第十三話・〖合同授業で揺れるモノ〗
〖沙原高校体育館〗
ドタバタの昼休みが終わり午後、最初の授業は各クラスとの合同体育授業となっていて。
男子はバスケットボール。女子はその隣のコートでバレーに分かれて授業が行われてるんだ。
「はぁ~!危うく悪徳生徒会の一員にされる所だった‥‥‥‥まさか西園寺先輩まで出てくるなんて思わなかった」
クラス合同ともなるとチームも多くなる為、順番待ちになる。その為、自分達のチームがコートを使うまでの間に待機時間が発生するんだけど‥‥‥‥‥
「あんだけ。副会長が騒ぎを起こせば、生徒会の誰かしらは顔を出しに来てたと思うぞ。それよりも、俺は貴様に制服のクリーニング代を要求したいんだが?見理被告。貴様が避けたせいで俺のと水夏の制服は汚れたのだが、何か申し開きはあるか?」
カンッ!カンッ!
僕の隣に座っていた親友の京が怨めしげな声で僕への怨み節をずっと語っている。そして、どこから持ってきたか分からない裁判官が判決の時に使う小さな木槌を片手に僕に質問してきた。
「ごめんて‥‥‥ちゃんと払うよ。クリーニング代。後、ランチ代もね。お金なら沢山あるからさ」
「‥‥‥最後の言葉は金持ちアピールか?親友。見理被告よ。貴様の家が金持ちだという金持ちアピールか?俺が日々、アルバイトに精を出し。日銭を稼ぐしか無いというのに、貴様は幼少の頃、あらゆるコンテストで入選した金を使って投資をし、悠々自適だから余裕だと?俺はバイトがある度にOKAMA店長に抱き憑かれてだな‥‥‥」
カンッ!カンッ!
いや。本当にその木槌どこから持ってきたんだい?京。
京のクリーニング代の事は父さんに話してお金を借りて解決するつもりでお金があるからと言ったんだけどね。
何でそんな哀愁漂う表情をしているんだう?そして、何で僕が密かな趣味として楽しんでいる投資の事を君が知っているだい?
「‥‥‥‥最後のOKAMA店長ってワードが凄く気になったけど。それよりも何で君が、僕が投資をしているって事をしているんだい?京」
「あん?南本さんが自慢気に話してたぞ。〖見理君が私との将来の為に、もう資産形成をし始めていてくれているの。だから私も今のうちから稼ぐ女になれるよう今からお金について勉強しているの〗てな。それから最近、ますます妹達と仲良くて一緒にお風呂に入ってるだろう?それから見理の部屋にたまたま侵入したら、パソコンが起動していてその中身が‥‥‥‥」
「待った。ちょっと待った。何でそんなプライベートな事が筒抜けに‥‥‥‥いや原因はお馬鹿な幼馴染みのせいなんだけど‥‥‥‥」
僕は京との会話を一時中断し、隣のコートで楽しげに友達達と会話をしている幼馴染みに此方へ来るように手招きした。
数分後。
「もう。見理君。皆が見ている前であんな大胆な呼び出し恥ずかし‥‥‥‥フィファヒィヨ。ヘンリ君!!」ニョーン!
