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第二十二話 〖双子姉妹と有栖川さん〗


〖見理幼少期、ある病院〗


「「オギャー、オギャー、オギャー、」」


「正道さん。おめでとうございます!元気な女の子の姉妹ですよ!」


「双子の姉妹ですか~!産まれてきてくれありがとう!(ゆめ)(まな)


〖控え室〗


「ハハハ!!良かった!無事に産まれたな。良く頑張った!頑張ったな!麗奈!彰!見理!喜べ!お前達に妹が出きるんだぞ!それも姉妹だ!いやー!めでたい!めでたいな!」


「‥‥‥双子の姉妹か。家が賑やかになるな。見理」


「うん。彰兄‥‥まぁ、僕にはあんまり懐かないと思うけどね」


「懐かない?何で?」


「だって僕は‥‥利絵ちゃんで手一杯で、他の子に構ってる暇なんてないもの」



◇◇◇◇◇


 あの病院の会話から数年が経ち、どうせこの双子の姉妹は僕よりも彰兄に懐くとばかり勝手に思い込んでいた。だけどそんな事はなく、現在では‥‥



〖テンノミヤショピングモール・洋服店〗


「‥‥お兄。私、あのお洋服が着たい」

「お兄ちゃん、私も!私も!何か買って欲しい!!」


「はいはい。M資金なら潤沢にあるからね。好きなの買いなー、待ってるからね~!」


「わぁ~!ありがとうお兄!」

「わぁ~!ありがとうお兄ちゃん!」


 正道家の家族の中でも一番に懐かれていんだ。何故かって?僕は家族の中でも妹達にものすごく甘いからさ。


 ていうか、僕、以外の家族。父さん、母さん、彰兄は結構お金の面ではシビアで、(ゆめ)(まな)が欲しがっている物を余り買い与えない時が時たまあったんだ。


 それを見かねた僕がその昔、夢と愛が欲しがる物をすぐに買ってあげたものだから、二人は僕に懐くようになった。


 主にATMとしてだけどね。そう僕にはM資金がある‥‥幼少の頃から、賞金が出る様なコンクールに何度も入賞し、色々なコンクール荒らし。大量の入賞賞金で得たM資金が。


 そして、それに眼を着けたこの双子の姉妹は、父さん、母さん、彰兄の不在中に自分達が欲しい物を僕におねだりし、ここぞとばかりに甘えて来るんだ。


 しかし、双子の妹達と言うのは何ともわがままだと本当に思う。


 お陰で僕の休日が(ゆめ)(まな)の新しい洋服選びになるとは思いもしなかったよ。


「‥‥お兄。どれが似合うと思う?」

「お兄ちゃん!選んで!選んで!」


「うん。二人は可愛いから何でも似合うよ。我が妹達‥‥君達のお兄様はそれしか言えな‥‥ゴフッ!」


「「ちゃんと!考えて!!」」


 この姉妹は‥‥なんというコンビネーションで僕の脳天にチョップしてくれるんだい?


 そんな事を自分の心の中で叫んでいると、洋服店の入口の方から知り合いの声が聴こえてきた。


実桜(みお)さん。あれも気になります。後で着ます」


「はい。真理(まり)お嬢様」


「ん?この声は‥‥確か」


「あら?正道君?何故、貴方が女性用の洋服店に?」


「‥‥あぁ、やっぱり、有栖川さんと‥‥メイドさん?」


「御初にお目にかかります。正道様。私は最上(さいじょう) 実桜(みお)と申します。有栖川家に仕える者です」


「は、はぁ、これはご丁寧に‥‥有栖川さんと同じクラスの正道 見理です。よろしくお願いします」


「そう。私、専属のメイドなのです。正道君。それで?何故、正道君がこんな場所に居るのですか?」


「いや、何故って僕の妹達の新しい洋服を買いに来たんだけどね」


「‥‥正道 夢です!」

「正道 (まな)だよ!」


 おぉ、初めてあった人にちゃんと自己紹介できて偉いよ!夢!愛!有栖川さんも天真爛漫な二人の自己紹介を見て嬉しそうに‥‥


「か、可愛‥‥可愛い‥‥て、天使ですか?‥‥この子達が正道君の妹さん達?‥‥流石ですね‥‥レベルが高い‥‥」


「真理お嬢様。ヨダレと欲望が表情に表れていますよ。気持ち悪いです。そういうのは自分の部屋に居る時だけにして下さい」


 有栖川さん専属のメイドさん。実桜さんからの厳しいツッコミが炸裂する。


「ブフッ!‥‥ご、こめんなさい。実桜‥‥そ、そうなんですね。妹さん達のお洋服を買う為に来たんですか‥‥ですが‥‥苦戦しているみたいですね?」


 有栖川さんがそう言って、夢と愛の選んだ服と僕が二人きに選んでいた服を交互に見ていた。


「有栖川さん?」


「夢さんでしたか?‥‥貴女にはこっちのワンピースの方が似合いますわ‥‥愛さんはもっと明るい服をですね‥‥」


 有栖川さんは店内を速足で歩き回り、妹達に似合いそうな洋服を選んでいく。


その表情は真剣そのものだった。


「‥‥有栖川さん。まさか夢と愛に似合う服を選んでくれてる?」


「ご心配しなくても大丈夫です。正道様‥‥真理お嬢様の服のセンスは一流です。正道様の愛らしいご姉妹に必ず合うお洋服をお選びになられますので」


 実桜さんはそう言うとウインクしながら、僕の隣に立った。


「は、はぁ、分かりました。じゃあ、有栖川さんの判断を信じてみます」


「えぇ、それが宜しいかと」


「‥‥私達に似合う?」

「洋服を選んでる?」


 夢と愛は高速で動く有栖川さんを目で追いながら、不思議そうな顔をして居た。


数分後‥‥‥


「‥‥ざっと。こんなものでしょうか‥‥」


「‥‥可愛い‥‥」

「ほあぁ!!お兄ちゃんの選ん洋服より、素敵!!」


 パチパチパチパチ!!

「流石です。真理お嬢様!!」


 うん。失礼な事を言うんじゃないよ。愛!そして、僕の隣では、何故か涙を流しながら、感動している実桜さんという、何ともカオスな光景が繰り広げられていた。


「‥‥フゥー、久しぶりに本気になりましたね‥‥時間ももうお昼ですし。私が予約していたお店で昼食を御一緒しませんか?正道君。勿論、妹達さん達も御一緒に」


「‥‥へ?食事?!有栖川さんと?」


「‥‥お金持ちの昼食」

「ワーイ!有栖川姉とお昼ご飯!!」


 妹達達は有栖川さんに抱き付き、昼食を一緒に食べる気満々だった。


「‥‥決まりですね。実桜さん。椎名さんに迎えの車を頼んで下さい」


「畏まりました。真理お嬢様‥‥」


「‥‥洋服の買い物の次は‥‥有栖川さんと昼食?‥‥何でそうなるの?僕のまったり休日ライフが‥‥消えていく‥‥」


「‥‥お兄。行くよ!」

「お兄ちゃん!走れえ!」


 妹達はそう言って僕の両手を掴むと、有栖川さんと実桜さんが待つ方向へと強制連行した。


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