第二十一話 〖二人の妹達〗
今日は土曜日。つまり休日。僕は月曜日~金曜日の学校での貯まった疲れを取る取る為に、惰眠を貪る。
‥‥‥夢の世界へとレッゴー!!
ペチッ!
‥‥‥痛い。
ペシッ!ペシッ!
‥‥‥ちょっと痛い。
無視する事にしよう。
ベチッ!
ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!
「‥‥‥」
どうやら攻撃は二ヵ所で行われているみたいだ。
まだ無視できる攻撃力にして、許容のダメージ。このまま惰眠を続行しよう。
バチンッ!
ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!
「‥‥‥‥‥」
一ヵ所の攻撃は一撃に全てを込めた怒りの一撃だった。
二ヵ所目の攻撃は手数を増やし、蓄積ダメージを増やして、痛みを増幅させる作戦らしい。
痛い‥‥‥けど無視する事にした。
「‥‥‥ウゥゥ!!起きて!お兄!!」
ドガッ!バキッ!
「起きろ!そして、構って!!お兄ちゃん」
ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!
どうやら僕の妹達が、僕に総攻撃を仕掛けている。
‥‥‥痛い。けど無視をする。
「‥‥‥利絵ちゃんに遊んでもらいなよ。僕は昼まで寝てるからさ」
「‥‥リエ姉は買い物行ったよ」
「友達と監視カメラ買いに行くんだって!」
‥‥‥いったいあの幼馴染みは何を監視するつもり何んだろうか?
ガバッ!
「‥‥‥あっ!」
「やっと起きた!!遊んでお兄ちゃん!」
「うん‥‥‥パソコンもゲームも好きなの持ってきな。そして、お休み。シスターズ‥‥‥」
「‥‥へい!」
「やぁ!!」
ベチッ!ペシッ!
「ガハ?!‥‥‥何すんの?」
「‥‥‥私達と遊ぶの!」
「私達に構え!」
「母さんは?」
「「私は仕事だから、お兄ちゃんに遊んでもらってね。だって!」」
「‥‥‥父さんは?」
「「今日、居ない」」
「兄さんは?帰って来てるよね?」
「「面倒からパスだって!!出掛けた」」
おのれ。あの長男は久しぶりに会う妹達が可愛くないのだろうか?全く、大学生になってから、遊び呆ける様になってしまった。
これも高校時代の過酷な生徒会生活の反動なのかもしれないけど。
「‥‥‥とりあえず。朝飯前は‥‥‥今から作ったら昼になるし、ファミレス行こうか?」
「‥‥ファミ」
「レス!!!」
なんか妹の夢、愛の眼がランランと輝いている。普段、母さんと父さんが居るとそういう場所に連れてってもらえないから、嬉しいのかな?
‥‥‥僕はこの家の落ちこぼれなので、そんなの気にせず行くんだけだね。
近所の〖ココ○〗
「ふぁー、眠い‥‥‥好きなの頼んでいいよ。お金はあるからね」
「‥‥‥な、何でも?‥‥‥パフェも?」
「ケーキも?お兄ちゃん!」
「うんうん。何でも良いよ。僕はサラダとパンだけで良いや‥‥‥ゆっくり決めなー」
「「は~い!!」」
夢、愛がまたも嬉しそうに眼をランランとさせる。普段は余り食べられないお菓子が食べれて嬉しいんだろうか?
平日は学校のイベントが沢山あって、休日はだいたい下の子達と時間を共に過ごす事が多い気がする。
家の母さんの父さんも基本的に土日祝休みだけど、いつも忙しそうに、何処かに出掛けている。
多分、休日出勤が多いんだろうな。その為か妹達の世話は自然と僕になり、その為か妹達は僕に容赦なく攻撃を仕掛ける位には懐いてくれている。
いや、さっきの最後らへんの攻撃は本当に痛かった。あばら骨イキそうになりました。
「‥‥お兄。夢、これが食べたい」
大人しそうな雰囲気でタレ目の子が長女の夢。
「お兄ちゃん!!私はこれが良い!!!」
活発そうな猫目の子が次女の愛。
「うんうん。良いよ、それを食べて大人しく休日を過ごそうね。うん、そうしよう」
「‥‥うん。これが終わったらお洋服屋さん。行きたい」
「後、ペット屋さんも!!」
「‥‥‥なぬ?」
これは長く拘束される休日になるんじゃないの?
もしかして?




