第四十二話 〖ドン引きと羞恥心〗
擽り拷問を徹夜で行って、早朝、水夏を送り出した後、僕は少し仮眠を取った。因みに僕と水夏が住んでいる家は案外近く。
何でもマンションの仮賃貸で上から僕の家の、僕の部屋が見える角度なんだとか‥‥いや、それって変な話だとは思うけど。水夏が可愛い女の子だったから別にもう良いや。
可愛い子は何をしても許されると利絵ちゃんは昔から言っていたから、何の問題も無いんだと思う。うん‥‥多分。
それにしても二日前は有栖川さんと美術館に行って、夜は高級フレンチレストランで食事、昨日は男友達達(一人は美少女だった)と映画を見に行き。
その後は徹夜で水夏を擽りの拷問にかけた。
「水夏のあの顔‥‥何か凄かった羞恥心と擽りで、恍惚の表情を浮かべていた‥‥あれ? 何か僕、変な扉に目覚めつつある?」
そんな独り言を言っていると、とある事を思い出した。昨晩、利絵ちゃんが僕の部屋に来た時のセリフ。
《私が前に隠し録音した見理君目覚ましボイス時計でも勝手になったのかな~?》
あのセリフが僕の脳裏に思い出される。
「‥‥利絵ちゃんは登校ギリギリまで寝るタイプ。今はまだ寝ている筈だから。僕の声が録音された目覚まし時計のデータを消去しに行くチャンスかな」
カチャカチャ‥‥ピッピッピッピッ!!!‥‥ガコンッ!
僕は自室の窓に何重にもかけてあった対、利絵ちゃん用の鍵やセキュリティロックや指紋認証等を解除していく。
因みにこの全てのロックを軽々と越えてくるのが僕の幼馴染みだ。なんていう盗賊スキルの持ち主だと毎日感心させられる。
カチャ‥‥カラカラ‥‥
窓のロックを解除して、利絵ちゃんの部屋に通じる部屋の窓の鍵をピッキングで開けて入る事ができた。
何でそんな事ができるのかい?禁則事項です。
「えっと利絵ちゃんはと‥‥」
僕はベットで寝ている利絵ちゃんの状態を確認する。
「えへへ‥‥見理君‥‥もう食べられないよ~」
うん! 寝ているね。では早速目覚まし時計のデータを消去し‥‥て? あれ? 無い? 利絵ちゃんが寝ているベットの近くの棚に目覚まし時計が無い?
「別の場所に置いてあるのかな?だとしたら勉強机かな?」
利絵ちゃんは結構な綺麗好きで読書家でもある為、部屋には大量の本棚と本があり、女の子らしくヌイグルミや小物が飾られている。
「‥‥何でこのヌイグルミ。僕に少し似てるんだい?」
いやいや、そんな事よりも今は僕の目覚ましボイスが入った目覚まし時計のデータを消去しなくてはいけないんだった。僕は急いで利絵ちゃんがいつも使っている勉強机に向かった。
「一段目からいこうかな‥‥」
カラカラ‥‥《見理君の観察日記》
‥‥いきなりとんでもないない物が現れた。興味が湧いたので、少し中身を見てみる事にした。
《見理君が私を見ていました。キャア!》
《見理が私に優しくしてくれました。キャア!》
《見理が‥‥》
《見理が‥‥》
《見理が‥‥》
‥‥何かいつも利絵ちゃんがいつも僕に言っている事がそのまま書いてあった。そして、つい最近のページには‥‥
《見理君。いつもありがとう!感謝しています》
そう書かれていた。
「いやいや、いつも楽しく生活できてるのは君のお陰だって」
僕はそう言いながら。見理君観察日記を一段目へと戻した。
続いて二段目。
カラカラ‥‥写真があった。大量の僕が写った写真が。
「うーん?これはスルーで良いや。触れたら怖そうだしね。次々‥‥」
三段目の机の扉を開く。
カラカラ‥‥綺麗にラッピング保存されたパンツがあった。そして、白いYシャツが‥‥中学校時代の学校指定の白いYシャツにボクサーパンツ‥‥が大量に‥‥
ていうか、これ、無くしたと思っていた僕のパンツと白いYシャツじゃないか?何で利絵ちゃんの部屋の勉強机に入っているんだろう?
