第十八話・〖千表兄妹との休日〗
此処は沙原街の隣にある地方都市〖神成市〗。此処にはとても大きなショッピングモールがあるの。
そんな場所に今、幼馴染みの見理君と千表 千代ちゃんと一緒に休日デートに‥‥‥‥
〖神成ショッピングモール〗
「見理、棗兄ーっ!これどう?私に似合ってる?」
「あーっ!似合ってるよ。千代ちゃん。だから棗の用事を先に‥‥‥」
「あぁ、似合ってる。似合ってる。だから早く千葉観光フェアに行かせてくれ。千代‥‥‥‥」
ではなかったみたい。
「‥‥‥‥来ていない?棗君も一緒?何?千葉観光フェアって?」
私は見理君達から少し離れた自動販売機の間から、見理君達の会話を盗み聞きする事に決めた。
「ちょっとっ!何よっ!その無関心はっ!休日にこんな可愛い子と遊べるんだからもっと喜んだらどうなの?二人共っ!」
「棗。千葉の名産ランキングだって。一位がぴーなっつ最中。二位がひゃっこい。三位が千葉ミルフィーユだって何れも美味しそうだね」
「うむ、ほうほう。四位が落花生パイに五位がクジラのベーコン?!!!何だそれは?!そんな食べ物が千葉にはあるのか?」
「おいっ!アホ共。私を無視して千葉の名産品に心を踊らせるな。私を見ろっ!私でトキめけやっ!コラっ!」
「五歳からの知り合いに‥‥‥‥柊塾からの腐れ縁の幼馴染みに今更何をトキめけって言うんだい?千代ちゃん」
「‥‥‥‥俺はお前の双子の兄だぞ。実の妹にトキめけとかキモいだけだぞ。千代。とういうかその発言がヤバい」
「‥‥‥‥よーし!今、潰す。アンタ等のそのふざけた幻想をぶち壊してやるわっ!」
「わぁーっ!何、殴りかかってきてんの?君はっ!」
「こんな所で暴れ始めるなっ!アホ妹っ!!」
‥‥‥‥はい?千代ちゃんが見理君の五歳の子からの知り合いで幼馴染み?
私、初耳何ですけど?!!!!
いや、確かに小さい時、見理君は色々な習い事をして家に居ない時があったし。私の知らない友達とかもいるっていてたけど‥‥‥‥何で別の場所で別の幼馴染みを作ってるのかな?見理君はあぁぁぁ!!!
いや、でも千代ちゃんよりも私の方が約五年も先に見理君に出会ってるもんね‥‥‥なんならあらゆる見理君の秘密も握ってる私が負ける道理なんてある筈がないっ!
「‥‥‥‥‥(何にあれ?何で自販機の間に隠れてるわけ?ていうか。リエちゃんはあれで隠れられてるつもりなの?‥‥‥‥ちょっとからかってあげようかね)‥‥‥‥見理っ!アンタ。私を怒らせたんだから。責任取って、今日は私をエスコートしなさい」
「‥‥‥‥はい?何、寝言言ってるの?千代ちゃ‥‥‥痛たたたたっ!!分かったっ!やりますっ!エスコートします。千代さん」
「おうっ!妾を楽しませよ。見理」
「‥‥‥何のキャラだ」
「んー?リ○ロのプリシラちゃんの真似よ。私、大好きなのリゼ○」
「そうか‥‥‥俺はクルシュ様はだ」
「おぉ、良いチョイスしてんね。棗兄」
「ハァー、漫才もその辺にしておいて。良いから早く目的地に向かおう。僕等は今日、千葉の名産品〖白井市のしろいの梨が目的で来たんだからさぁ」
「あー、ハイハイ。本当にグルメオタクねぇ。私の今日のデート相手は」
「‥‥‥‥お前、許嫁が入る分際で良くそんな冗談言えるな。千代よ」
「真さんも大変だろうね‥‥‥‥」
そんな会話をしながら見理君達は千葉の名産品フェアのコーナーへと移動を始めた。
「はっ!あまりの出来事にフリーズしちゃってた?私?エスコート?何よっ!それっ!‥‥‥てっ!三人共何処にも居ない?!さ、探さなくちゃああ!!‥‥‥‥てっ!そうか、三人は千葉の名産品フェアに行くんだっけ?お、追いかけなくちゃあ!!」
私はそう叫んで三人の後を追いかけた。
〖千葉名産品フェア会場〗
「千葉県自慢の八街のピーナッツだよっ!」
「アズマイモアイスはいかがですかぁ!」
「できたての豊水の梨のタルトはどうですか!!」
「おぉ、賑わっているな。流石、地方フェアよな」
「ほらほら、見理。私が梨のタルト食べさせてあげようか?今日限定の疑似彼女として?」
「お断りだよ。それに僕は今、しろいの梨にしか興味がないからね」
「んなこと言わずに、後ろで変な妄想で悶えている娘に見せ付ける様にしてさぁ!」
「いや、だから。僕は‥‥‥‥」
「そ、そこまでだよっ!見理君!!!浮気は天誅だよっ!!!天誅!!!!」
「な?何で此処に利絵ちゃんが?てっ!人前で天誅チョップは駄目だってばあぁぁ!!!」
 




