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第十一話・〖美味いぞおおぉ!!〗


とある日の昼休み


「見理君っ!一緒にお昼ご飯食べようっ!」


「正道君。今日は私と一緒に食堂でお昼などいかがですか?」


‥‥‥‥‥。


「おんや?ケンの奴。居ないじゃん。残念だったのう。リーエ」


「‥‥‥‥嘘?私を置いて他の子とお昼ご飯に行ったって事?許せない‥‥‥‥」


「おい。ヤンデレ化するな。親友よ‥‥‥」


ポコリッ!


「あっ!痛い‥‥‥何するの?サーちゃん」


「どうせ、男共と食堂辺りにでも行ってんでしょう‥‥‥だから、今日は大人しく、沙原美少女四天王の一角たる有栖川ちゃんと仲良く昼飯を食べようぞ。リーエよ」


「‥‥‥仕方ない。今日はそれで我慢する」


「うむ。偉いぞ。リーエ」


「ちょっとっ!何で私と一緒のお昼の食事が罰ゲームみたいになってるんですか?!」



そんなやり取りが昼休みの教室で行われている事など露知らず。僕は友達数人と沙原高校の食堂へと来ていた。


え?何で女の子達と一緒にお昼ご飯を食べないんだって?いや、それはね。今日の食堂メニューにあるスペシャル限定メニューは茨城県が誇る銘柄牛〖常陸(ひたち)牛〗を使った〖常陸(ひたち)牛のステーキランチ〗を食べる為なんだ。昼休みのチャイムがなると同時にスゥーと教室を抜け出して今日一番に食事へとたどり着いたんだ。


「ハァ、ハァ、ハァ、ケン。何でそんなに早く歩けんだよ」


「に、忍者なの?正道君は忍者の末裔だったりするわけ?ハァ、ハァ、ハァ」


僕の後から少し遅れて、息を切らせながら(きょう)と水夏がやって来た。


「遅かったね。二人共‥‥‥さぁ、行こう。僕達の〖常陸牛のステーキランチ〗が待っているよ」


「いやいや、先ずは息を整えさせろ。そして、何で見理はそんなに歩くのが速いんだよ。競歩の選手か何かなのか?この親友はっ!」


「いや、だから、正道君は忍者なんだって。(きょう)君。じゃないと誰にも気づかれずに教室を出ていけないよ‥‥‥」


「だな‥‥‥見理。お前は甲賀か伊賀の末裔なんだろう?」


二人共。教室から食事まで急いで移動してきたから、疲れて可笑しくなってるのかな?いや、二人が可笑しいのは何時もの事だった。


「そんな事、言っていないで早く〖常陸牛のステーキランチ〗の食券を買っちゃおうよ‥‥‥常陸(ひたち)牛が僕達を待ってるよ。僕は肉料理が好物なんだ」


僕はそう言うと、急いで食券機で食券を買い。食券を配膳担当のパートさんに渡し。常陸(ひたち)牛のステーキランチが来るのを今か今かと待った。


「はい。お待ちどう様。今日のスペシャル限定メニューだよです」


ジュワアァ~!


フライパンで焼かれたばかりの熱々の常陸牛ステーキが皿に盛られ、美味しそうな匂いを漂わせている。


「あ、ありがとうございます!!お、おぉぉ!!こ、これが茨城県が誇る銘柄牛〖常陸(ひたち)牛〗のステーキ‥‥‥黒毛和牛種の中でも枝肉格付においてA・B4以上に格付された上質で優秀なものだけを〖常陸牛〗と言う。関東地方を代表する和牛」


「いや、何でそんなに詳しいんだよ。生産者かお前は?」


「いや、だから移動が速いよ。正道君‥‥‥‥うわぁ~!良い香りだね。美味しそうっ!」


「そうでしょう。そうでしょうっ!今月の食堂メニュー一覧に載っていてね。常陸牛についてリサーチしてたんだよ。僕は美味しい物に目がないからね。今日は絶対にこれを食べると決めてたんだ」