「‥‥とうとう見つけたちゃったね。見理君‥‥ていか!何で私の部屋に朝から居るのかな?君は?」
利絵ちゃんが目覚めてしまった。
「いやいや、そんな事よりも、何んで昔、無くしたと思っていたパンツとYシャツがここにあるんだい? 利絵ちゃん」
「あれ~? 良いのかな? 見理君。君は今、女の子の‥‥現役の女子高生の部屋に不法侵入した変態さんなんだよ?つまり私が叫んだりしたら。ママや麗柰さん達が来るって事なんだけど?」
利絵ちゃんが珍しく勝ち誇った顔をしている。何か一瞬イラっとしたけど。どうという事はないよ。
「ハハハ‥‥好きに叫びなよ。利絵ちゃん」
「はい? 何? その反応は? ‥‥後悔しても知らないんだからね!見理君! マ、ママ!!見理君が私の部屋に不法侵入してるよぉぉ!!助けてぇ!!! 」
利絵ちゃんの叫び声が近所中に響く。その数秒後。
「何を朝から妄想垂れ流しで叫ぶでんの?アホ娘!! ケン君がそんな事するわけないでしょうが!! アンタじゃああるまいし!! それよりも早く学校に行く支度して、朝御飯食べに下りてきなさい!!」
利絵ちゃんのお母さん。真優さんの声が近所中に響く。
「ママ‥‥何で?私の叫びを信じてくれないの?」
「フフフ‥‥日常での振る舞いの差が出たね。モンスター利絵ちゃん。さぁ、僕の許可無く録音した目覚ましボイス入り目覚まし時計のデータを消去するんだ。利絵ちゃん。それとこのパンツとYシャツは全て僕がもって帰って処分させてもらうからね」
「‥‥くっ! 嫌だ!! 録音したボイスも消去させないし、パンツもYシャツも。長年、見理君の目を盗んで獲得した私の宝物だもん。絶対に返さない!!‥‥かくなるうえは!! くらえぇ!! 天誅!!!」
利絵ちゃんが右腕を上に上げながら僕に襲いかかってきた。
パシッ!
「へ?」
それを僕は軽々と避けて躱し、利絵ちゃんの腰に手を回し拘束した。
‥‥これは良い機会だ。水夏にした拷問のせいで僕は何か変な性癖でもできてしまったのか不安になっていた。
そうなっているか確かめる為にも、利絵ちゃんを使って確かめてみよう。これはお互いが幼馴染みだから許される実験だね。
「ちょ、ちょっと! 見理君。なんで避けちゃうの? いつもならちゃんと受けてくれるのにー!」
コイキ○グの様にバタバタと良く跳ねる幼馴染みの利絵ちゃん。
「フム‥‥では早速、実践していこうかな」
「な、何?実践?」
〖実験対象・幼馴染みモンスター〗
利絵ちゃん‥‥
黒髪の美少女で胸が‥‥
「やっぱりデカイね」
「ちょっと! 何?下に手を伸ばしてるの?触る気なの?いつもはそんな事はしないよね?」
「いや、これは性癖の実験だからね。イヤらしさとか一切ないから」
「ありありだよ! 何で私に密着するの?そして、胸を触ろうとしているのよ! この変態幼馴染み!!」
何故がいつもは密着して襲いかかろうとすらしてくる利絵ちゃんが赤面しながら抗議してくる。
自分が攻めている時は強気だけど、仕返しされれば脆くなるタイプなんだね。
「フム‥‥自分の事を棚に上げて、何足る暴言‥‥これは天誅が必要な様だね。利絵ちゃん」
「‥‥何を言っているのかな? 見理君は? 天誅を下すのは私の役目ぇぇ?!! 擽ったい?!」
「たまには立場の逆転わ味わってみなよ。利絵」
「あひぃ?‥‥い、今、利絵って呼び捨てで言ったの?見理‥‥く‥‥ふわぁああ!!」
利絵ちゃんを使った実験により分かった事‥‥それは僕にはドSの才能がかなりあるということだった。
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