第九話・〖橘 雪と天瀬 水夏〗
世道 見理中学入学時
とある放課後。
(おっ!また全国模試一位か‥‥‥‥やったっ!まぁ、兄さんならもっと凄いんだろうけど‥‥‥‥)
(こんにちわ、〖沙原の神童〗世道 見理君‥‥‥ちょっと良いかしら?)
(こんにちわ~!正道君~!初めまして~!)
((沙原の震動?地震でもあったのかな?)‥‥‥‥えーっと君は確か、隣のクラスの橘 雪さんだっけ?)
(それと天瀬 水夏だよ~!ヨロシクね~ )
(天瀬 って‥‥‥‥昔、全国区の陸上大陸で何度も入賞している、天瀬 水夏選手ですか?‥‥‥‥何でこんな田舎街にそんな有名選手が?)
(君に会いにかな。正道 見理君‥‥‥陸上界に突然現れて、数多の小学選手の日本最高記録を更新して、数ヶ月後に突然引退した正道 見理選手にね)
(突然引退した?‥‥‥‥いや、あの時は陸上部の助っ人として頼まれて仕方なく出ただけなんだけど、それでたまたま良い記録が出ただけで‥‥‥何で)
(いやいや、そんな謙遜しなくて良いんだよ。うちはね、そんな君が何でいきなり陸上界からいなくなったのか聞きたくてここに来たんだよ。君に会いにね)
(話が長いわ。水夏‥‥‥それに私の方が先に声をかけたんだから、抜け駆けしないで)
(あっ!ごめんよ。雪ちゃん。伝説の正道 見理選手に会えて嬉しくなっちゃってね)
(抜け駆け?‥‥‥‥(それに伝説って‥‥‥あれはたまたま暇だったから参加しただけなんだけどな)‥‥‥‥)
(‥‥‥‥全国模試の常連‥‥‥‥正道君。やっと会えたわね!!さぁ、次の定期テストでこの橘 雪と正々堂々と勝負しなさいっ!)
(はい?勝負?)
(あっ!また、何、ナンパされてるの?見理君!!天誅!!!!)
橘さんと水夏とはその後、なんやかんや色々あったけど、今では親友とも呼べる仲になったんだよね。
そのエピソードはまたの機会に話そうかな‥‥‥‥。
沙原街・カラオケ店〖ゴットブロー〗
〖カラオケボックス〗
「正道君、貴方の歌う番よ。どうぞ」
「うん、ありがとう。橘さん‥‥‥相変わらず綺麗な歌声だね」
「な、何よっ?ほ、褒めて油断させる気?その手には乗らないわよ。そうやって中学校時代からずっと私を惑わすんだから、全くもうっ!」
「ニャハハハ!!相変わらずの勘違い地雷系ツンデレ娘だね。雪ちゃんは」
「誰が地雷系よっ!水夏。アナタだって、私の事言えないでしょう。だってアナタって‥‥‥ムグ?!」
「ニャハハハ、人の秘密をマイク越しに言うもんじゃないよ。雪ちゃ~ん!!本当に君は昔から口が軽いねぇ?この口かな?この口が喋ろうとしているのかな?」
「ふぁいすむるの?(何するの?)はなふひひなふぃっ!フイカァ!(話しなさい!水夏!)」
「相変わらず。二人は仲良しさんだね。もう付き合ってたりするの?」
「はぁ?誰がこんな変態趣味のお‥‥‥ングゥ?!」
「だよね?付き合ってる分けないよね?雪ちゃん。全くっ!見理も何を言ってるのかな?困ったおバカさんだね。ケンリは、ニャハハハ!!」
バシバシ!!!
「痛っ!痛いって水夏っ!何で僕の方をそんなに強く叩くんだよっ!」
「本当。何でだろうね?全く、ねえ、雪ちゃん。全くこっちがこんなに応援してるのに何の進展もないなんてねぇ。びっくりだよねぇ~!」
「フガナイワハ!ほんたこほ!ひひからはなへなはい!(知らないわよ!そんなのっ!いいから離しなさいっ!)」
「痛たた、本当に二人は仲が良いね。流石が幼馴染み」
◇◇◇◇◇
〖隣のカラオケボックス〗
「ロリロリ神●臨~!!」
「サーちゃん‥‥‥何と言う選曲チョイスなの‥‥‥それに隣の部屋から楽しそうな話し声が聴こえてくるね。マリちゃん」
「次は何を歌いましょうか?‥‥‥リーエはどうしますか?」
「「うーん‥‥‥そうだね。じゃあ、一緒にデュエットでも‥‥てっ!そうじゃなくてっ!隣の見理君達の所に早く乗り込もうよっ!何で普通にカラオケを楽しんでいるのかな?私達っ!」
「あー、あー、あー、いや、大丈夫だべ。ユキ一人ならあれだったけど。天瀬も入るなら何も起きないべ」
「そうですよ。私もカラオケの話を聞いた時は取り乱しましたが。男性である天瀬君が一緒なら何も起きませんよ。リーエ、さぁ、私達は私達でカラオケを楽しみましょう」
「(くっ!この二人は知らないんだね。アマちゃんの秘密を‥‥‥クウゥ!!このままじゃマズイは早く見理君が入る部屋に突入しなくちゃあ!!!!)」
 




