第十九話・〖何でここが分かったの?〗
「で?何で此処に居るの利絵ちゃん」
「‥‥‥‥だって‥‥私が朝起きて、見理君の部屋に勝手に入ろうとしたら居ないって、ママと麗奈お義母さんが言ってたんだもん。それと千代ちゃんと見理君が楽しくデートに行ったって‥‥‥行ってたんだもん。何で私に内緒でデートに行っているの?見理君っ!」
利絵ちゃんはそう言うと、僕の胸ぐらを掴んできた。メチャクチャ力が強いんだけど?何で?
「‥‥‥‥色々と突っ込みたいんだけど。まず一つ目、何で僕の部屋に勝手に入ろうとしたしたの?次に二つ目、麗奈お義母さんてっ何?ウチの母さんをお義母さんって呼んでいるのかな?何?兄さんと利絵ちゃんは付き合ってたりするの?そして、三つ目に何?千代ちゃんとデートって?何、勘違いしてるのかな?ねぇ?」
「ちょ、ちょっと、見理君。か、顔、近い‥‥‥‥んだけど。な、何で私が逆に詰められてるの?」
「いや、こっちが質問してるだけど?利絵ちゃん」
「‥‥‥‥何あれ?公共の場でイチャイチャし始めたけど。私に対しての見せつけ?」
「じゃれ合ってるだけにしか俺には見えんが?それよりもこの千葉の〖紅あずま〗と言うさつま芋を使って作った〖スイートポテト〗がメチャクチャ旨い。正道が此処に来たがっていたのも頷ける」
「何を言ってるの。棗兄。この〖楽花生パイ〗とか言う焼き菓子の方が美味しいに決まってるじゃん。ほら食べてみなよ。ハイ!あーん‥‥‥」
「おっ!食べ比べか?千代!良いだろう。受けて立つ。あーん‥‥‥」
「「旨い!!」」
「色は紫色でどうかとは思ったけど、食べてみたら甘いし、さつま芋の食感も最高!買って帰ろうかしら」
「このパリパリとしたとパイ生地に、ピーナッツ特有の苦味と甘さが交わって、何とも不思議な味だけが、それが良い。流石、千葉の名産品のピーナッツを使ったお菓子だな」
「何でこっちはこっちで食レポみたいなってんの?」
「見理君。私、〖まるごとびわゼリー〗て言うの食べてみたいよー」
「‥‥‥‥利絵ちゃん。先ずは僕に対して粘着ストーカーした事を謝ろうね」
「べ、別に私は粘着ストーカーなんかじゃ」
「そうか~、なら卓也さんに相談しようかな‥‥‥色々と‥‥‥」
「ヒィ!見理君に粘着ストーカーしてごめんなさい。お父さんにだけは言っちゃダメだから、絶対ダメだから~」
私は見理君にしがみついて謝った。おもいっきり公共の場で見理君に抱き付いて謝った。
「‥‥‥‥利絵ちゃん。皆、見ているから離れようか。ていうか、今日は休日だから沙原高校の生徒の誰かに見られたらどうなる事か」
「いや、もう私達に見られているでしょう」
パシャッ!
「南本の謝罪も済んだようだし。〖まるごとびわゼリー〗を皆で食べたら、モール内を見て回るか?」
パシャッ!
千代ちゃんと棗君がスマホで私達の写真を撮っている。
「いやー、これは決定的な証拠写真ね。どう使おうかしらね。棗兄」
「使う?何の事だ?千代」
「‥‥‥‥今すぐ消すんだ。その証拠写真を、じゃないと大変な事になるよ。二人共」
「黙りなさい。見理、写真を消してほしければ生徒会の‥‥‥‥」
「棗!!千代ちゃんが撮った証拠写真を消してくれれば、水夏と放課後デートのセッティングしてあげよう」
「は?何、言っているの?見‥‥‥」
「真かそれは?!ヨシッ!任せろ。正道!!!千代済まん。放課後デートの為だ、犠牲になってくれ」
「は?棗兄。何、言ってる‥‥‥」
バッ! とっ! 音が聴こえた瞬間。千代ちゃんが手に持っていたスマホが消えて、棗君の手に現れた。何これ?手品?手品かなのかな?
「消去と‥‥‥これで俺は水夏さんとの放課後デートが実現だな」
「‥‥‥実現だな。じゃないわ!!何、妹のスマホを勝手に奪い取って喜んでるのよ馬鹿兄貴。シネェェ!!!」
「があぁ?!千代。此処は公共の場だと自分で言っていたじゃないか?!ぐぉ?!や、止めろ!他のお客が俺達を見てるんだぞおぉぉ!!」
パシャッ!
私は二人の勇姿を動画に納めて。
「うん。これも美味しいね。流石がは千葉の白井市の〖しろいの梨〗だね。旨い。旨い」
千葉の名産品の梨タルトを食べていた。