利絵ちゃんが僕達の所に来た瞬間。彼女の両頬を軽く掴み、尋問をスタートさせた。、
「利絵ちゃん。何で僕のプライベートな事を京に話してるのかな?」
「フラヘードな話ひ?‥‥‥もしかして一週間前に見理君と一緒にお風呂に入った話なら。サーちゃんにすら話して無いよ‥‥‥あっ」
このお馬鹿さんは更なる爆弾発言を投下してくるちゃったんですがけど‥‥‥
「は?南本さんと‥‥‥一緒にお風呂に入っただと?‥‥‥‥見理。お前なんて羨ましい‥‥‥‥いや、そうじゃない。どういう事だ見理。その話し詳しく聞かせろっ!さもないと南本ファンクラブにこの情報を流して貴様を異端審問会にかけて刑罰を‥‥‥‥ガバッ?!」
ゴーン‥‥‥‥
「騒がしいっての。アホ京、ごめんね二人とも。ちょっとコイツの記憶を色々飛ばして来るから、数分消えるから。先生への言い訳宜しくね。ほら、行くわよ問題児」
「‥‥‥‥‥」ズルズル‥‥‥
利絵ちゃんの親友サーちゃん事、皐月ちゃんが京を引きずりながら体育館の裏側へと消えていった。消えていった後に京が皐月ちゃんに何をされたのか分からないけど。体育が終わった次の授業では‥‥‥
(いやー、何か最近の記憶がゴッソリ思い出せなくてさぁ。宇宙人にでも拐われて肉体改造でもされたのかな?ハハハ。皐月の事ばかり考えちゃうんだよなぁ~)
と、良く分からない言動をしていたのは皐月ちゃんの記憶飛ばしのせいだろう事は間違いないだろうね。おっといけない。話をあの軽幼馴染みに戻さなくてはね。
「それで?何で僕のプライベートを京に話したのかな?利絵ちゃん」
「ち、違うの見理君。信じてっ!ふぃふぁい!!」
「何を信じろと?第一、あの一緒にお風呂にって件も。僕が一人でお風呂に入ってたら利絵ちゃんが勝手に入って来たんだよね?」
「そ、それはそうだけど。そ、その後は嬉しそうに私に背中を洗わしてくれたじゃない。それにその後は‥‥‥‥グペエ?」
「はいっ!静かにしようね。それ以上の発言は僕の学校ライフに影を落としちゃうからね‥‥‥‥」
ポコンッ!
「あっ!痛‥‥‥」
「なーにを授業中にイチャイチャしてんだ。正道。ホレ、お前達のチームの番だぞ。コートに入れ。南本はあっちのコートに帰るしっし」
「朝霧先生‥‥‥‥了解です」
体育教師の朝霧先生がそう言って僕達のやり取りを止めた。
「フエェ‥‥‥頬っぺが痛いよぉ。朝ちゃ~ん」
「また。何か正道を怒らせる事でもしたんだろう?南本‥‥‥‥懲りんな。毎回、毎回」
「‥‥‥‥なんで私がやらかしたみたいになってるのかな?何で私が何時も問題児扱いなのかな?」
「日頃の行いだろうが‥‥‥ほれ。お前のフィアンセの試合が始まるぞ」
「旦那様だ何て、朝ちゃん。恥ずかしいよぉ」
「‥‥‥‥そこまでは言ってないわ、アホ。それとその妄想癖止めておけよ。毎回、毎回。お前の勘違い行動で被害者が出るんだから‥‥‥‥」
「「「キャー!!!正道君!!!カッコいい!!」」」
「キャー!!見理君!!カッコいい!!未来の旦那様!あれ?‥‥‥‥朝ちゃん。何か言った?」
「‥‥‥‥いや。何でもないぞ。愛のトラブルメーカーよ‥‥‥私の授業中に問題を起こさないでくれれば良いだけだ。ほれ、それよりもバレーの授業に戻れ。南本」
「あっ!ちょっと待って。見理君の勇姿をスマホの写真に‥‥‥‥」
「アホッ!授業中にスマホを取り出すな。没収だっ!」
「あぁ、見理君の勇姿があぁ!!待ってっ!写真一枚だけでも撮らせてぇ!!」
「良いから授業に戻れっ!‥‥‥たく、そういう行動が問題児扱いされる理由だろうに‥‥‥今年の生徒は優秀な反面、変人も多く入って来てこれから大変きなりそうだな。全く‥‥‥‥」
「よっとっ!」
スパンッ!
「ナイシュウー、正道」
「おうっ!ナイスパス。種田君」
利絵ちゃんと朝霧先生のそんなやり取りを見ながら、ゴールシュートを綺麗に決めた瞬間。
カシャッとカメラフラッシュが起こるのが見え、そのつぎの瞬間には利絵ちゃんが朝霧先生に天誅を喰らわされ、利絵ちゃん自慢のタワワが揺れているを確認した。
 




