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第十七話・〖朝はピッキングから〗


 チュンチュン‥‥‥チュンチュン。


 朝です。そして、今日はお休みなのです。


 土日祝日。それは学生達に与えられた安息日。


 休みの日。それは幼馴染みを攻略する絶好の時。


 そう、今日は見理君と同じ時を過ごし、振り向かせる絶好の日なのです。


 そして、家がお隣同士かつ、私の部屋位置は見理君の部屋の隣。そうっ!窓を開ければ零距離で見理君に会えるのです。それが幼馴染みという私だけに与えられた特権。


 沙原高校の女の子達が聴いたら羨ましいがるでしょう。そして、昨日の金曜日の放課後はクラスのお友達から、私の家でお泊まり会を開こうと皆に言われて困惑したりで大変でした。


「全く。魔性の男だね。見理君は‥‥‥‥昨日は夜遅くまで起きてたみたいだし、今頃は寝落ちして無防備な筈だよね‥‥‥‥」


ガラガラ‥‥‥‥


「最近の○チューブは鍵の施錠のやり方とかの動画も乗っていんだよ。見理君」


カチャカチャ‥‥‥‥カチッ!


「あっ!開いた‥‥‥‥ではでは開けちゃうよっ!見理君っ!」


 私はそう叫ぶと見理君の部屋へと通じる窓を勢い良く開けようとしたんだけど。


ピッピッピッ!ガチャッ!


「‥‥‥何?この電子音?‥‥‥それに開かない?何で?くっ!も、もう一回。施錠をっ!!わ、私は見理君の寝顔を見て。その後、添い寝して開けるんだからっ!!!」


カチャカチャ!!!


 そんな感じ私が見理君の部屋の窓から侵入しようと頑張っていると‥‥‥


「‥‥‥‥利絵(りえ)ちゃん。アンタ何をやってるのかしら?」


 ママが私の背後に立っていたの。


「ママッ?!助けてっ!見理君の部屋に勝手に侵入しようとしてるんだけど。窓が開かないのっ!!」


「えーっと。突っ込み所がありすぎるんだけど‥‥‥‥先ずは‥‥‥‥何、人ん家の家に勝手に入り込もうしてんのよっ!アホ娘っ!!」


 ママは凄く速かった。私の脳天にチョップを喰らわして、首根っこを掴み。私を部屋の中へと連行した。


スパーンッ!!!


「アウッ!痛い。何、するのよっ!ママッ!!!」


「黙りなさい。ストーカー娘‥‥‥‥何、ナチュラルに人様ん家にピッキングで入ろうとしてんのよっ!アンタはっ!たくっ!謝りにいくわよ。正道さん家にっ!」


「待ってっ!ママッ!まだ、お化粧してないっ!てばっ!」


「五月蝿いわ。アホ娘。別にアンタは私に似て美人なんだからメイク何かしなくてもいけるわ」


「‥‥‥何?ママ。自慢?(笑)」


スパーンッ!


「痛いっ!ごめんなさい。口が滑りましたっ!だからっ!お尻はっ!叩かないでっ!ママッ!!!!ごめんなさいっ!!!」



◇◇◇


〖正道家玄関〗


「とういう訳なのよ。アホの娘でゴメンね。麗奈(れいな)


「あらあら~?利絵(りえ)ちゃん。また朝から暴走しちゃったの~?真優(まゆ)ちゃんも大変ね~」


私はママに首根っこを捕まれて、お隣の家。〖正道さん家〗まで連れてこられたんだけど。その玄関口にはどう見ても十代後半の女の子にしか見えないエプロン姿の見理君のお母さんが立っていたの。


因み。家のママと見理君のお母さんは学生の頃からの無二の親友関係らしいです。


「見理君に会いたくてピッキングしちゃうなんて青春ね~!利絵(りえ)ちゃん」


「はいっ!青春してます。麗奈お義母さん」


「‥‥‥おいっ!何がお義母さんだっ!アンタの母親は私っ!私、だっつうのっ!アホ娘。たくもうっ!こんな暴走するアホの娘に育てた覚えはないつうのにっ!」


「大丈夫。私、沙原高校じゃあ、凄く優秀な生徒だからっ!安心してっ!ママっ!」


「‥‥‥‥そうね。アンタ。勉学にスポーツに優秀なのよね。沙原高校も何故か推薦で入れたしね。何故か‥しらね‥‥‥何でこんな優秀な娘が私から産まれたのかしら?性格と行動はアホの娘なのに‥‥‥‥何かムカつくわ」


ミシミシッ!!!


「痛いっ!ママッ!私を掴んでる握力強すぎる。首が壊れちゃうよっ!!」


「あー、そうね。そのまま。その歪んだケン君への愛情も治りなさいよ‥‥‥‥そうすれば。ケン君もアンタを普通の娘って認識する筈だから」


「マ、ママッ!そんな言葉。普通、実の娘に言わないよねっ!虐待?」


「‥‥‥誰が虐待だ。アホ娘」


「痛いっ!ごめんなさい!!ママッ!」


「あらあら~!朝から本当に仲良しさんね~!真優ちゃん。親子は~、うちは長男君が大学進学と同時に一人暮らしで出てちゃうし。見理君は放っておいてもすくすく育つし、双子ちゃんだけしか甘えてこないのよね~」


「手間がかからなくて良いじゃない‥‥‥うちの子供達何か、皆、脳内お花畑だから。常にこんな感じよ。ねぇ?利絵ちゃんよう?!」


「ひたたたっ!!はいっ!毎朝、ごめんなさいっ!ママッ!!もう毎朝はしないから許してくだしゃいっ!」


「‥‥‥‥じゃあ夜もするなよ」


「‥‥‥‥あい」


「よろしい‥‥‥てなわけで。毎朝。ゴメンね。麗奈」


「う~ん。大丈夫だよ~!毎朝、お祭りみたいで楽しいから~、それよりは聞いて真優ちゃん~、今日ね。見理君たらね~」


「何?何かあったの?」


 それからは私を解放したママは見理君のママ。麗奈さんと談笑を始めたんだけど‥‥‥‥


「井戸端会議始まっちゃった‥‥‥‥どうしよう」


「‥‥‥‥あらあら~、そういえば。利絵ちゃんは見理君に会いに来たのよね~?」


「は、はいっ!そうですっ!見理の寝顔を見に来ました」


「‥‥‥‥だから。それがヤンデレストーカーだっつうだよ。アホ娘‥‥‥‥何で陽である私から、闇落ち娘が産まれのよ」


「ママッ!五月蝿いっ!今は見理君の事を聞いているのっ!」


「ハイハイ。恋は追うより追わせろが基本だぞ。我が娘よ」


「‥‥‥えーっとね。見理君ならお友達の表千さんと遊びに行くからって、一時間前に出ていったわよ~」


「表千‥‥‥さん?君じゃなくて?」


「ん~?そうね。君じゃなくて、さんって言ってたわね~、フフフ。見理君も家のお父さんに似てモテるから大変ね~」


「君じゃなくて‥‥‥さん?‥‥‥てことは今日の遊び相手は千代(ちよ)ちゃんって事?こうしちゃいられないわ。追いかけないとっ!!」


 私はそう言うと急いで自室に戻って外へ行く支度を整え始めた。見理君用GPS準備OK!


「‥‥‥あー、惚気が始まるわ。そして、家の娘はストーカーを始めるわ‥‥‥」


 ママがそんな言葉を言ってるのも知らず。私は見理君を追いかけて街へと走り出した。


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