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第二十七話 〖ごめんなさい〗


〖沙原高校・生徒会室〗


「いや~、少し本気を出しただけで生徒会の候補生の一人を潰すとはね」


「いや、笑い事じゃないでしょう。奏音(かのん)!流石に監視カメラとか、ヤバイでしょう‥‥何で数日の停学だけで済んだのよ?」


「 正道 見理君が生徒指導部の先生方に頼み込んだらしいよ、友達の悪ふざけなんで、退学だけは止めて下さいってね」


「‥‥‥彼女を利用されたのに?普通、こんな事が起こったら、人間関係なんて破綻しない?」


「それをしないのが、正道 見理君なんだろう。いやー、流石がは彰先輩の弟君だね。是非とも生徒会(ウチ)に欲しい人材だよ!彼は‥‥」



〖喫茶店・ユノウ〗((たちばな) (ゆき)による貸し切り)


「私が少し目を話している間に、本当にごめんなさい!!!!! 正道君!! 利絵さん!!」


 喫茶店のカウンターに乗って土下座する、友達の橘さん。


「‥‥‥おいっ! バカ娘。カウンターに乗るな!汚れるだろう‥‥しかし、水夏ちゃんが停学とら何をやってんだかな」


「‥‥‥ごめんなさい。お父さん。そして、本当にごめんなさい。正道君! 利絵さん!」


 そして、再び、僕達の前で土下座を披露する橘さん。


「いや、もう良いよ。橘さんの話を聞いたら、水夏が何でこんな事をのか何となく理解できたからさ」


「‥‥いや、私はどっちかというと、見理君に迷惑をかけた方なんだけどね」


「そうだね。利絵ちゃんもちゃんと反省しないと駄目だよね。だから、暫くの間。僕の部屋に侵入禁止ね」


「ヘグゥ?! 何で? 見理君?!」


「問題が起きるからだよ。利絵ちゃん。今回みたいね」


「‥‥‥はい。反省します。ごめんなさい。見理君」


 利絵ちゃんも何故か土下座した。


「うん。ちゃんと反省してくれれば大丈夫だよ。僕もこれ以上は怒りたくないしね」


「‥‥‥普段怒らねえ奴を怒らせたらいけねえてっこったな。教訓にしとけよ。雪」


「‥‥はい。そうします。お父さん」


「えーっと。それで水夏は今、何してるの?」


「‥‥停学中だから、何かのレポートを書いてるって、先生は言ってたわ‥‥それと生徒会には絶対に入らせないとも。候補生でコンビを組んでた私もだけどね」


「そう。今回の水夏の暗躍‥‥いや、暴走は生徒会に入りたいが故の焦りだね。大方、進路希望の大学に確実に入りたいが為にやったって所かな?」


「‥‥‥正解よ。凄いわね。水夏の思考を完全に読んでいるわ」


「昔、水夏に聞かれたんだよね。海外の大学に行くにはやっぱり、生徒会に入らないと駄目なのってね?だから、利絵ちゃんから水夏の名前が出た時には、だいたいの答えで出たんだ。生徒会の候補生で邪魔になりそうな人達になにかしらの妨害を仕掛けるかもしれないってね」


「そして、私はそれに加担してしまったのです。見理君の妻たる私は」


「いやいや、単なる幼馴染みだからね。何のつま楊枝かは分からないけどさぁ」


「いや、妻だから!見理君!!」


「ちょっ!暴れるのは止めなよ!利絵ちゃん!!」


「闘いが始まったわ」


「‥‥許してもらって、仲直りしたなら店を開けるぞ。雪‥‥‥たくっ!友達達にちゃんと謝りたいから、店を貸し切りにしてとか言いやがって、ちゃんと謝れて偉かったな。雪」


「‥‥‥‥うん。ありがとう。お父さん」


「あっちは親子愛が始まっている」


「キィィ!!見理君。また背が伸びた?見理君の頭を前みていにポコポコできないんだけど!」


「いや、頭をポコポコしなくて良いんだよ。利絵ちゃん‥‥それよりも水夏の事は、暫くそっとしておいた方が良さそうだね。色々な人の為にもね。その方が皆、幸せでいられる筈だよ」


 僕はそう言うと橘さんのお父さんが炊き立てのコーヒー豆で入れてくれた。コーヒーを静かに飲み、今回、水夏が起こした事件についてこれ以上考えないようにする事にした。

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