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第三十話 〖私の一日〗


 南本(みなもと) 利絵(りえ)です。


 趣味は読書と見理く‥‥‥人間観察です。


 今日は私の休日の過ごし方の一コマを紹介したいと思います。



〖朝 9:00〗


「えへへ‥‥見理君。そこは駄目だよ‥‥‥ハッ?!私はまた‥‥‥何てハレンチな夢を見ていたの?」


 私はだいたい夜遅くまで起きているので、休日の初日、土曜日は少し遅めに起きるんだけど。


 ガチャガチャ!!!


「くっ!やっぱり、前みたいに開かなくなってる。見理君めえ!窓に新しい鍵でも付けたなぁ?!もう!」


 私は朝、起きると同時に部屋の窓を開けて、朝の陽射しを浴びる為に‥‥‥ではなく、君なる男の子。見理君の寝顔を見ようと部屋に侵入しようとするんだけど。見理君の部屋の窓は、頑丈に鍵が付けられてる他に、数日後には鉄格子まで付けるってラーメンを一緒に食べに行った時に話していたんだよね。


 ‥‥‥何で普通の家の部屋に鉄格子なんか付けるのかな?何かの脅威に怯えているのかな?


「利絵!!起きたんなら朝御飯食べに下りて来なさい!片付かないから」


「ハ~イ!ママ。今、行きま~す!!」



〖南本家・リビング〗


「遅よう~!ストーカー妹。また、上でガチャガチャやってたって事は、ケン君の部屋にまた、入ろうとしてたの?」


「おはよう!凛姉。違うよ。入ろうとしたけど、新しく鍵が付けられてて入れなかったから、未遂だったの」


「‥‥‥おーおー、喋る言葉の節々に犯罪の臭いがプンプンするねぇ。ストーカ妹よ。何でケン君もこんなストーカー妹と距離を取らないで、ずっと幼馴染みできるんなだかね」


「‥‥‥朝から、私に向かって大量の言葉のジャブを打つのは止めてくれないかなぁ?凛姉」


 この人は二つ年上の姉の凛姉。私とは違う高校に通っているんだけど‥‥‥確かお嬢様が通う何とか女学院とかいう全寮制の学校で週末の土日にしか、家に帰って来ないんだよね。


「‥‥‥利絵は良いわよね。見理君みたいな高スペックな男の子と幼馴染み何て‥‥‥羨ましいわぁ」


「そ、そうかなぁ?えへへ、そんなに羨ましいの?凛姉~」


「‥‥コイツ‥‥母さーん。利絵と見理君って、もう付き合ってたりするの?脈あり?」


「あん?‥‥いや、無理でしょう。このストーカー娘には‥‥麗柰から聞いたけど。とうとう、ケン君が部屋に鉄格子を付けるとか言ってたわよ。家の娘の度重なる、とんでも凸によってね」


「ストーカー妹‥‥アンタ。凄いわね。幼馴染みに鉄格子を付けられる何て、普通じゃあ、あり得ない事だわ。尊敬するわ」


「エヘヘ‥‥そうかな?そんなに私って凄い?いや~、照れちゃうな~!」


「「いや!褒めてないわよ!!」」



〖朝 10時〗


 ママと凛姉との三人で朝食を食べ終えた後は‥‥自室に戻って、ひたすら勉強をする。私が通う沙原高校はかなり頭が良い学校だから、置いていかれない様に勉強は必須。

 

‥‥いや、置いていかれたくないから、私は必死にこのお馬鹿な頭で勉強をするの。


 隣に住む高スペックの幼馴染みの隣に入れられる様に、置いていかれない様にね。


 だから、私は勉強に集中する。神経を研ぎ澄ませる。見理君に追い付く為、横に居たいから私は頑張る。ひたすら、ひたすら、必死に一日中勉強する。


 そして、空いた時間に見理君に会いに行ったり、施錠用の道具を買いに行ったりするんだ。



〖昼 1時〗


 キィィ‥‥!


「利絵‥‥そろそろお昼ご飯‥‥‥(まだ勉強中なのね‥‥本当に頑張るわね‥‥何で頭の悪かった私から、あんな秀才ちゃんが産まれたのかしらね‥‥おっと邪魔しちゃ駄目ね。また、後で声かえよう)」


 カチャ‥‥‥



〖夕方 17時〗


「んー!!くっ!集中したぁ!!‥‥‥そして、肩も凝ったぁ‥‥‥また大きくなったかな?まさかね‥‥今の時間は‥‥もう?夕方?!‥‥不味い!この時間は確か、見理君が部屋の空気を入れ替える為に、窓の部屋を開けている筈、今なら侵入できるわ!こうしちゃいられない!」


 私は勉虚椅子から急いで立ち上がり、自室の窓を開けて、見理君の部屋に侵入しようと試みた。


「見理君!今、居るよね?お邪魔するからねえぇ!!‥‥ハッキュ?‥‥何これ?‥‥強化ガラス?」


「あぁ、利絵ちゃん。勉強終わったの?お疲れ~」


 眠そうな顔をしながら、見理君が私に話しかけてきた。


「け、見理君。な、何かな?この強化ガラスは?こんなもの昨日は付いてなかったよね?」


「うん。今日の午前中に新しく付けてみたんだ。どう?これがあれば絶対入って来れないでしょう?凄くない?」


「‥‥‥う、うん。凄いね。あれ?でも鉄格子を付けるんじゃなかったの?」


「いや、付けるよ。強化ガラスの外側にね。これでようやく利絵ちゃんも勝手には入って来れないから安心だね。良かったね」


 見理君は凄い笑顔で私に笑いかける。凄く、本当に嬉しそう!


「‥‥‥う、うん?‥‥‥いや、何が良かったの?‥‥あ、あーれ?私、凄く見理君に警戒されてるのかな?これは‥‥‥」


 ‥‥‥‥こうして私は以前の様な、勝手気ままに見理君の部屋に侵入できなくなってくしまいました。


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