅばーーーーー
大きな光が一面を覆い、今にも襲い掛かろうとしていた魔獣たちは消え失せた。
「お分かりいただけた?」
震える王子たちに少女はこてんと問いかけた。
さてそれから、少女の要求はそれなりのものとなった。
名誉の回復、直接加害したものたちへの顔面へのアホの刺青、彼女の働きによる収益の半分をよこせというものである。
「到底のめるものではない!!大体以前は魔術師だけでどうなかなっていたろう!殺してしまえ!!」
王宮は紛糾した。
「それが以前の結界にくらべ彼女による結界ですと効果範囲と強度これこれこうで被害が少なくまたあれ任せにしている間にあらゆる技術が落ちましてついでに豊穣魔法が農地全域にかけられこれの収益がこれこれこうであれがいないとこれこれこう」
「なにそれもう罠じゃない!!?」
「しかし当面のまざるをえないかと」
そしてそのようになった。
偉大なる少女は基本的に騙されやすい腐れ国民を好きではないが、大量死されるのもだるいので正当な報酬のもと力を尽くすとのべ、その弁は国中に撒かれた。国民は反省したり、いうて俺らのせいじゃなくねと思ったりしたが生活が安定するならまあなんかいっかした。
収まらないのは王侯貴族だ。
王子たちが孤児如き〜とか散々言っていた通りこの国では身分のないものを大いに蔑んでいた。
そんな彼らは、一介の孤児に生殺与奪を握られることにぷんすかだった。到底耐えられるものではなかった。
どうにもならないと理屈ではわかっているが感情が追いつかない。
その憤懣は蓄積し、少女を御さない王家へと向かった。反乱の兆しであった。
ちなみに再び王家との婚姻により力を取り込むという案は、少女のてめえら全員ちんこ切るぞによりなくなった。
「聖女……ですわ!!」
「はあ?」
王子の恋人が発案した。
「人間の孤児と思えばこそ不満が出るのです。
大いなる力を得た聖女、人の身にあらぬ神の化身としてしまえば、下についたとて恥ではない。
幸にして神が獣に身をやつして下界にあらわれたというお伽話があるでしょう。王侯貴族にその力が現れなかったとして神の御心はそうしてしれぬもの。
人の外にあるものとすれば、供物を捧げておかしくない。
そうしてしまえばいいのです」
「なるほど!!」
そしてそうなった。
聖女の誕生である。
少女は聖女となった。仕事自体は嫌ではないので、大いに力をふるい、感謝され、楽しく暮らした。
王侯貴族も納得し、神ならしゃーないと感謝した。
顔面にアホと刻まれた王子の恋人はアイデアマンとして褒められ、顔面にアホと刻まれた元王子(廃嫡)と結婚した。
そしてみんな幸せになったのだった。
ーーー大いなる力を得た平民を聖女と祭り上げるシステムのできたその国は、代を重ねるにつれやがて増長した聖女による混乱や、あるいは追放、悪役令嬢祭りなどすったもんだがあったが、上がったり下がったりしつつなんのかんので騒がしくも続いていき、神に愛された国と呼ばれた。
ちなみにドMマスターは通りすがりの転生者に「学習性無気力ってのがあってえ〜」と説教され、おおいに反省したという。
♡おしまい♡
隣国は一人に全部任せててんやわんやになる様子を見続けた為、ああはなるまいとあれこれやって平和です(´∀`*)ありがとうございました!