「ほう。それは数分早く教室を抜け出してもやり遂げねばならん事だったのか?正道」


「じゃあ、二人共。僕は三人が座れる席を確保しに先に行ってるから、まってるよ~!」


「いや、見理っ!この人‥‥‥」


「‥‥‥聴こえて無いね。あれ。正道君の頭の中は食べる事で常陸牛のステーキを食べる事でいっぱいみたいだね」


「‥‥‥‥みたいですよ。副会長」


「‥‥‥‥‥あいつ。ぶっ殺すっ!」


ウキウキ気分の僕の後ろから声が聴こえたと思ったけど。気のせいだと思い込んで僕は食堂で一番見晴らしの良い場所に足早で目指した。全てはこの熱々の常陸牛のステーキを口に頬張り。至福の時を過ごす為に。


カタンッ!


常陸牛のステーキが乗ったトーレをテーブルに置く。


スゥー、ガタッ!


そして、椅子を引いて座る。


カチャッ!


箸を持って合掌をし。


「‥‥‥‥‥では、頂きます」


どうやら常陸牛のステーキは配膳担当の人が食べやすい様に1口サイズに切ってくれていた。

それを箸で掴み‥‥一口味わう。


パクりッ!


「う、う、美味いぞおおぉ!!肉質はきめが細かく,良質の弾力、非常に柔らかく風味があって肉が口の中で踊ってるみたいだっ!」


「ほうっ!それは良かったな。正道。それで何で私を無視したんだ?」


「おぉ、お米との相性が抜群だっ!程よく炊き上がった。お米に熱々の常陸牛を乗せて一緒に食べる。至福っ!まさに至福の時だよっ!これはあぁぁ!!」


「‥‥‥‥君は私をおちょくっているのか?‥‥‥‥ていうか、そろそろ私の存在に気づけ。おバカ後輩っ!!」


「あっ!美味し過ぎて、あっという間に食べ終わっちゃったよ。食後のデザートでも買いに行こうと。京と水夏にも買ってきてあげよう‥‥‥‥」


ガタッ!


僕はそう言うと素早く、食べ終えた後を片付けてトーレを持ち上げ、テーブルから移動しようとした瞬間。


「なっ?何だ?その素早い身のこなしは?てっ!ぶつかるっ!避けろ。正道っ!!」


「あっはい。副会長」ショイッ!


「あれ?もう食い終わったの?見理‥‥‥」


「相変わらず。早食いだね。君は‥‥‥‥」


僕は冷静に避けて‥‥‥‥


「いや、避けるな。このままでは私がにぶつかるっ!避けるなっ!もう居ない?どんな身のこなしだっ!お前はっ!‥‥‥‥ぶ、ぶつかるっ!避けろっ!二人共!!!」


「「へ?」」


ドガアアンン!!!


「「「ギャアアア!!!!!!」」」


三人が衝突し、トーレの皿に乗っていた常陸牛が空中を舞った。このままでは落ちて食べられなくなると思った僕は素早く、空中を舞う全ての常陸牛を掴み持っていたトーレの皿へと避難させた。


「‥‥‥‥フゥー、肉は無事だったよ。三人共。モグモグ」


「俺達は‥‥無事じゃねえよ」ガクッ!


「何‥‥‥‥どさくさ紛れてしれっと食べてるの‥‥‥僕らの肉まで」ガクッ!


「己‥‥‥正道‥‥‥覚えていろっ!この私を無視しおって‥‥‥」ガクッ!


「あれ?三人共‥‥‥大丈夫?」


その後、激しい衝突で三人共。数分位意識を失っていたけど、直ぐに回復し。一緒に昼食を取った。


しかし、何で綺羅々(きらら)副会長が食堂何かに居るんだろう?しかも僕に対してかなりお怒りだったけど。何でだろう?






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